Linkin Park/NEW Divided
BGM代わりに聴きながら読み進まれたし……
『カリフォルニア州トランスバース山脈西部においての特殊核実験』が行われて、十数日した頃のことだった……。

『◻️月△日◯◯時、インド北東部で【強い地震】が発生するので、同時刻には‘’安全な場所‘’にいること』という、行政命令が出された。ヒマラヤ山脈シリグリ工区本部管轄十数峰の山々の麓坑道入り口上空には、まるで‘‘電撃作戦’’のように複数ヵ国の軍用機が飛来し、兵士達が落下傘降下した……。
『マホバ・オバマ大統領が言及しなかったこと……ソレは何か?』……についての話題で、世界中は持ちきりであった……。
「何のためのデータ収集なのか?」……初めは世界中のマスメディアも『触れてはイケないこと』と抑えていたが『トランスバース山脈西部特殊核実験』『セルズの命懸け救出劇』の全世界衛星生中継放送をキッカケに、一気に火が付いた!連日、昼夜を問わず『人類存続のための緊急避難措置』についての情報が世界中に流された……。

「【横断地下トンネル】のための、各山々の下に向かい、複数ヶ国の、複数の重工企業が掘っていた‘’十数の斜め坑道‘’は‘‘核爆発’’による巨大発破のための‘‘核坑道’’か?」
「人類は自身の手で、ヒマラヤ山脈の、白雪の貴婦人の如き佇まいの’’世界遺産エベレスト’’を含む名峰の数々に傷を入れ、その美しさを失う悲しみを避けられないようだ……」
「実は7年前にヒマラヤ山脈の十数峰の山々に、世界複数ヶ国の‘‘重工企業’’のブレーダーマシン等、機材資材重量物が、複数カ国の軍用機により投下されていた……」
「シリグリを含め‘‘国際公共工事事務所飯場村’’で雇用された人夫達には‘‘手厚い休暇手当て’’が支給されたが……実は‘‘突然の解雇‘’による暴動を防ぐためであった?」
「山々の麓の坑道入り口には、軍用機による重量物投下が始まり、兵士達が降下して‘‘立ち入り禁止区域’’となった……」
「カリフォルニアで行われたことと同じ事が、ヒマラヤ山脈でも行われようとしている!」
「‘’人類存続のための緊急避難措置‘’が近く行われる!」
「あの工事はソレにちがいない!」世界中が騒ぎ始めていた……。

シリグリ国際公共工事事務所飯場村事務所医務室
ティナは飯場村事務所医務室のベッドで休んでいた……。人夫達がいなくなり、仕事量は、いくらか減っていた。食堂での、ほっと一息付ける時間、賄い人達と休憩時間のことだった……。
めまいがして「ア?」と声を出して、床に倒れたティナだ。そのまま気を失い、医務室に運ばれたのだった。医務室と言っても、日本の一流重工企業の医療施設である。日本のクリニック並みに、一通りの医療体制が整っている……。掃除婦がいつも、施設内を清潔に保つために、カートを押して、掃除をして廻っている。

