言葉の物語
＜千ーセン・ち＞
「千夜一夜物語」、それとも「千一夜物語」？
英語では『アラビアン・ナイト・エンターテイメント』。
『アラビヤの夜語り物語』となるんですかね。
千一とは、沢山の話しという意訳でしょうね。
事実話は二百数十話ですと。
名意訳とされるのが『噫無常』。これ『レ・ミゼラブル』。
子供の頃、意味が解らず「アムジョ、アムジョ」といって、
何かお化けの話しかなんって、思っていました。
中学生か高校生の頃、バートン版の『千夜一夜物語』
が大場正史訳で河出書房から出版されました。
欲しかったんですが、お金が無くて買えませんでした。
バートンはリチャード・バートンといって、イギリスの探
検家でもあります。
ナイルの源流を求めて、探検にでます。
そして、「タンガーニカ湖」を発見します。
この話は『愛と野望のナイル』という映画にもなりまし
た。
映画俳優に同じなの名優がいましたね。
第一の辞書
＜「千」は「人＝多くのもの」に「一＝ひとつ」で
数の多い「せん」の意味を表す。＞
第二の辞書
＜原字は人と同形だが、「セン」ということばと「ニン」
とは縁がない。
進の音を表し、その音を借りたもの。
たぶん、人の前進するさまからどんどん数え進んだ
数の意か。＞
結局解らないんですね。
解りませんとは辞書には書けません！
第三の辞書
＜音符は「人＝ジン」。甲骨文字、金文の字形は人
の字形の足の部分に短い線を加えて人と区別し、
数の「セン」の意味に用いる。＞
なるほど、という意味はこの「千」には見つかりません
でした。
とにかく、多いってことを表そうとしただけですね。
『千夜一夜物語』の意訳、ぴったりですね。
千岳(多くの山々)・千客万来(多くのお客)・千軍万馬
(多くの軍隊と馬)・千差万別(多種多様)・千山万水
(多くの山と川)・千辛万苦(多くの苦難)・千朶(多くの花
の付いた枝)・千門(多くの家)
とにかく多いんです。
千秋楽
唐の玄宗皇帝の誕生日(千秋節)に演奏されたという
楽曲名。
日本では、雅楽の最後に演奏する曲目。
これから、興業の最終日を言う。
千畳
千枚の畳ですが、山などの幾重にも重なったものを言う。
千文字
中国は梁の時代に作られた、文字を習わせるための
初級教科書。
岩波文庫にあります。
これは古く飛鳥時代に、仏教と一緒に日本に伝来してい
ます。
「天地玄黄・・・・焉哉平也。」四句を一つとして二百五
十句。
千貫の鷹も放さねば知れず
実際に確かめないと、評価は下せないということ。
千金の裘は一狐の腋に非ず
裘は皮衣で、狐の腋から取れる白い毛で作られている。
一匹の狐でできるものではない。
これから国政にも多くの賢人の力が必要だということ。
千金の子は市に死せず
金持ちの子は法を犯さない。(昔の話しでしょう)
千金の子は坐するに堂に垂せず
垂は端のことで、危険な所には座らないというこ
で、危険なことはしない、とです。
千金の珠は必ず九重の淵の而も驥竜の領下にあり
危険を冒さなければ、大事は成り立たない。
千石を取れば万石を羨む
欲には限りがない。
千畳敷に寝ても畳一枚
起きて半畳、寝て一畳ってことですね。
千手観音の誓いには枯れたる木にも花が咲く
千手観音に祈ると、何でも願いが叶うそうですよ。
多くの人を救うために千の手を付けて、自分はおぞまし
い醜い姿になってしまったんですね。
この方は本物ですね。
今日一日 幸運でありますように！
誤字脱字ご赦ください。