アルミの素材は5056を使用した。
一般的に5052が入手しやすいが、切削性から5056を選択。
切削性と強度なら2017等も選択肢に入るが、耐食性ではやや劣るので地のままでは変色のおそれが考えられる。
失敗のバックアップとして3個同時に製作することにした。
3個も作れば1個くらいは上手く作れるだろう。
ヘッド外径がΦ44なので5056のΦ46から削り出した。
プラグネジ穴は1/4"-32、プラグ脱着ソケットが入る実用最小限としてΦ13になるように座繰り。
角は円弧切削アタッチメントで純正同様5Rで仕上げた。
上面と側面の外形が仕上がったので、次はフライス作業。
その前に取付のビス穴間隔の決定。
Super Tigreの60BB(Small Case)純正品も各タイプがあり、ノギスで計ってみるとバラバラの測定値。
さすがはイタリアン、精密度とは無関係の部分の品質はそれなりの様だ。
平均値をとってPCD33.5mmとした。
以下の画像どおり、60BBも60Kの凹みヘッドをはじめダブルリング時代のごく初期には半球型燃焼室もあり、
ラジコン曲技でのエンスト防止としてデュアルプラグの時代もあったようだ。
デュアルプラグはSuper Tigreの他にMercoなどでも採用された様であるが、
プラグをダブルにしても根本的なエンスト防止策とはならず短期間で終わったようである。
半球型以外の3個を見てのとおり、通常のグローエンジンのヘッドは段付きが主流。
理由は段付きにしてスキッシュエリアを設けることで、ピストンが上昇して行くと燃焼室外周の混合気が中央に押し出されて、
センターのプラグ点火でより燃焼効率の向上が図られる為のようだ。