デートはいつも地元のファストフード。

たまには彼の家にも遊びに行った。

帰りは門限の7時に間に合うように送ってくれた。


半年付き合ったが、彼とは手もつながなかった。


私はなんだか物足りなかった。


高校の友達に相談すると、半年も付き合ってるのに、信じられない!!といっていたが、

中学時代の友達は、相変わらず恥ずかしがり屋の私たちに呆れていた。


そんなある日、バイト先の8つ年上の社員の人が、転職の為辞める事になった。

今までなんとも思っていなかったつもりだった。

でも、辞めると知りとても寂しい気持ちになった。

バイト仲間は皆仲が良く、プライベートでもよく遊びに行った。


その人が辞める日の事。

私は手紙を渡された。

これからは仕事で会う事はなくなるが、今後も一緒に遊びに行こうな。という内容だった。


彼との付き合いは続いていたが、大人の男性にも魅力を感じていた。

でも、それは兄貴的存在の魅力であり、恋愛感情など持ってはいけないと思っていた。

兄のような大人な彼には彼女がいた。

でも、この頃から彼と会う時間が減ってきた。

たぶん、減ったのではなく、減らしたというのが正しいのかもしれない。


そして、これから今まで以上に苦しい想いをするなんて、この頃の私には想像する事などできなかった。

高校二年の夏休み。
友達と遊び、門限の19時前に帰宅した。

家に着くと、しばらくして電話がなった。
「もしもし」
電話の向こうで男性の声。
「久しぶり、元気?」
懐かしい声が聞こえた。
中学時代に自然消滅してしまった彼の声だった。
少しだけ大人になった私達。
あんなに恥ずかしくて、話せなくて。
でも、この電話では不思議と話しが盛り上がった。
そして、会う約束をして電話を切った。

数日後、地元の駅で待ち合わせ。
見覚えのある顔。
でも、少しイメージが変わっていた。
あか抜けた彼がそこにいた。
ドキンッ。
そして彼が私に気付いた。

高校生らしく、ファストフードに入った。
別々の高校に行った私達は、お互いの学校の話で盛り上がった。
話しは止まらない。
でも門限がある。
彼に門限の事を告げると、家まで送ると言ってくれた。

帰り道、急に彼がおとなしくなった。
そして…。
「あのさ、今付き合ってる奴いるの?」
彼が沈黙を破った。
「ううん、いない」
「じゃあ、付き合ってほしい。今度はちゃんと。」
とても嬉しかった。
「うん、いいよ」
今度は私が顔を真っ赤にしながら答えた。

中学の頃、私から告白した彼。
今、彼があの頃の私と同じように告白してくれた。
あの頃の彼と同じように、私は返事をした。

二人の新しい恋愛が始まった。
今日は中学の卒業式。
彼に告白したあの日から一年が経った。
この一年、悩んでばかりいた。
両想いになったはずなのに、私達の距離は離れてしまった。
気持ちは離れていなかったが、まだお互いに若く、上手に恋愛なんてできなかった。
相変わらず周りからは冷やかされたが、私達は思った以上にシャイだった。
両想いになったはずなのに、廊下ですれ違えばお互いが端っこを通り、話す事もなかった。
付き合うという事が、よくわからなかった。
そして距離が離れたまま卒業を迎えた。
このままでいいの?
何度も自分に問い掛けた。
でも、私の勇気は足りなかった。
そのまま卒業し、彼とは自然消滅してしまったんだ。