子どものいない夫婦に起こる相続争い エピソード100 VOL.72
第136回 子どものいないご夫婦のご兄弟は、相続で苦しむかも!
東日本大震災で被災された皆さまに、
心からお見舞いを申し上げますとともに、
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
遺言・相続・成年後見・福岡塾の水田です。
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次男の佐野義彦さん(仮名63歳)は、兄妹3人です。
お兄さんの正彦さん(仮名65歳)が社長で、お嫁さんのれい子さんが
副社長で共同で鉄工所を経営してました。
職人の義彦さんは、堅苦しいことが苦手で
お兄さん夫婦に会社経営をまかせていました。
妹の和代さんから、兄弟二人で作った会社だから
経営のことを勉強しないと「兄さん夫婦に取られてしまうわよ」と
冗談を言われていました。
そんな矢先にお兄さんの正彦さんが、体調を壊して
入院してしまいました。
当然に会社は、副社長のれい子さんが切り盛りするようになり
義彦さんは、あいかわらず現場で油まみれで仕事をしていました。
半年も過ぎたころ、とうとうお兄さんが亡くなってしまいました。
肺がんでした。
覚悟はしていたのですが、社長が亡くなると世間の会社を見る目が
変わってしまいます。
兄弟会社とはいえ、社長のいない中小企業は糸の切れた凧のように
取引先も銀行も離れて行ってしまいました。
お定まりの倒産が待っていました。
会社を清算して借金を返すことになりました。
負債は、数千万円ありました。
でも、義彦さんの計算では、かなりの預金もあり、会社の不動産は
担保に入っていないので返済の心配はしていませんでした。
ところが、税理士の先生の話によると負債を返す会社の預金も
資産も無いことが分かりました。
ほとんどの会社の財産が、副社長のれい子さん名義に
替えられていたからです。
実は、社長であり長男の正彦さんが亡くなった後に
相続手続きが行われていたことを知らされました。
社長が書いた公正証書遺言があったのです。
社長夫婦には、子供がありませんでした。
だから、社長の正彦さんが亡くなると相続人は、
れい子さんと次男の義彦さん、そして妹の和代さんの
3人です。
れい子さんから相続について一切話がなかったので
副社長として全財産を会社につぎ込んで夫の会社を
支える気持ちなんだろうと義彦さんは考えていたのです。
ところが、れい子さんは公正証書遺言ですべての会社の財産を
自分名義に変えていたのです。
まず、自筆証書遺言であれば家庭裁判所の検認手続きを
必要とするので、玲子さんが相続手続きを始めたことは
兄妹に分かるのです。
ところが、公正証書遺言は検認がいらないので
れい子さん一人で、兄妹にわからないところで手続きは
できるのです。
しかも、兄妹には遺留分がないために減殺請求が
できません。
この時。初めて妹の和代さんが言っていた「会社経営」というものが
実感として分かったのですが、後の祭りです。
倒産の整理後、れい子さんは生まれ故郷に帰り、
自宅とアパートを新築して幸せに暮らしている話が聞こえてきました。
子供のいないご夫婦の兄妹は、ご注意を!
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