精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

       

 

 

言葉の物語

ーコウ・ギョウ・アン・ゆく・おこなう

 

以前、別のところでほんの少し触れましたが、

もう少し「行」について勉強したいと思います。

 

「行く」というと、まず思い浮かぶのはご存じ『方丈記』。

ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあ

 らず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結

 びて久しくとどまりたるためしなし。

 世の中にある人とすみかとまたかくのごとし・・・・>

そして、『曽根崎心中』の徳兵衛とおはつとの道行き。

此の世のなごり。夜ももなごり。死にゆく身をたと

 ふればあだしが原の道の霜。一足づつに消えて

 行く。

 夢の夢こそあはれなれ・・・・>

昔の人は素晴らしいですね。文が実にうまい。

時の流れ、情景の流れを言葉に乗せて、

絵画として、音楽として、それを物語るのであります。

 

第一の辞書

<「」は篆文字では「」のことで、左半分を抽象

 して道を行くの意。

 甲骨文字、金文字では十字路の象形>

第二の辞書もほぼ同じ。

 

行衣(コウイ)

旅衣。18歳の時、ブルートレイン特急さくら号

乗って、長崎から東京へ、一張羅を着て。

目立ちましたね、お上りさん。

東京の通勤列車。

当たり前ですね、東京の住人、普段着ですよ。

よそ行きの服なんて着てるわけない。

 

行客(コウカク)

旅人。旅客。行使。遊子。

 

行吟(コウギン)

歩きながら歌う、といっても詩を吟じるんですよね。

歩きながら歌うなんて子供だけ。

と思ったら、最近は若者が歩きながら大声で歌っ

ているんですね。

昔は口笛吹いている大人はいましたが。

大衆の中で大声で叫ぶのは、狂人だけと聞いて

いましたが。

騒音まがいの路上ライブ。いやですね。

悦に入っているところが、もっといや。

 

行幸

天子の外出。なぜ「幸」がつくか?

それは、天子の行先ではみな幸福を受け取るか

らと。

 

行尸走肉〈コウシソニク〉

尸=しかばね」が歩いて「肉」が走る。よく言っ

てくれたもんだ。

何の役にも立たない無学無能の人ですと。

「さしずめお前はインテリだな」なんて寅さんがい

いそうですね。

何かの役に立つことは素晴らしいことですが、

何かの役に立つために、生きているわけでもあ

りません。

 

行者(コウシャ)

道行く人。行人。

仏教では方丈の侍者仏道修行者を言う。

「方丈」は、住職が生活する建物。(本来は4畳

半程度の広さ)。

大きい方丈に住む住職は、生臭坊主かな?

方丈は狭いにもかかわらず、そのなかに全宇

宙が存在すると考えられています。

 

行住坐臥(ギョウジュウザガ)

これを四威儀というそうで、この日常茶飯事の

行動そのものが修行であるとのこと。

威儀を正す」はこれからきています。

人が、いようといまいと威儀を正して、自己を慎

まねば。

 

行蔵(ギョウゾウ)

世に出ること、世を退くこと。出処進退のことですね。

  行蔵は我にあり

  毀誉は他人の主張

               (勝海舟)

 

行年(ギョウネン)

生きながらえた年数で、死んだ人に使います。

享年と同じ。

 

長くなりそうなので、このへんで。

 
2017.10掲載再考

 

 

今日一日 幸運でありますように!

 

                 誤字脱字ご容赦ください。