今回はレシプロエンジンの要であるシリンダーとピストン、コンロッドの製作について。
シリンダースリーブは内面磨き済の肉厚鉄パイプ。
外形は図面通りに削って仕上げた。
芯押し台側は真鍮の仮蓋を付け、ライブセンターで押さえて切削。
このシリンダーボアに対応するピストンは鋳鉄の丸棒から削り出し。
鉄は硬いイメージがあるが、鋳鉄は案外サクサクと削れる。
但し、ラップピストンなので削り過ぎると圧縮が漏れるし、嵌めあいがきつ過ぎると回らない。
この丁度良い頃合いが難しい。
細く削り過ぎると寸法回復は不可能。
そうなると最初から作り直しになるがキットの材料もそれを見越してか2個分の長さであった。
奇跡的にも1個目でジャストなクリアランスで製作完了。
尚、シリンダースリーブはクルマのブレーキ整備で使うホーニングツール(砥石)でごく僅かのテーパー状に。
ボール盤のベルトを再低速に掛け変え、注油しながらスリーブのスカート内面を研いだ。
このエンジンはストロークも長く上死点と下死点のボアの差は5/1000mmほどに。
これで上死点では圧縮が強くなっても漏れないベストなクリアランス、
下死点に行くにつれてクリアランスが大きくなりフリクションも低くなる。
模型グローエンジンでもAACやABCで上死点で「キュッ」と嵌め合いが固いエンジンもあるように、
若干のテーパーが理想。
模型エンジンのシリンダー精度は真似できないレベルになっているのだろう。
蛇足だが、実車のエンジン加工で内燃機屋さんがオーバーサイズのピストンに合わせてボーリングする作業でも、
ボーリングマシンで拡大した後にホーニングを施し指定寸法(ピストン径プラス4/100mmとか)に仕上げている。
ホーニング後はクロスハッチと呼ばれる綾目状の細かな条痕が残り、
それがオイル溝となり油膜保持の働きをしている。
(亀有のアパートでクルマいじりに明け暮れていた独身時代の一コマ)
閑話休題
快削真鍮棒からコンロッドを製作。
コンロッドは図面でテーパー状になっている。
説明ではストレートでも構わないとある。
でもやはり見た目のスタイルでテーパーにしたいところ。
そこで使うのがこのツール。
芯押し台側のセンターを任意にずらして削ることにより、なだらかなテーパーが再現できる。
回転中は主軸に対して絶えず角度が付くのでチャッキングできず、簡易的な自作ケレで対応。
振動が出るので対角側にボルトナットのカウンターウェイトを付けて回した。
トップスライドの可動範囲以上のテーパー削りに便利。
コンロッドのビッグエンド側は独特な形状。
二分割なので2本のボルトで留めて一体化して旋盤で製作し、
次に薄くフライスで削り最後に穴をあけてリーマー仕上げ。
ピストンピン等の関節部はピストン内側に組み込まれる。
これらは旋盤とフライスのカッター等で図面を元に製作。
ロッドとビッグエンド/スモールエンドはねじ込んでハンダ付け。
これでピストン・シリンダースリーブ・コンロッドAssyが無事完成。
めでたしめでたし!
続く。






