ことばの物語
≪きょうせんこくー狂・泉・国≫
〖狂泉国〗
裸の多様の逆みたいな話です。
<中国の昔話。
ある国に「狂泉」しいう泉があって、その水を飲むとみな
狂人となった。ましてやその国には「狂泉」しか水源があ
りませんでしたから、人民はみな狂人と化していました。
ただ、王は井戸を掘って飲料水としていたので、狂うこと
なく無事でありました。
狂人と化した人民は、王が狂っていないのをかえって狂
人と思い、主だったものが集まり、逆に王が狂人であわれ
だから何とかして病気を治してあげたいと思い、国王を捕
らえ、お灸、鍼、薬草などを飲ませます。王はその苦しみ
に耐えられず、自ら狂人になった方がましだと、「狂泉」に
いって思い切り水を飲んだ。人民は万歳、万歳と連呼して
国王の病気が全快したと歓喜しました。>
これ、今の戦争のようですね。「狂泉」を与えた君主が、間違って
いた戦争だからもうやめようとしても、もはや正義のための戦争
と狂泉を飲まされた民衆は、偽りの戦勝に酔いしれ、「やれやれ、
どんどん進め」と狂い、自国が滅亡するまで許さなくなってきま
すよ。これ、第二次世界大戦の日本でもありました。
〖知らしむべからず〗
これは論語にある言葉で「由(よ)らしむべからず、知らしむへ
からず」とあり、民衆は為政者に従わせればよく、施政の詳細を
説明することは必要ないということです。ただ、これは聖人、
聖賢による政治という大前提があります。これがないと、とても
危険な思想となってしまいます。事実、これにより狂人まがいの
暴君に多くの国が不幸になりました。
もともと、これは統治の奥義だったようで、それが「民」という字に
表われています。
「民」は「目を針で突いて目を見えなくした奴隷」の意味を表わ
したもので、目の見えない人のように物が分からない多くの民、
支配に置かれる人々の意味となったものであります。
為政者にとっては、民に文字、学問を与えず文盲にしておくの
が一番だったんですね。
狂ーくるう・キョウ・ゴウ
字の成り立ちは「犭=けもの・犬」に「もとは山の下に王で、
枉(まがる)に通じ、まがる」で、獣のように精神が曲がる、くるう
の意味。
(補)
「狂」は犬が制止がきかず枠を外れて無茶な行動する情景。
まさしく、狂気は狂犬さながらで、身震いするほど恐ろしいもの
ですね。
国ーくに・コク
旧字は國。
字の成り立ちは「□=かこい」に「或=境界を区切る」できにの
意味。
※「或」は「戈(ほこ・武器を表す)」でもって、□(領地)を守ること。
(補)
「或」は國、有る、域と同系で、後に「或」は「有」にあてられ、
「域は土地+或(区切る)」で、地域の意味をあらわします。
水戸光圀の「圀」は、水戸の黄門様の使われていることでしか
知りませんが、この文字は則天武后が造らせたもので、國の字
の中が「或=惑に通じる」として嫌い、「□の中に八方」で広がり
栄えるという意味にしました。(則天文字といわれます。)
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
