彼のマンション近くの公衆電話で、友人達に見守られながら電話した。
コール
おもわず切ってしまった。
もう一度。
次は切らずに頑張った。

マンション下で彼を待つ。
心臓がバクバクし、寒くもないのに震えがきた。
そして、彼の姿が見えた。
「今好きな人いるの?」
あんなに噂になったのに、私は何を質問しているのだろう…
「別にいない」
えっ??今なんて?
なんだか負けた気がした。
少しは期待してたんだ。
ここで、逆に告白される事があるんじゃないかって…。
沈黙の後、勇気を出した。
と言うか、ふっきった。
「実は…好きなんだけど…、付き合ってほしいの」
彼がビックリしている。
「いいよ」
顔を真っ赤にした彼が、ボソッと行った。

嬉しくて、さらに心臓がバクバクした。

「わたし、他に好きな人できたんだ。」

恋のライバルだった親友が私に宣言した。

本当なのか?

それとも無理してるのか?

彼女は笑って

「お互い好きなんだから告白しちゃいなよ。」

と私に言った。

臆病な私は、校内どんなに噂されても、100%信じることができなかった。

振られるのが怖かった。

「じゃあさ…」


「がんばれー2組!!」

隣で親友の声が響く。

その横で、複雑な心境の私。

今日は学年対抗のサッカー大会。

6クラスで競い、今、目の前で決勝戦が行われている。

決勝に残ったのは、彼のクラス。


あの時約束したんだ。

もし、サッカー大会で彼のクラスが優勝したら、彼に告白すると…。


私のクラスは敗退している。

普通なら好きな彼を応援するはずなのに、複雑だった。

0対0

試合終了のホイッスルちょっと前。

ゴー-ール!!

試合終了

勝った!

彼のクラスが優勝してしまった。


その日の放課後、私は彼の住むマンションの前にいた。


ねー、ねー、ニュース!
休み時間をいつものように友人達と過ごしていると、クラスの噂好きの女子が私達のところへやってきた。
噂好きの彼女が衝撃的な噂を口にした。
その内容は、私の好きな彼が私を好きだというものだった。
もちろん噂好きの彼女は、私や私の親友が彼を好きだとは知らない。
どこで聞いた噂かは知らないが、嬉しい気持ちと親友に対して気まずい気持ちが入り交じった。
それから、その噂はあっという間に広まった。
ある時は私のクラスの黒板に相合い傘が落書きされ、彼が顔を真っ赤にしながら消しにきた。
またある時は、学校の壁にチョークで相合い傘が落書きされた。
廊下で彼とすれ違う時は、決まって彼の友達が彼をニヤニヤしながら叩いていた。
たぶん噂は本当なんだと感じた。
でも、その影で親友が泣いている事など、その時の私は気付きもしなかったんだ。