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「あんたたちは美しいけど、ただ咲いてるだけなんだね。あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。」
サン=テグジュペリ 「星の王子さま」より バラの群生に対しての王子の言葉
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昔から、この王子さまの言葉はいつも理解出来ない部分でした。彼は直截にモノを言い過ぎるきらいはありますが、これはさすがに行き過ぎではないかと。
ただこの年になって、ここに含まれるモノが何となく掴めててきた様です。
この激しい言葉は彼個人の心の揺らぎから出たものというより、もう何段階か上からの”警告”であると。
安穏とただ咲いているバラ達とは違い、彼は前段で通過儀礼を経験しています。彼が自分の小さな星で培ってきたルール、あたり前だと思っていた世界観が引き裂かれる経験を。
それはとてもつらい通過点だけれども、、そこを通って初めて、かけがえのないもの”価値の本質”が掴めてくる。
それを経ていない者には、価値の本質は理解出来ないし、
またそれゆえに自身が誰かにとって価値あるものに成る機会も訪れない。
(だれもあんたたちの為には死なない)
この警告は、何回かの通過儀礼を経て大人になった僕達にも新たな意味をもって突き付けられてきます。
星にいたときの彼のように、僕らは自らの星・・寄る辺としている世界観・・を常に丁寧に観察することを怠ってはいけない。
(子供時代の強制的なイベントではなく、むしろ自発的に新たな”儀礼”を発生させること)
どの時代、どの地面とて、そこに万全の保障などない。
あなたの立っている地面は、王子の故郷のようにバオバブの毒気にあてられているかも知れない。
あるいはもうすでに巨大なバオバブに貫かれているのかも。
もしそうであれば、王子のように旅立たなければ。
あらたな価値の本質を見出だす為に、また価値の基点となる自分自身を星の崩壊と共に失わない為に。
曲は デヴィッド・ボウイの「starman」 1972
デヴィッド・ボウイ 「starman」 youtubeより