目を覚ましたティナは、ベッドに寝かされていた。部屋では、顔見知りの掃除婦が、アチコチ拭き掃除をしている。日本式医療施設掃除婦の現地人雇用だ……。
「おつかれさん!ヴァニ!」と日本人医師は、インド人掃除婦に挨拶した。
『オツカレサマデスゥ~』と掃除婦ヴァニは言ったかと思えば、ペラペラと医師に喋りだした。
「‘‘坑道’’が完成シテ~人夫達サン達は、休みタカラネェ~ケガする人がイナクナルカラねェ~今は楽でェ~……ハッ?……間違ェ~シマシタ!『忙シクがなくテェ~』ハハハハハハハハ~!」
「ハハハハハ!………………いいことだね~」
「ハハハハ~!スゴく暇にナッテェ~…ハッ?また間違えマシタァ~!『忙シクなくテェ~』ハハハハハハ~!」
「ハハハハハハ~!今のうち、くつろぐと良いね」とヴァニのお喋りに、相づちの日本人医師だ。
ハハハハハハァ~!と笑うヴァニだ。
「ティナ……飯場の方で倒れたそうだけど、大丈夫ですかァ~?」とヴァニは、良く言うと‘‘気さく’’だが‘‘首突っ込みたがり屋’’らしい……。
「ありがとうヴァニ……少し休めば?……」とティナだ。
「ティナ~!『めまいがして倒れたらしいけど……』ひょっとしたら~!まさか~!」とヴァニは、瞳孔が開いたキラキラ輝く瞳で‘‘興味津々’’の様子だ!飯場村は、大勢の人達が‘‘アットホーム’’な雰囲気になってしまっている。
(第5話-2…SF部門1位になってます…飯場村の人達の『ティナとケータローの仲直り作戦』是非!お読みください……)
特に、飯場村の皆が一丸となって大成功に導いた『ケータローとティナの‘‘仲直り作戦’’~結婚』は、飯場村で、今だに語り継がれる『最高の話のネタ』となっている。『その後の二人』には、勿論、興味津々なヴァニだ!
「……ヴァニ……仕事よろしくね」と、気を利かせて‘‘人払い’’する日本人医師だ。ドアを開けてヴァニに退室を促した。
「ハハハハハハ~!スミマセン……」と言いながらカートを押して、廊下に出て行くヴァニだ。
カチョン!とドアが閉まる音がして、ヴァニは出て行った。
「調子はどうかな?」から始まって……医師からは、嬉しいのだが、現実的には辛い……というを説明を聞かされた。
「妊娠十ウン週目だネ……良かったじゃないか……ティナ……」
「えっ?本当ですか?……嬉しい……」とパッ!と喜びに満ちた顔のティナだ。

が……すぐに笑顔は曇り、悲しそうになった……。
「おめでとう……ん?……(どうした?)」と医師は怪訝な表情で訊いた?
「………………どうしたらいいンでしょうか?」と言って、目には、みるみる涙が溜まっていくティナだった……。
「どういうことかな?」
「………………夫には黙っていてもらえますか?……ウウウ!」と言って、口を継ぐんでしまったティナは、嗚咽を漏らし泣き出した……。

