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水田耕二の相続現場ブログ

遺言・相続セミナーで100名の方に「遺言を書いたか?」アンケートしました。
結果は、ゼロでした。
相続の手続きが必ず必要な方に情報が伝わっていないと
実感した瞬間でした。
だから、遺言と相続の現場で起こっている情報を書きます。

子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.64


第126回 子どものいないご夫婦の片方が認知症になった時の相続は?①


東日本大震災で被災された皆さまに、

心からお見舞いを申し上げますとともに、

一日も早い復興をお祈り申し上げます。


福岡ゆいごん塾の水田です。


福岡遺言塾(ゆいごん塾)にご質問のある方は

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遺言・相続のワンコイン・セミナー を毎月開いています。

興味のある方は、気軽にご参加お待ちしてます。


玲子さん(仮名70歳)夫婦には、子供がありません。

これまで二人仲良く暮らしてきて喧嘩一つありませんでした。

ところが、ある日ご主人(76歳)が呟いた言葉に玲子さんは驚きましたが

夫の愛情も感じたのです。


それは、

「もしも、玲子が認知症になのに僕が死んだとき、

相続手続きはだれがするのかな?」

玲子さんは、答えられません。


ところで、みなさんはどうでしょうか。

分かりますか?


子供のいない夫婦は、「双方が必ず遺言書を書きましょうね」と

このブログで口酸っぱく言ってきたので、

みなさんはお分かりになっていると思います。


玲子さん夫婦は、遺言を書いてますから

ご主人の遺産は当然に玲子さんに相続されます。

しかし、手続きをしないと玲子さんのものになりません。


しかも、玲子さんは認知症ですから本には、判断能力がありません。

署名捺印ができませんから、銀行からご主人の預金を解約するなどの

手続きができません。

そこで、誰か他の人に手伝ってもらう必要があります。


そんな時、成年後見制度を使い法定後見人を家裁から選んでもらい

玲子さんの相続手続きをしてもらい、その後の財産管理などを

頼むことになります。


法定後見制度は、裁判所が介入するので、きわめて安全です。

安全ですが、玲子さん夫婦が予定していた事ではないので、

ほんとに満足できるのか、それは分かりません。


では、どうすればいいのか?

ご主人がつぶやいたのは、正にそのことだったのです。


法定後見制度は、使う人の資格に制限があります。

それは、原則4親等内の親族しか家裁に申し立てができないのです。

さらに、その親族と付き合いがあろうがなかろうが、

親密であろうが、なかろうが、問題にはなりません。


もしも、玲子さんが絶対に世話になりたくないと思っていた親族でも

法定後見人なるかもしれないのです。


玲子さんは、考えていしまいました。

「どうしようか?」


次回に解決策を教えます。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.63


第125回 子どものいないご夫婦の夫とその父親が同時に罹災すると!


東日本大震災で被災された皆さまに、

心からお見舞いを申し上げますとともに、

一日も早い復興をお祈り申し上げます。


福岡ゆいごん塾の水田です。


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瑠璃子さん(仮名39歳)夫妻には、子どもがありませんでした。

