【第百四話】空中線を造る②
外板の塗装が一区切りついたので、保留しておいた「作りモノ」を進めていきます。今回は空中線(通信アンテナ)の仕上げです。空中線については、「【第九十三話】 空中線を造る①」 でアンテナ支柱の改造と金具の製作を済ませています。今回はアンテナ線と付属小物の製作になります。参考 【第九十三話】空中線を造る①へはこちら無線電話機と空中線の再現第九十三話で触れたように、アシェット零戦五二型には1/18スケールでありながら、空中線が用意されていませんでした。これは見過ごせません。パーツ再現フェチとしては製作意欲が沸々と湧いてきます。(笑)この零戦五二型に搭載されていた通信機器は、「三式空一號無線電話機」というもの。真珠湾攻撃などで搭載されていた「九六式空一號無線電話機」の後継機ですね。<三式空一號無線電話機 仕様>通信距離:185km 周波数:5,000-10,000KHz 電波形式:A1(電信) A3(電話)送信出力:A1 100w A3 40w送信部:水晶制御、第三格子変調、発振FZ-064A、電力増幅FB-325A受信部:水晶制御、高周波1段スーパーヘテロダイン方式、真空管FM2A05Aもしくはソラ電源:直流変圧器(12V)アシェットさんも三式空一號電話機の管制器はしっかりと操縦席に再現されていました。資料本の図とアシェット標準組立、当工廠改造仕様を比べててみましょう。まずは資料本の図をご覧ください。▲アシェット零戦五二型 標準組立画像▲五二整備士工廠 改仕様画像よく見て頂くと当工廠の仕様は標準とは違うところを気づいていただけるかと思います。管制器の一部には光ファイバーを仕込んだので、夜間照明の時は光ります。帰投装置切替レバーは大きさと搭載位置も修正してみました。帰投装置操作器は新たに金属のトグルスイッチを付けています。※説明しないと分かってもらえない部分です。(笑)空中線については【第九十三話】で説明していますので、製作したアンテナ線の詳細について記載していきます。資料本を漁って空中線について情報収集したところ、線の外側にはゴム被膜がコーティングされていたようです。元々は黒ですが灰色に退色しているものが多くあったとか・・・。そのあたりを考慮して、黒の被膜付き銅線を使用することにしました。ワイヤーも検討しましたが強く張るとアンテナ支柱が変形しそうなので銅線にしました。尾翼付近には碍子(がいし)の球を再現しました。この碍子の取り付け位置については多くの仕様があり、支柱側にもついている2個付き機体もあります。どれが正解かが分かりません・・・。最終的にサイパンで撮影された時の画像で確認し、忠実に尾翼側に1個の仕様にしました。▲サイパンでの最後の機体画像「8-13号機」空中線の完成アンテナ線を張ってしまうと、今後の作業で破損させることになりそうなので、仮止めとしておきます。こんな感じになりました。そろそろギミック用の土台の組み立てに取り掛からないといけないのですが・・・。とんでもなく大きいです。その巨大さうえに、躊躇しております。そろそろ完成後の置き場所を考えないといけませんね。ではまた次回。( `ー´)ノ