(「一体?どうして?……『愛する夫の子供を身籠った』というのに何故……?何が悲しいというのだろうか……?」)と、ドアの外の廊下の聞き耳立てのヴァニだ。相変わらず‘‘興味津々お喋り屋’’のヴァニは、しばらく動かずに同じ箇所をモップ掛け掃除していた……。
ケータローは、飯場村事務所近くに、古いながらも夫婦で住むための家を買っていた。ティナは次の日から、飯場の賄いの仕事に行かなくなり、家に閉じ籠りきりになった……。
医師の説明を聞かされてから、家に一人で身を潜めるように暮らすティナだ。目を赤らめて泣き出しそうなティナは、夫のいない家で一人で呟いた……。
「ケータロー……ヒマラヤ山脈の地下に横断トンネルを掘るための工事なのよね…アタシは、どうしたらいいの……もう……ここには、いられなくなるワ……」とティナは一人で呟いた……。
(「ボクは会社から言われたことをしているだけだよ……」)とケータローの声が聞こえたような気がした……。ティナは愛する夫に裏切られたような気持ちになって来た。
飯場村事務所前
連日のように飯場村事務所に詰めかける人夫達への、説明に追われるケータローであった……。
『仕事が急に無くなる』という不安の【実は解雇した手厚い休暇中の人夫】達は【噂】を確かめに、事務所に詰めかけた……。ティナにも会えず、十数日間、ケータローは精神的に参っていた。ケータローは、家に帰ることが出来なかった……。
「何故?ティナはいなくなった?」と、人夫達はティナに『何か?聞いてないか?』問い詰めようとしであろうからだ。
「全世界衛星生中継テレビ放送の【命懸けの救出劇】でジョン・セルズの正体が分かったゾ!【米国エネルギー省‘‘ダークベレー’’隊員】……つまり【核を扱う特殊部隊から来た監視役】だったンだ!」
「ここの飯場村の皆と、あんなに仲良くやって来たのに!……全てが嘘だったンだ!バカにしやがってェ!」
「我々を見張っていやがったンだ!」
「連絡VTOL機副操縦士兼山岳レンジャーのセルズが、ダークベレー隊員と分かったンだ!これが何よりの証ではないか!」
「本当に山に傷を入れるのか!」
「‘‘本道工事’’は無いのか!」
「オレ達は、実は‘’クビ‘’って事なンじゃないのか?」と、連日、詰めかけていた……。
ケータローは7年前の事を思い出していた……。
『あの時……どうみても……瀕死の重傷で入院中のケータローから‘‘横盗り’’した婚約者‘‘新卒美人社員’’片山ゆかりの代わりとして……ケータローを宥めるために、海鈴が、おっちょこちょいの‘‘中途入社’’の可愛らしい…多摩川まるよをよこした……』ように思えてしまった……。
怒りで忘れていたが……時期的に言って‘‘海鈴’’が‘’国連総合計画‘’行ってプレゼンをしてきた……というのが、翌週の事だった……。それから、直ぐに‘‘サンアンドレアス断層引き込まれ地下水脈‘‘トランスバース山脈斜め井戸掘り’’に、カリフォルニアにトバされたのだった。
トバされた理由は、海鈴に暴力を奮ってしまったことだった。憎しみの対象の海鈴だ。が……海鈴の天才的営業能力に驚くケータローだった。自分のヲタク話を、巨額の会社利益に変えてしまうとは、自分には絶対に、真似出来ない能力だ……。
200α年7月……東京都OT区内の、新ヤマト製鉄本社屋上休憩スペースで……‘‘かわいらしい弁当袋’’の‘’手作り弁当‘’持参で、お詫びの挨拶に現れたまるよだった。
あの時……まるで恋人同士のように頬を寄せ合い、話に夢中の二人だった……。ケータローは思い出していた……。食べ終わり『世界を救えるか?』という……女性社員にはノーサンクスな、国際環境社会ヲタク話を始めてしまったケータローだった……。
が、信じられないことに、まるよは、手帳に書き込まれた数式や図に、瞳を輝かせて食い付いて来たのだった!ペンで指し示して話すケータローの説明に、夢中になってくれる可愛らしいまるよであった。
「なかなか楽しいコだったな……」あの時の、まるよと楽しかった時間を思い出していた……。
「アタシは◯◯大学工学部で‘‘地球工学‘’を専攻してたンですよゥ~岩野主査のお話ィ~スゴく……何ンていうンですかァ~……」と……数式の羅列された手帳を見て、息を弾ませ、瞳を輝かせて感動してる様子のまるよに、驚きを隠せないケータローだった……。にわかに、女性がヲタク話に食い付いてくる、その状況が信じられないケータローだった……。
「……は?……キャハハハハハハハハハハハァ~ッ!……岩野主査ァ~ッ!……何をいきなり?……アハハハハハハハハァ~ッ!……アタシを口説いて下ってるンですかァ~ッ?……キャハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!」
「イヤ!……その……まるよさんは『スゴくセクシー(アタシは)』て自分から言ったでしょ?」
キャハハハハハハハハハハハァ~ッ!ハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!アハハハハハハハハハハァ~ッ!としばらく爆笑のまるよだ。
(「……かわいいな…………」)と、ケータローは、まるよを見て目を細めた……。一通り笑い終えると、まるよは落ち着いてきたのか話し始めた……。
「はァ~ッ!岩野主査~!おかしなこと言わないで下さいよォ~!だってスゴい話ですよネ?‘‘ウォーターストレス’’て‘‘水不足’’だけではなく、別の観点から見たら……全てを快方に向かわせられる可能性が高い……つまり『世界を救える』かもしれないと……数式で示しながら言われてるコトって『スゴくセクシー』ですよ!」
「何ンだソレ?」と驚くケータローだ!
「‘‘環境問題’’て考えてみれば考える程に……真剣に考えれば『世界を救える可能性が高い』なンて……人を惹き付けるには魅力的過ぎて、興奮してしまうでしょう!」と言いながら、潤む瞳でケータローを見つめるまるよだ……。
「????????」
「男性も女性も魅力的な異性……『セクシーな異性』を見ると、色々考えて興奮するみたいに……‘‘環境問題’’て……」と言い、ケータローを見つめるまるよだ。
(「本当に鈍い人だワ!……アタシの気持ちが分からないなンて!……信じられない位に鈍感な人ネ!……アタシのミスを、逮捕されてまで、必死にカバーしてくれた上に……『世界を救えるか?』て……こンな素敵な話を聞かされたら……誰だって……好きになっちゃうよ……抱かれたくなっちゃうよ……気付いてヨ!……ての~!」)と‘’遠回し告白‘’してるのが分からないケータローに、少しイラつくまるよだ……。