ご主人の弟夫婦は、子どもが一人います。


その兄弟夫婦は、とても仲が良かったのでご両親も加わり

一緒に旅行に行ったりして毎日喜びに溢れた一族でした。


ところが、その家族に突然交通事故という思いもかけない出来事が

降りかかったのです。

瑠璃子さんの夫とお義父さん、さらに弟さんの3人が亡くなりました。


瑠璃子さんとお義母さん、それに義妹の3家族が一緒に葬儀を

することになりました。

49日の納骨がおわり、3人で相続手続きの話になった時です。

義妹が「お義父さんの遺産は、どうなるのですか?」と

話を切り出したのです。


お義母さんは、ちょっと不機嫌な顔で「みんな居なくなったからね

どうなるか分からないわ」と言いました。


すると義妹は、「お義父さんの遺産を、うちの子供は

相続する権利があると思うんですかけど」


瑠璃子さんは、分かっていました。

ご主人を亡くし、明日からの生活に不安を感じている義妹は、

子どものために少しでもお義父さんの遺産を自分のご主人の分を

相続したいと考えたのでしょう。


お義母さんとしては、そんな相続の事よりも自分の夫と

おなかを痛めた2人の子供を失った寂しさの方が重かったのです。

「しばらく、そっとしといて」と言うのが、精一杯でした。


それから、3ヶ月が経ちました。

瑠璃子さんに義妹から電話が入り、「義姉さん、実はうちの子供は

お義父さんの相続人にだということが分かりました」と少し熱っぽく

語り始めたのです。


義妹によると、お義父さんと長男、次男が一緒に亡くなったので、

それは同時死亡の推定といって相続関係は無くなるというのです。


つまり、お父さんの相続人は、お義母さんだけで長男次男は

相続できなくなるというのです。


だから、長男の妻である瑠璃子さんは、夫の遺産だけを相続し、

義妹も同じになるというのです。


でも、義妹の子供は、代襲相続といってお義父さんの遺産を

相続するのだそうです。

ということは、子どものいない瑠璃子さんだけが、お義父さんの

遺産相続に関係しないことになるのです。


でも、瑠璃子さんには少しも不満はありませんでした。

子供を失ったお義母さんの悲しみに比べれば大したことではない。

そう思っていたのです。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.62


第124回 子どものいないご夫婦に隠し子があると・・


福岡ゆいごん塾の水田です。


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玲子さん(仮名63歳)夫婦に子供はありません。


そうだと玲子さんは思って30年ご主人と暮らしてきました。

ところが、1月にご主人が亡くなり49日の法要をしている時に

事件は起こりました。


それは、法要の準備に追われている最中の朝早い時間でした。

知らない方が訪ねてこられ「お線香を上げさせてくれ」と言っていると

叔母が告げに来たのです。


玄関にでると、会ったことのない20代の男性でした。

主人の知り合いにはいない方なので、玲子さんが主人との関係を

尋ねたのです。


すると、青年は「ご主人は僕の父です」と言うのです。

ビックリして、玲子さんはまじまじとその顔をみました。

なんとなく似ているような気もします。


唐突な話の内容に驚きましたが、そばで聞いていた叔父が

「まあ、話は線香を上げてもらってからでは」というので

家に上がってもらいました。


焼香の後、青年は母親からこれまでに聞いていた

父親のことを問わず語らず話しはじめました。


「母は父が医学部に在学中にクラブ活動を通じて知り合ったこと」

「3年間付き合ったが、妊娠して別れたこと」

「子供を産むことを反対されたが、故郷に帰り出産したこと」

「父親には、会わないよう言われていたこと」

「青年が大学を卒業すると、病死したこと」などを静かに

話しました。


父親に会うつもりはなかったが、偶然新聞の死亡欄を見て

亡くなったことを知り尋ねてきたのだということでした。


玲子さんが聞きづらいと思ったのか、

伯父が横から成年に質問しました。


「君は、お父さんに認知してもらいたかったのかな?」

青年は、一瞬下を向いて考えているようでしたが、

玲子さんに顔を向けると「いえ、両方とも喜ばないと思いますから」と

さわやかの声で答えました。


父親が死亡していても、その死亡から3年以内であれば、

認知調停の申立や審判による判断を、

家庭裁判所に下してもらうことができます。


玲子さんは、青年がこの法律を知っていたかどうか

聞きませんでした。

そして、その後青年が訪ねてくることもありませんでした。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.61


第123回 子どものいないご夫婦は、お父さんの忠告を聞いてください


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前回までのお話:

新井善一さん(仮名78歳)は、ついに遺言を書くことにしました。

優しかった長男が、「親と同居して老後の世話をすることはできない」と

捨て台詞をはいて出て行ったからです。



善一さんは、「きっと長男の嫁が言わしているのだろう」と

分かっているのですがそんな考えの長男に実家を譲るわけにはいかないと

思いました。


そこで、あとは長女の道子さんに老後を託し、

お墓を守ってもらうことを決めたのです。


でも、道子さん夫婦には子供がありません。


そこで、もしも道子さんがご主人よりも先に亡くなると、相続人は

道子さんのご主人と、善一さんが絶対に遺産を渡したくない長男が

相続人として登場してくるのです。


再度、善一さんは専門家に対策を相談しました。

それを避けるには道子さんも遺言を書いておくことが必要だという

ことが分かったのです。


善一さんは、自分と同時に娘に対して遺言書を書いてくれと頼むことに

違和感がありました。しかし、絶対に長男夫婦に遺産を譲るたくないと

一念から道子さんに遺言書を書くよう申し入れをしたのです。


幸いに、ご主人が善一さんの気持ちを汲んでくれたので遺言の作成を

善一さんと道子さんは、一緒に作成しました。


道子さんの遺言は、こうです。


遺言


私のすべての財産を夫〇〇に相続させる。


平成23年10月15日

   〇〇 道子   ㊞


このブログのファンの方は、そんな簡単な遺言書で大丈夫なのと

不安に思われる方がいらっしゃるのではないかと思います。

でも、安心してください。

シンプル・イズ・ベスト。


道子さんと長男さんは、兄妹です。

兄妹は、双方が法定相続人ですから道子さんが遺言を

書いてないと、ご主人と共に長男さんが相続人として

登場するのです。


ただし、相続分が違います。

それは、道子さんのご主人が4分の3で長男さんが

4分の1となります。


これは、あくまで道子さんが遺言書を書いていない場合です。

でも、遺言書があれば、100%ご主人が相続できます。

実は、兄弟姉妹には遺留分権がないのです。


そこで、長男さんは遺言書で道子さんのご主人に

「すべての財産を相続させる」と書いてあれば

ご主人が全部相続できるのです。


子どものいないご夫婦は、絶対に遺言書を書いて上げましょう。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.60


第122回 子どものいないご夫婦は、お父さんの忠告を聞いてください!その1


福岡ゆいごん塾の水田です。


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新井善一さん(仮名78歳)は、ついに遺言を書くことにしました。

優しかった長男が、「親と同居して老後の世話をすることはできない」と

捨て台詞をはいて出て行ったからです。


善一さんは、「きっと嫁が言わしているのだろう」と分かっているのですが

そんな考えの長男に実家を譲るわけにはいかないと思いました。

あとは、長女の道子さんに老後を託し、お墓を守ってもらうことを決めた

のです。


でも、気がかりなことがあります。

それは、道子さんたちに子どもがいないのです。

しかも、ご主人は跡取りなど古い家族制度の名残だと

考えているようなのです。


でも、こういう状態になったらとにかく道子さんに後を託して

新井家の遺産が長男のお嫁さん側に行くことは、絶対にゆるせないと

言うのです。


善一さんは、遺言の内容について考えました。

「一銭も長男に相続させたくない」と遺言に書きたいが、

遺言書の専門家に言ったところ遺留分と言う権利が

長男にもあるので「ゼロ」はだめだと分かりました。


そこで、遺留分は、いくらなのかその金額を専門家に

計算してもらうことにしました。

そのためには、「固定資産評価証明書」が必要なので

市役所(固定資産税課)でもらってくるように言われました。


さっそく証明書をもらってきて計算をしてもらいました。

評価証明書には、善一さんの家とその土地に評価額が

合計で2000万円と書かれていました。


さらに、善一さんの預貯金が、現在のところ3000万円くらい

ありますので、資産は、合計で5000万円と判明しました。


さあ長男さんの遺留分ですが、善一さんの相続人は奥さんと

子供さんが2人ですから、長男さんの相続分4分の1×2分の1で

8分の1×(善一さんの遺産総額)となります。


したがって、金額は512万5000円です。

この金額を、長男さん分として残せばいいと言われました。


これで、善一さんの遺言に書くべき金額が、決まり、

ほっとしました。


しかし、次の問題がまだ残っているのです。

それは、子どものいない長女が亡くなった時の事です。

その場合には、相続人として長男が登場するからです。


善一さんは、まだ安心して眠れないと言い出したのです。

次回に続きます。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.59


第121回 子どものいないご夫婦のお母さんは注意して!


