那覇の町はクリスマス一色だ。
雪の降らない、あたたかい南国のクリスマスが、私は好きだ。いつもひとりでそぞろ歩きを楽しむ。いつかもそうだった。
クリスマス前後、沖縄は小雨になることが多い。しかし、風さえ強くなければ、そんなに寒くはない。
「傘をうつあたたかき雨 ぐいぐいと歩け華やがざるイヴなれど」
これは、もう何年前になろうか、私同様、地道にある夢を追っていた、友人が詠んだ歌だ。彼はよく働く沖縄県民でもあった。いまどうしているだろう。
…市内のホテルに投宿。日曜日、ロビーにクリスマスツリーが燦然と輝く。沖縄のハイ・シーズンはもちろん夏だが、私は12月のおきなわも是非お勧めしたいと思う。中高年にも、若い恋人たちにも。
…さて、缶ビール1本だけ飲んだら、静かにやすむとしよう。明日は大切な裁判があるのだから。
あたりはすでにとっぷりと暮れ、さっきまで廊下でざわついていた中国人ツアー客も夜の那覇に繰り出したか、この古いホテルもいつの間にかひっそり静けさを取り戻していた。(おわり)
こちらの人は、今日は寒い、今日は寒い…というが、雨の宮古島はちょうどいい陽気だった。
しかしながら、海はどんよりとした灰色で、あの毒々しいまでの宮古ブルーには、今回はお目にかかれなかった。
用件を終えて空港へ。飛行機が出るまで食堂でそばかチャンポン(注 沖縄のチャンポンは、ご飯の上に野菜炒めみたいなのを乗っけた、どっちかといえば中華丼に近い料理だ。)でも食べようと、よく行く店に行ったのだが、もう午後6時になろうというのに「準備中」だという。つぶれてしまったのだろうか? いや、勝手に決めつけちゃいけないな。
かわりに売店でポークおにぎりを買って、出発ロビーで食べることにした。それにしても、このポークおにぎりには、本当にさんぴん茶があうな。(注 ポークおにぎりというのは、スライスしたポーク・ランチョンミートを焼いて、おにぎりにしたヤツ。シーチキンのマヨネーズ和えとか、味噌とか、昆布の佃煮とかが添えられることが多い。沖縄ではもっともポピュラーな食べ物といえる。)
しかし、しばらく来ないうちに、宮古島空港も変わった。驚かされたのが、この馬鹿デカイ大型ビジョンだ。東京競馬場にも負けないほどのヤツが、ロビーの、かつては見事な夕焼けが望めた窓をふさぎ、堂々と広がる。そこに、新しいリゾート・ホテルのCMとかが繰り返し流れる。
とくに宮古島本島とをつなぐ橋が開通して以来、伊良部島の変貌には目をみはらされる。
あと、宮古本島のあの砂山ビーチにまで新しいリゾート・ホテルができたらしい。景気がいいなら、ほんとうにいいことだ。…つぎの瞬間、巨大画面にビキニの女性モデルがドでかく映し出された。それも二人だ。私はすごく感動した。(つづく)
結局こうして、合計6名の知人を訪ね、駅弁とカレーを食べ、私の北海道ツアーは終わりに近づく。
翌日、つまり今日の帯広空港からの飛行機も満席。私の後に座ってた3人連れのご婦人の高笑いがとても印象に残ったフライトとなった。
三連休終わりの東京はまだまだポカポカしてる。
…とこのとき私は、この三連休の間に仕上げます…と約束してた仕事があったのを思い出し、楽しかったAさんたちとの語らいの思い出も一気に吹っ飛んでしまったのだった。
(おわり)