あまりにも、自分の気持ちに素直な、若くて可愛らしい、中途入手女性社員まるよだ。まるよの気持は大歓迎なのだが、彼女の気持ちに食い付くのが恥ずかしい、贅沢なヲタクのケータローだ。
「だから……『環境問題はセクシー』……て?」
(「もう少し、ソフトに迫って欲しいな……」)と‘’照れカッコ付けトボけ‘’してしまうケータローだ。
「岩野主査~!分かって頂けないですかねェ~?……それを説明すること自体……セクシーじゃないですよ!」と気持ちをスカされても、ケータローとの間を、上手く、くだいてしまうまるよだ。再度‘‘仕切り直し’’で、またアタックを狙うまるよだ……。
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!
キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ~ッ!と大爆笑の二人は心から楽しそうだ!
「絶対に実現されるべきですよ!地球温暖化が招いてしまった環境問題で、これ以上にない具体的なアイデアですモノ!……しかも……その根本が……『世界を救いたい!』という願いから始まってるんですモノ……」
(「…………このコ……話が分かるし……賢いよな……話してるとスゴく楽しいし……しばらく一緒にいたいな……一緒に話してたいな……」)と、まるよに好意を持ち始めたケータローだ!……が?
(「でも、こないだの‘‘おっちょこちょい’’トバッチリ……勘弁してくれよな……」)と思い出してクスリ!と笑うケータローだ!

「テレビ見てると、よくありますよね?世界の経済活動により排出された温室効果ガスによる地球温暖化が招いた気候変動……いわゆる環境問題で、専門家は色々と現状をペラペラ喋ったあげくに……最後には必ず言いますよね……?」
「『どうしたらよいのか?……国際社会は考えていかなければならない』て!」
「そう!そう!そう!……ズズ!て力抜けますよ!……『それ以外に他に何も解決に向かう方法はありませんよね!』て具体的な考えを言わないンですモノ!……そして『ウォーターストレス』て『世界における水不足』ばかりに目が行きますよね……確かに地球温暖化による気候変動の影響で増えた干ばつにより、農産は減り、飢餓が発生し、過激派が台頭し、住民達が‘‘戦闘員リクルート’’されて、内戦や紛争の情勢不安定化を招いてますよね……水不足を解消しなければ、軍事で地域を安定させるなンて不可能ですよね……農業用水路整備支援なども行われてますが……それと同じにですよ!豪雨で作物が流されて食料不足が発生する……『治水が間に合わない程に大洪水(水)が多すぎる』のも、人々の生活と生計を破壊して、対立する民族間の争いを……情勢の不安定化を招いている一因になっている可能性もありますよね……」とケータローを見つめて話すまるよは、ヲタク話に乗り乗りだ……!

