言葉の物語
<浮ーフ・うく・うかれる・うかぶ>
浮世夢の如し
歓をなすこと幾何ぞ (李白)
浮き世は憂き世。
元は、浮世はつらいこの世「憂しの世」としての「憂き世」
から。
それが、仏教の影響を受けて、厭い離れるべきこの世
となり、さらに変転極まりない定め無き「浮世」となり、そ
れならいっそ楽しく生きようではないかと、享楽的な生き
方へとなって行くのでありました。
「浮世絵」はこの俗世を描いた絵本週刊誌みたいなもの。
第一の辞書
<「浮」は「水」に「孚=乳飲み子をかかえるさま」で、
つつみふくれるの意。>
どうですか。浮いていますか。
第二の辞書
<「水」に「孚=爪をふせた字形」で、親鳥が卵を包む
ように、手で覆って上から水を抱えるようにふせてうくこ
と。>
これで、少し浮いてきましたね。
第三の辞書
<「孚=子の上に手を加える形」で、人を手で捕える
の意味で、水中に没している子供を上から救おうとして
いる形。>
いずれも、「浮」に「子」がついている意味が解りますね。
浮雲(フウン)
浮雲遊子の意 (李白)
はかなくあてにならないこと。
浮客
さすらいの旅人。
浮生(フセイ)
儚い生命、人生。
浮図・浮屠(フト)
梵語の音訳で、仏をいう。転じて僧、仏教。
浮梁
うき橋。
浮き沈み七度(ナナタビ)
浮き世五百八十年
この世は儚く変わりやすい。
それを思わず、永遠に続くと思うこと。
浮き世には鬼はない
渡る世間に鬼はない
渡る世間は鬼ばかりではないってこと。
浮き世の苦楽は壁一重
苦楽は背中合わせ。
浮き世は衣裳七分
見た目が七割ですよ。
知らない人、見た目で判断、それしかないですよね。
だから、自分から話さねばならないのであります。
浮き世は糸瓜の皮頭巾
この世は取るに足りないもの。
何事も気に掛けなさんなってこと。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。