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子どものない玲子さん夫婦は、とても親孝行です。

お嫁さんの玲子さんは、お義母さんと気も合うのか

休みになるとまるで実の親子のように二人で買い物や食事に

出かけて行きます。



玲子さんのご主人は、自営業なのでそんな二人が仲良く遊びに行くのを

うれしそうに送り出し仕事をしています。

一般的には、嫁と姑は仲が良くないと相場は決まっていますから。



そんな中で、お義父さんが入院したのは暮れも押し迫った時でした。

肺がんでした。タバコが好きで、お義母さんも注意していたのですが。



お義父さんは、玲子さんと長男のご主人をよんで、

「もしも、私が死んだら、お母さんのことは頼むよ。

そのかわりに、財産は遺言で全部お前に譲るから。」



葬儀も相続の手続きも問題なくすみました。

他の3人の兄弟は、母親の面倒を見る長男夫婦んが、

すべてを相続することに異議は、無かったからです。



それから3年、玲子さんの周りは何事もなく平穏な時間が

流れていました。

それが、出張に出かけたご主人に突然の不幸が訪れたのです。

交通事故でした。仲が良かっただけに玲子さんのショックは

大きいものがありました。



さらに、事故後にお義母さんの世話をする人は、玲子さんではなく

ご主人だったということが分かったのです。



一つ屋根の下で、ホントはお世話されていた二人が

一緒に住んでいても上手く行かなくなってしまったのです。

半年後に、玲子さんはとうとう実家に帰っていしまいました。



初盆が近くなったある夏の日、玲子さんからお義母さんに

電話がありました。

「初盆には、これるんでしょう?」と言おうとする声を遮るように、

「実は、私が相続した家を処分したいのです。」

「もちろん、お義母さんには、それなりのお金を支払います」



お義母さんは、ご主人を失い、長男を失い、そして今度は

自分の住む家を失おうとしているのです。



子どものいないご夫婦が、身近にいらっしゃる世のお父さん

お母さんは、相続の順番を間違えると、予想もしていない事態に

なることを忘れてはいけません。



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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.58


第120回 子どものいないご夫婦で先にご主人が亡くなると・・!その3


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久美さんのケースは、実はまれなんです。

無いと考えていただいた方がいいかもしれません。


そうそう、初めて読まれた方は、その1のブログまで戻ってくださいと

申し上げるのは、失礼ですよね。

経過を説明します。


久美さんのご主人が亡くなって、その後にお義父さんが亡くなり

相続問題にお義母さんと、お義母さんの子供、そして久美さんが

話し合うことになったのです。


しかし、久美さんのご主人の後にお義父さんが亡くなったので

久美さんは相続人ではないので、遺産分割の話合に

入れてもらえませんでした。


確かに相続法ではそうかもしれませんが

久美さんは、お義父さんやお義母さんと同居しているのですから

話し合いに入れてもよさそうです。

でも、現実は違うと思います。


そうです。

相続人は、自分の権利を守ろうとしますから、

久美さんを第三者として排除したいという心境になると

考えた方がいいと思います。


しかし、その2の結論では、お義母さんが子供たちを説得して

久美さんのこれまで世話をしてくれたことに感謝して

遺産を遺そうとしました。


でも、現実はハッピーエンドで終わらないのです。

そのリアルなもう一つの遺産分割の結末を

みなさんに知ってもらいたいので書きます。


それは、久美さんを遺産の話し合いの部屋から

追い出した子供たちは、お義母さんに迫ります。


「親父がいなくなった町工場は、後継ぎがいない」

「だから、敷地を売ってみんなで公平に分けようよ」

「お義母さんは、そのお金で施設に入ればいい」

「久美さんは実家に帰ってもらえばいいじゃないか」

こんな会話が相続人の間で続きます。


でも、お義母さんは一言もしゃべりません。

子供たちが、どんな気持ちでいるのか分かって

いるからです。


いや、もっと現実のことを考えているのです。

それは、「この先、私のことを世話してくれるのは誰?」と

やはり目の前のことを考えているのかもしれません。


そして、その考えの中に久美さんの事は入っていないのです。


もちろん、久美さん自身もお義母さんや兄弟に

見放されることをもっとも心配しているのです。


だから、今後も町工場というよりお義母さんと一緒に

生活できればいいと考えているのです。

自分の権利を主張するというよりは、「自分の生活」を

考えてしまうのです。


だから、けっして兄弟と争うことはせずに

ましてや久美さんのご主人が考えていた

町工場を反映させるという夢は、生活という一言で

雲散霧消せざるを得ないのです。


だから、だからです。

お義父さんも、久美さんのご主人も、

遺言書を書いて久美さんとお義母さんを守ってあげることが

必要なのです。


よろしいでしょうか。

遺言書は、遺産を守るのではなく「家族」を守ってくれるのです。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.57