「【情勢の不安定】てミャンマーなンてそうだよね……元々は北東の国……今の中国から来た民族が支配し、多数派になり、少数派部族は不満があるわけで、英国植民地支配の時に不満が高まらないために、部族間同士に対立させるように仕向けたンだそうだよね……」と言ってウン!ウン!と頷き、まるよを見つめるケータローだ。

「‘‘インドシナ地域’’では、大洪水などの水害が人々の生活を苦しめていて‘‘地球温暖化’’が進めば‘‘モンスーン豪雨’’や‘‘台風被害’’が拡大するだろう……【農作物】が流されれば……極端な話だけど『食べ物を失えば、他の部族から奪わないと生きていけない』

…内戦などの地域に【情勢の不安定】があると、国際社会の【治水対策整備支援】も入る事が出来なくなるよね……?これも一種の『ウォーターストレス』と定義すると、解決のアイデアが肯定されるンだな……」
「だから【水不足にあえぐ危機的な地域に‘’降雨‘’を増やし、過激派の台頭を食い止める】……【大洪水などの水害が多すぎる地域には、豪雨を減らして、降雨量を程よくして、内戦を終えさせる】……」と言ってウン!ウン!と頷くまるよだ。まるよを見つめるケータローだ。
「現在ある科学技術で、それが出来るンですね!砂漠をジャングルにするなンて!スゴくセクシーじゃないですか!」と言いながら、まるよはケータローの目を見つめ、ケータローのに再接近だ!

あまりに『セクシー過ぎる環境問題』のヲタク話に、興奮を抑え切れなくなったまるよは、我慢出来なくなってしまった……。ケータローの手に自分の手を重ねたまるよは、キス求めに入った……。いいのか?一流企業の社員同士が!
二人で飲みに行ってから、好きなだけすれば良いではないか!ま……『地球温暖化』飲みに行ってする話ではないが……。
(「えっ?」)と驚きながらも、おそらく向かってくるであろう、まるよのキス巡航ミサイルから、逃れようという発想は起こらなかったケータローだ!まるよのキスを受け入れても良い気持ちになってきた……。
まるよは薄く開いた唇で、ケータローに寄せていた顔を近付けて行った……。いいのか?反対だったら‘‘セクハラ’’だぞ!
その時だった……。
アッ?キャァッ?と女性の悲鳴がした!
カラン!カキャァン!とブラスチック弁当箱が、屋上休憩スペース床に落ちる音が響いた!
ケータローは悲鳴の上がった方を見た。女性社員二人が、ランチを食べていて、一人がケータローとまるよに気を取られて、弁当箱を床に落としたらしい。まるよは、ケータローに近付けていた顔をパッ!と、重ねていた手をサッ!と離した……。
ヒソヒソ話しながら昼食を食べていたのが、バレバレに分かるの二人の女性社員だ。一人はバツが悪そうに顔を反らし、一人は弁当箱を拾いだした……。その時だった……。
アッ?と驚きの声を上げるケータローだ!目線の先の出入口の陰から、携帯電話を手に海鈴が、こちらを伺っているのが見えたのだった……。海鈴はアッ!と驚き背を向けると、屋上出入口を降りて行った……。
慌てて、まるよから離れるケータローだ!楽しかった気分が一気に冷めてしまった。まるで、海鈴に情けをかけられ、慰め女性を用意された気分になった。まるよへの好意も一気に消えた……。
「チッ!」(「何ンだ……海鈴の野郎……俺を宥めるために、このコを……あの、野郎……俺を哀れんでやがんだな!……バカにしやがって……」)と勘違いして舌打ちのケータローだ。
「チッ!…」(「もう少しでキス出来たのに!」)と純粋にケータローにぞっこんのまるよも舌打ちだ……。かなり積極的なまるよだ!ケータローにもう夢中だ!
「……『ジャングルになる』まではどうかな……とにかく『水不足の地域には降雨を……』『大洪水の所には降水量を程よく……』……これは現代の科学技術で現実的に可能で、他に代替案はなさそう……ということだね……数式上ではね……」
「『新ウォーターストレスの観点』『具体策……国際公共工事』これは国連で提唱されなければならない話ですよ!砂漠を緑に変えると共に、飢餓を無くして、過激派の台頭を防ぎ‘’新ウォーターストレス地域‘’の情勢の不安定を無くし……スゴいッ!……今まで国際社会が、かまけていた‘‘内戦’’、‘’テロとの戦い‘’が、嘘みたいに好転させられるじゃないですかぁ~ッ!」と、まるよは、まるで宝くじでも当たったかのように大喜びだ。
ヤア~!と掛け声がした……海鈴が笑顔で二人に近付いて来た……。戻って来たのだった……。
海鈴は、聞いたそのまま『砂漠がジャングルになる』とプレゼンしたらしい……。国連計画でホラを吹いたことになる海鈴だ……。が……『ウォーターストレス』地域貧困層の人達が、過激派に命を搾取される可能性が、下がるのは確かだろう……。
各国国連大使達は、海鈴の話に目を輝かせ、ほんの少しだが、砂漠がジャングルにテラホーミングされる映像が、脳内スクリーンに映し出されたでだろう……。
世界はイラついていた……。

