精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

    

 

 

言葉の物語

  <ーひつじ・ヨウ>

 

農耕民族の日本人にはなじみが薄いですが、

遊牧民というと、必ず羊の群れが従っています。

カウボーイとなると牛ですが、牛が家畜化されるのは

もっと後のことらしいです。

羊は節食で砂漠でも強く、迅速に移動する群れで、

移動に最適であり、犬についで早くから家畜化された

動物だそうです。

 

」の語源はいたって簡単。

ひつじの首にかたどる。>これだけです。

ただ、羊の付く字で面白いのがありました。

<「羔=こひつじ・コウ」は「」に「」で、火の上

 に羊をおいたさま。あぶり肉には仔羊が適している

 ところから。>

どうですか、これは料理のレシピですね。

次に、これに多少関係していいるのが、

<「羨=うらやましい・セン」です。

  「」に「下の字は、口を開けた人のよだれ」で、

  羊の御馳走を見てよだれをながす。>

どうですか。

おいしいそうな火であぶられた仔羊を、

物欲しそうによだれをたらして眺めているんですよ。

羨ましいの意味にピッタリですね。

そして、「」。

<[]に[むらがる]>で、羊は群がる習性があって、

 昔の人達が目にするむらかっている動物と言えば、

 羊だったんですね。

 

この羊は、キリスト教で大きな意味を持つようになり

ました。

群れを成すこと、生贄の筆頭、そして羊飼い。

この3つがポイントとなります。

羊のれは、素朴であるが指導者を必要とする民衆

それを正しい方向へと率いるのが、羊飼いとしての

イエスであり、イエス亡き後の弟子たちであること。

そして、人の原罪の浄罪としての生贄のイエス

これらが羊に象徴される。

キリスト教絵画では、キリストは十字架、あるいは勝

利の旗をもち、

 

四つの川が流れる丘にたつ「聖なる仔羊」の姿で描

かれる。

丘は「教会」、四つの川は「四福音書」。

 

古くはアポロン信仰で、神殿に仔羊の生贄が捧げら

れ、その血で占った。

詩人であり竪琴の名手オルペウスが、肩に羊を抱え

ている姿で表される場合は、羊飼いを意味している。

ヘルメスは魂の羊飼い、つまり霊魂指導者である。

 

シュメールの月の神タンムズは、羊飼いであり、ヒツ

ジの群れの守護神である。

 

ヒンズー教のシバは牧夫である。

      (参照:『シンボル・イメージ小辞典』・『シンボリズム』

            『イメージの博物館』(山下主一郎著))

 

羊角(ヨウカク)

ひつじのつので、つむじ風(旋風)のこと。

また、棗(なつめ)の別称。羊棗(ヨウソウ)とも書く。

 

羊羹(ヨウカン)

羊肉のスープ。和菓子の名前。

 

羊歯(ヨウシ)

植物の「シダ」。うらじろの別名。

 

羊質虎皮(ヨウシツコヒ)

中身は羊で外皮は虎。

外見ばかりで実質が一致しない。

見かけ倒し。

 

羊腸(ヨウチョウ)

山道などが曲がりくねっていること。

九十九折(ツヅラオリ)

 

羊頭狗肉(ヨウトウクニク)

羊の頭を表の看板に出しながら犬の肉を売る。

見せかけばかりで、実際がそれに一致しないこ

とのたとえ。

                     (禅書『無門関』)

 

羊を持って牛に易(か)

鐘に血を塗る儀式の時、殺される牛の哀れな

様子を見て、羊を代わりに用いたと。

小さいものを大きいものの代用にするたとえ。

はてさて、どちらが哀れ。

羊は言うでしょう、

「役目が違う。神さんはおれなんか欲しがってな

い。」ってね。

立派な牛が欲しいんだってばさ!

 
2017.11掲載再考
 
今日一日 幸運でありますように!

 

                    誤字脱字ご容赦ください。