第119回 子どものいないご夫婦で先にご主人が亡くなると・・!その2


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久美さんは、お義母さんと兄弟の話合が済むまで

隣の部屋で待っていました。


この実家の工場を売却するのか、それとも

これまで通りに暖簾を守って久美さんとお義母さんの

二人で頑張っていくのか、話し合いの結果次第です。


結論が出たのは、夜遅くでした。

3人の兄弟が帰った後に、久美さんはお義母さんに呼ばれました。


「久美さん、実はね。

子供たちが久美さんに遺言で工場を譲らないと約束させられたの」

そして、相続手続きでお義父さんの町工場の敷地を

「子供たちとお義母さんの共有にしろと言うのよ」


敷地を共有にすると、お義母さんは勝手に久美さんに

土地の権利を譲れません。

でも子供たちは、いずれお母さんが亡くなった時には

工場を閉鎖して土地を売却するつもりです。


お義母さんは、ため息をついて久美さんに謝ったのです。

「ごめんなさいね。せっかく長男と二人で工場を盛り立てて

頑張ってくれたのに。お義父さんも亡くなったから仕方ないね」と

涙を流すばかりでした。


でも、久美さんは言ったのです。

「お義母さん、私、頑張って工場を続けます」


すると、お義母さんは、

「私が居なくなったら、子ども達は工場の

敷地を売るから、久美さんは続けられないわよ」


そこで、久美さんはお義母さんに言いました。

「お義母さんは、私が工場を守ることに賛成ですか?」

「もし、工場を続けたいと願っていらっしゃるのであれば

私は、頑張ります」


「私は、お義父さんと、長男が頑張った工場だから

久美さんが工場を引き継いでくれるなら賛成ですよ」


そこで、久美さんはお義母さんにお願いをしました。

それは、お義母さんに遺言書を書いてもらうことにしたのです。


その前に、久美さんは、お義母さんと養子縁組をしました。

その上で、改めて「遺言書」を書いてもらい

お義母さんの持ち分である2分の1を久美さんに相続させると

書いてもらったのです。


養子縁組は、お義母さんの意思で、久美さんと二人で

できます。

さらに、相続させる遺言を書いてもらえれば

久美さん抜きでは、工場の敷地を売ることはできません。


今後とも、久美さんは頑張って工場の仕事に邁進することが

できるのです。


でも、遺言書に書いてあることが、子供たちに分かるのは

お義母さんが亡くなったときです。

その時に、久美さん一人が3人を相手にいくら遺言書が

あっても対等な話し合いはできません。


そこで、お義父さんの100日日法要が行われるときに

お義母さんから子供たちに、工場を続ける決意表明として

話してもらうことにしました。


それからもう一つ、お義母さんと久美さんは、

「任意後見契約」を結び、久美さんが

お義母さんの後見人になることにしました。


こうしておくと、もしもお義母さんが認知症になった時でも

久美さんがお義母さんの「財産管理」をする事ができるからです。


こうして、ご主人が願っていた工場の経営は、

久美さんが代表者として続くことになったのです。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.56


第118回 子どものいないご夫婦で先にご主人が亡くなると・・!その1


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久美さん(仮名53歳)ご夫妻には、子どもがありませんでした。