モハ・マヘ・ムヘマジャド大統領は言い出した……。
「イスラエルが雲を盗んでいる!」
「早く‘‘措置’’を行え!いつまで待たせるのだ!」
「私の肩を撃ち抜いた、あの男が真剣に訴えたから……‘‘仮調停ファイル’’にサインしたンではないか!」と、ムヘマジャド大統領は、右手人差し指をプレス記者達に向けて、発言した。動かせなくなったいた右腕は、必死のリハビリで回復し、動くようになっていた……。

「やらないならイスラエルは攻撃されることになるゾ!そして‘‘雲’’を奪い返してやる!早く措置をやれ!」
始まるであろう報復は……

力の弱い女、老人、子供まで巻き込むであろう……。
……軍事だけでは解決出来ないであろう……。
『ウォーターストレス』水資源の不平等を国際社会がトボけ続けるのならば……。

『ヒマラヤ山脈エベレストを含む美しき十数の名峰が姿を消す!』 マスコミは連日、騒いでいた。

アメリカ合衆国ホワイトハウス大統領執務室
アメリカ合衆国マホバオバマ大統領が、全世界衛星テレビ生中継放送にて、声明を出した……。
「私達、人類は奢り高ぶっていたのかも知れません……
国際社会の大国、先進国は『自国の経済発展モデルこそが世界の美徳』とばかりに……
環境を省みることなく、世界中に経済発展を広めようと……
膨大な温室効果ガスを排出して、地球温暖化を引き起こして来ました……
空を温め過ぎたのです……
地球温暖化による気候変動を、加速度的に進めさせてしまいました……
干ばつにより、人々が苦しめられる地域が増え……

情勢不安に陥り、過激派が台頭してしまう……

頻繁に豪雨で苦しむ地域でも、食料が不足し、同じく情勢不安の原因の一つになっている可能性があります……
‘‘情勢不安’’を招く地域の共通点として……
地球温暖化による気候変動が招いた、異常気象が‘‘ウォーターストレス’’を顕著にさせている地域……
『経済水準が低い国々』の地域と一致している……という点です……
『水資源の枯渇』という‘‘ウォーターストレス’’……
そして『豪雨、洪水災害の頻発』という、もう一つの‘‘ウォーターストレス’’……

そして、大規模発生の山林火災……
人々の生活と生計を破壊すべく‘’破滅の魔王‘’が、正体を現しました……
牙を剥き出しました……
国際社会は気付いていたのです……
国際社会はトボけてきたのです……
干ばつが起き、飢饉が発生している『経済水準の低い国々』の地域で……
紛争や内戦に発展している、大きな原因となっているものに……
‘‘水資源の不平等’’があるということに……
‘‘水資源の不平等’’は、地球温暖化による気候変動が招いた異常気象が、顕著にさせている……ということに……
‘‘世界経済’’の発展により、大量に排出されるCO2が、地球温暖化を加速させて、そうさせている……ということに……
国際社会は気付いていたのです……
国際社会は、自分達に、そうさせた原因の重きがあることを、知っていて、トボけ続けて来たのです……
『ウォーターストレス』の『経済水準の低い国々』の地域に、責任を取りたくなかったからです……

