2015年5月26日に施行された、国の空家対策特別措置法に基づき荒尾市では、空家等対策基本計画の策定が進められています。
その計画を策定することも目的に2016年9月30日、荒尾市空家等対策審議会設置の条例が施行されました。
そして同年10月28日、空家等対策を総合的かつ計画的に実施するための審議会が設置されています。
条例において審議会メンバーは、法務・不動産・建築等に関し識見を有する者、地域住民を代表する者、市職員、その他市長が必要と認める者による、委員15人以内をもって組織することにされており、委嘱任命された方々は11人。
有明工業高等専門学校助教、熊本県建築士会あらたま支部、熊本県司法書士会、熊本県宅地建物取引業協会荒尾支部、荒尾市民生委員児童委員協議会連合会、荒尾市行政協力会、熊本地方法務局玉名支局、有明広域行政事務組合消防本部荒尾消防署、熊本県荒尾警察署生活安全課から9名。
そして、市職員2名のようです。
設置からこれまでに2回の会議が開催され、次回の会議は3月下旬を予定されているようで、次の会議では荒尾市空家等対策基本計画(案)を決定し、4月に計画決定の予定のようです。
そのようなことから、先日に開催されました市議会全員協議会での報告になったのではと思います。
その内容は、今朝の有明新報記事に掲載されています。
2012年度の行政協力員調査、2014年度の利活用可能住宅調査、水道利用0m3など空家情報の統一を図った855戸を対象に、外観目視による現状調査を行い、解体済みや入居されている戸数を削減し、新規の空家を追加した結果、741戸の空家を昨年9月末で確認しているとのことです。
さて、審議会では市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議し、答申するものと、条例で定められています。
(1)空家等対策計画の策定に関する事項
(2)特定空家等に該当するか否かの判断に関する事項
(3)法第14条の規定に基づく特定空家等に対する措置に関する事項
(4)その他 空家等に関する対策の推進に関し必要な事項
法第14条では、諸条件のもとで特定空家に指定された物件に対し、指導・助言・勧告・通知(命令)ができること。
様々な手続きを経て行政が代執行し、解体等に係る費用をその所有者に請求することできること、などを記載しています。
特定空家等とは、下記のような状態にあると認められる空家等を指しています。
◆そのまま放置すれば倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態。
◆著しく衛生上有害となるおそれのある状態。
◆適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態。
◆その他周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切である状態。
住宅用地特例の適用対象では、固定資産税が最大6分の1になりますが、特定空家に認定されますと、固定資産税などの住宅用地特例の対象外となります。
特定空家に認定される要因となった不適切な箇所を改善すれば、特定空家から解除されるなど、とにかく所有者が適切に管理することが求められます。
購入者があれば売却を考えるといったご意見もあるようですが、空家をそのままにしていることには、それぞれの事情があるようです。
●解体すると、固定資産税が高くなるのでそのままにしている。
●以前は借家活用。リフォームにも費用がかかる。
●生活用品等が一式残っている。仏壇をおいている。
●所有者変更手続き、相続についての話し合いが完了していない。
●処分するにも費用がかかる。処分する時間とお金がない。
●現在、他県の遠方に働き住んでいるので、家の中の物の片付けができない。
●思い出の土地、思い出の家であり、そして品が残っている。
空き家には、まだ住めるのに何ら手を施さずに放置されている物件もあれば、敷地内に雑草が取り囲むように生い茂り、ツタが家を包み込むように張り巡っている物件。
立ち枯れ状態で、屋根が今にも落ちそうな危険な状態にある物件など様々にあります。
どのような空家が特定空家等に該当するかは分かりませんが、空き家の所有者・管理者は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、適切に管理することが求められています。
平成28年10月号の『公報あらお』に『荒尾市の空家問題の解決に向けて』と題して、その紹介がされています。
そして『問題解決に向けて、空家所有者と一緒に取り組んでいきます。お気軽にご相談ください。』とあります。
空家でお悩みの方、空家の利活用に対する支援や空家バンク制度などありますので、市に相談をされてみてはと思います。
また、空家を解体する処分費用のことが言われます。
大牟田市では、周辺環境等を悪化させ、放置されている木造もしくは軽量鉄骨造の家屋等、またはその部分で市の定める判定基準値を超える「老朽危険家屋」と判定した家屋について、解体に係る費用の一部を補助する、老朽危険家屋等除却促進事業があるようです。
交付に当たって諸条件はありますが、補助する金額は対象費用に2分の1を乗じて得た額以内、または45万円を限度とされています。
これまでの実績については分かりませんが、補助金交付で「老朽危険家屋」解体への後押しをすることのようです。
荒尾市では、この件については検討している段階とのことです。
空き家それぞれに理由があるかとは思いますが、とにかく管理を怠らないよう所有者、管理者は隣近所のご迷惑にならないようにお願いします。