長男だったご主人との結婚は、町工場を経営する両親と

同居することが条件でしたので工場兼自宅で

族4人仲良く暮らしていました。


ところが、久美さんのご主人が昨年交通事故で亡くなったのです。

久美さんは、実家には帰らずご両親と工場の両方を支える人生を

選びました。

それが、亡きご主人の愛情に報いる道だと考えたからです。


しかし、お義父さんとお義母さんは大変喜んでくれましたが

ご主人の3人の兄弟は久美さんのそんな気持ちを

歓迎してはくれませんでした。


兄弟は、夫を亡くしても自分の家に帰らない久美さんの事を

実家の財産を狙っているからと周囲に言いふらしていたのです。


そんな意見にも耳を貸さず、久美さんは懸命に実家の経営を支え

ご両親のお世話を続けました。


「お陰様で」といえるくらい町工場の業績は順調に伸びていき

お義父さんたちは、「嫁ががんばってくれるから」と

周囲の人たちに言って喜んでくれました。


「好事魔多し」とはよく言われますが、

突然、事件は久美さんに襲いかかったのです。


お正月の準備に追われる師走の慌ただしい中に

社長のお義父さんが、倒れたのです。

「くも膜下出血」でした。


そして葬儀に追われる中、兄弟から「相続の話合い」が

持ち出されたのです。


相続人は、お義母さんと兄弟3人です。

しかも、「相続人ではない」からと久美さんは

席を外してくれと言われたのです。


どんな話し合いが進められたのか久美さんには

まったく分かりません。

ただ、町工場が、駅に近い一等地にあり

しかもかなりの広さがあることから

お義父さんの元気なときから大手のディベロッパーが

訪ねてきていたのです。


兄弟たちが、工場の敷地を売却して

資産を分配したがっていることは、容易に想像がつきます。


さあ、この話合の行方は?

次回に続きます。


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子どものいない夫婦の相続特集100例 VOL.55


第117回 子どものいないご夫婦の両方が亡くなった相続は? その2


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前回は、遺産分割の調停を申し立てた久美さん(仮名78歳)が

調停の途中でお亡くなりになり取り下げになったというところまで

お話ししました。



久美さんの自宅は、放置された上たで誰も尋ねる人は

ありませんでした。

すると、近隣にお住いの方達から草茫々の状態で迷惑をしていると

市役所に苦情が入ったのです。



そこで、市役所は久美さんが亡くなった後に

固定資産税を払い続けていた甥の方に連絡が入ったのです。



甥子さんは、解決するためには久美さんがあきらめた遺産分割を

もういちど家庭裁判所に申し立てました。



前回は相続人の人数が15名でしたが、今度は22名に増えています。

それは、久美さんのときはご主人側の兄弟と甥姪が相続人でしたが

今後は、それに久美さん側の兄弟とその甥姪が加わりましから

もっと増えることになったのです。



しかも、相続財産は久美さんの全財産ですから4000万円全部が

分割の対象になります。

相続人たちは、もらえるものは何でももらおうと

現金な立場で調停に参加してきます。



さすがに久美さんの甥子さんは、勝手な相続人の態度に

ムッとしますが、解決するためには、我慢です。

でも、ちょっと楽しみな面もないではありません。



それは、ご主人側の相続分は前回調停で話し合われた

ご主人の遺産の4分の1ですが、久美さんの甥子さんたちの相続分は、

久美さん相続分だった4分の3になります。



甥子さんは、久美さんのときから相談相手になったり

家裁に提出しなければいけない戸籍謄本を集めるために

苦労してきましたから、少しですが喜びもあるのです。



ところで、集める戸籍などの資料ですが、

このケースでは久美さんのご主人の産まれてから亡くなるまでの戸籍と、

ご主人側の相続人の現在の戸籍を集めることになります。

もし、ご主人の兄弟で亡くなっている方がいる場合は、その甥、姪までの

戸籍になります。



その数は、15人でした。



そして、今度はさらに久美さんの兄弟と亡くなっている方の甥、姪の戸籍を

集めることになります。

さらにその上22人方の住所を探し出し住民票を集める必要があります。



みなさんは、22人の方の戸籍と住民票を集める自信は、ありますか?


さて、調停で話し合いは、順調に進みました。

それは、不動産を売却して相続分をお金で分配することに

全員が同意したからです。


なぜなら、前回は久美さんが相続人へ支払う

お金がなかったからです。


甥子さんは、なんだか虚しい思いを感じました。

「地獄の沙汰も金次第」なんですかね。


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