彼に別れ話をした次の日、出勤途中に彼から電話があった。
「考え直してくれた?」
私は気持ちが変わらない事を告げ、出勤前で時間がないと電話を切った。

昼休み、彼から電話。
また同じ内容だった。
私は頭を抱えてしまった。
こんなにシツコイ人だったっけ?
その日の夜も電話が何度もかかってきた。
私はこんなに短期間に電話をかけられても、気持ちが変わる訳がないと言い切った。

「では、どのくらい待てば変わるの?」
弱々しい声。
こんな彼を見たくはなかった。
でも、意外に私を必要としている事がわかった。
「一ヶ月経っても、三ヶ月経っても気持ちは変わらないと思う。」
そう言うと彼は、
「チャンスを一度だけくれないか?
俺のダメなところ、全部直したら連絡する。
そしたら、その時もう一度考え直してほしい。」
「それでも気持ちが変わらなかったら?」
「その時は諦める。」
「その間は、私達まだ付き合ってるままって事?」
「そう。連絡するまで別れるのは待ってほしい。」
どうせすぐに連絡をしてくるだろう。
私は彼の意見に承諾し、別れる事を保留にした。
でも、気持ちはもう他の男性へ動いていた。
なんだかスッキリしない中途半端な状態だったが、そのうちキチンと男性と付き合えると思っていた。
彼氏と正反対の男性に惹かれ、私は彼氏と別れる決心をした。
男性に話しをすると、私が彼氏と別れる事を待って正式に付き合いたいと言ってくれた。

最近会う回数や電話の回数も減ってきた彼氏と、夜ご飯を食べにファミレスへ行った。
事前に話があると言っておいたせいか、彼氏がソワソワしている。
注文を済ませ、彼の方から質問してきた。
「話って何?」
決心したというのに、私は黙り込んでしまった。
別れたいの一言が言えない…。
「何?」
もう一度彼が聞いてきた。
それでも私は言葉に詰まり、下を向いたままだった。
すると彼から、
「もしかして、別れたいとか?」
私は無言のまま頷いた。
「どうして?」
彼の顔が強張っている。
そこへ注文したビールとジュースが運ばれてきた。
彼はビールを一気に飲み干すと、
「出よう。」
と言い立ち上がった。
私はジュースを半分以上グラスに残したまま、彼を追いかけた。
頼んだ食べ物も手をつけないまま、お金を払い店を出た。

店を出ると、歩く私の前を塞ぐように彼が目の前に立った。
「どうして?」
彼が泣きそうな目で私を見つめる。
私は驚いた。
今まで見たことのない彼の姿に…。
「私の事、大事に想ってくれてない気がして。」
私は彼への不満を一気に話し始めた。
彼は私を大事な存在だと言い、別れたくないと言った。
私は、気持ちは変わらないと言い、長い話し合いはなかなか終わらなかった。

「もう一度考え直してほしい。」
このままでは、話が終わらないと感じた私は、
「考えても答えは変わらないが、今日は帰ろう。」
そう言って彼と別れた。

彼氏に不満のある時は、彼氏と正反対な男に魅力を感じる。

最近私の存在を当たり前と思っている彼氏。

愛情が全く感じられない。


そんな時スノボで出会った男性と会う約束をした。

実はその男性は、我が家から車で約3時間のところに住んでいる。

その日は食事をし、家まで送ってもらった。

彼はそこから3時間かけて家路に着く。


次の日もまた次の日も男性から電話があった。

そしてまた会う約束をした。


休みの日に会う事になった。

午前10時にうちへ迎えにきた。

この日も3時間かけて家まで来てくれた。


男性からの電話は毎日。

時間があれば私に会いに来る。

そんな情熱的な男性に惹かれ、彼氏の事がどうでもよくなってきた。

私は彼氏と別れ、この男性と付き合いたいと思い始めていた。