国際社会が、いつまでもトボけ続けているために、過激派が隠れ蓑支配し続けている地域に暮らす人々は、軍事制圧に巻き込まれる悲劇が起こるでしょう…
いつまでもトボけ続けることは出来なくなりました……

とうとう‘‘破滅の魔王’’が、気候が穏やかで‘‘ウォーターストレス’’の少なかった地域にまで、襲い掛かり始めたからです……

大規模山林火災……
北極圏ツンドラ地帯では、永久凍土が溶け、CO2より温室効果が20倍高いメタンガスが次々に放出されています……

グリーンランドでは、氷河が溶けて川のように水が流れ……

アルプスでは氷河が後退し……

南極では、巨大な氷床が溶けて、海洋に流入し続けていて、歯止めが掛かりません……
南極の氷河も、やがて海洋に流れ出ることになるでしょう……
それほど先のこととは考えられません……
海水の塩分濃度が薄まり、高緯度地域に温暖な気候をもたらしていた暖流の、海洋循環ベルトが止まるでしょう……
1万2000年前の、ヤンガードリアス氷河期と同じことが、起きるのは、そう先の話ではないのは明白です……
マイナス何十℃の世界です……
人類が存続するのは不可能です……
人類が存続するためには『コスモクリーンCO2燃料化エネルギー技術の確立と普及』しかありません……
人類存続のために技術者たちは、必ず技術確立を果たしてくれるでしょう……
ですが……
クリーンエネルギー技術が確立して、世界的に普及するには……【時間稼ぎ】が必要なのです……」
スゥ~!……ハァ~!……と音をさせ、マホバオバマ大統領は深呼吸をした……。数秒間、沈黙した……。
「かなり、強い物理的作用のある『【地球工学】による【人類存続のための緊急避難的措置】』が、もはや、避けられません……
大陸の、複数地域の山脈に【気圧通過路】を設けることが、避けられないようです……
◻️月△日◯◯時、インド北東部……
ヒマラヤ山脈【エベレスト】を含む、8000m級各山々十数峰の地下、深さウン千mに、【平和核】総核出力ウン十メガトンの【連爆干渉破壊方式】十数の‘‘巨大発破’’を行い、標高を約4000m下げる……
『人類存続のための緊急避難的措置』の『複数期』の……
『第1期措置』を行います……
【強い人工地震】が発生する地域もあるので、同時刻には‘’安全な場所‘’にいることにより、命危険を回避させてください……」
ケータロー宅
テレビを見終わり、顔色を変えるティナだ。ティナは大急ぎで、背負い袋に衣類を詰めたりして、荷物をまとめていた……。
(「わかっていたが……ケータローは殺される!……妊娠が、皆に知れたら、アタシも殺される!……その前に……遠くに逃げなきゃ!……芽生え始めた……この小さな命は……何が何ンでも守らなきゃ……」)と、ティナは、授かった命が育ち始めた、お腹に両手を当てた。
テレビを見ると、シリグリ国際公共工事事務所飯場村事務所の様子が映しだされていた……。
地元テレビ局の生中継放送では、所飯場村に詰めかけた人夫達の様子が、映し出されていた……。
事務所建物のガラス窓に、投石する人夫達の様子が、映し出されていた……。
責任者らしい、作業服姿の男性が出てきた……。大勢の人夫達が、責任者らしい男性に詰め寄って行った……。服や、髪を掴まれ、もみくちゃにされだした!

キャアァァァァァァ~ッ!と悲鳴を発したティナは、責任者らしい男性の名前を叫び泣き出した。
ケータロォォォォォォ~ッ!……ウゥゥゥゥアァ~ッ!と大声で泣き叫びながら、ティナは家の外に出た。
ケータロォォォォォォ~ッ!……ウゥゥゥアァ~ッ!アハァァァァァ~ッ!と、泣きわめきながら、走り出した……。
最終話-完2に続く……