FM ACOUSTICS FM255 FM155比較 | 禁断のKRELL

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FM ACOUSTICS FM255 プリアンプ スイス連邦 1997年 ¥2,600,000

 

 

 

 

 

禁断の兄弟機対決!

 

 

 

 

 

FM155のインプレッションはこちらから

 

 

 

INVICTA MIRUS  (DAC・バランス)からそれぞれ→FM155(アンバランス)

→FM255(バランス)→FM411(バランス)パワーアンプに繋いで

JBL K2 S9500を鳴らした結果を比較しました。

 

 

まずFM155からFM255に交換すると車の排気量が上がった感じがする。

ターボエンジン搭載の軽自動車からスポーツセダンになったような変化だ。
再生音にもFM155の精一杯の感じからすると余裕を感じさせる
懐の深さが感じられる。空間表現の広さが違う。回路が同じだから
音もまったく同じといいたいところだが、FM155の方が回路がシンプルな分、
フットワークが軽くフレッシュで鮮度感もかなり高く感じられる。

それに対して余裕を見せ付けるFM255。低域の沈み込みや力感、
ダンピングでもFM255の方が上である。FM255の方がより
全体的に音楽の表情をグッと強めており、精彩があって
低音や浸透力が強化され、FM155より格上だと感じる。
ただし値段の開きの大きさを考慮しなくても、その差は"かなり微妙"というほかない。

書いておきたいことは、FM255はFM155より渋い音で、落ち着いた地味な音調である。
にわかには信じ難い意外な結果だが、総合評価としてはFM155に大きく軍配があがった。
理由として鮮度感の高さや中高域~低域のヌケのよさでFM155が大きく勝っているからです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資金に余裕がある人でも、目の前で二台を鳴らし比べれば10人中8~9人が

FM155を選択すると筆者は感じた。世の中の大多数の人の感性では

圧倒的にFM155の方が良いと感じるでしょう!本当です!しいて

FM255の肩を持つと、FM155の方が高域と低域の存在感が若干薄く感じられる。
いいかえると、高域と低域のエネルギー感がわずかに希薄になる。

物量の差であろうか。ただし、これはかなり顕微鏡的な視点での見解である。

これらは本当の話である。出荷された年から19年と15年という

年式の違いや個体差もあるが、それだけではないと感じる。

後継モデルのFM255mkⅡRも音色が暗めで渋い音だった。

 

FM255よりもFM155の方がはるかに鮮烈で(!)鮮度感も高く、断然好ましい音だった!

 

 

FMはどの年代も「同じ音」だけど、常に進化し続けているんだなと思います。

 

 

 

FM155はゲインがかなり高くやや使い辛い、

 

 

FM255はゲインが低めで使いやすかった。

 

 

(FM255の本体ゲインは変更できる)

 

 

位相精度の高さや精密感では両者に優位な差は感じられなかった。
むしろFM155のほうが精密な音かも知れない。
FM155とFM255は回路は同じだが、FM255のフルバランス回路の
片側回路を用いてアンバランス化したFM155の方は
フルバランス回路のFM411との組み合わせに対して

ハンディキャップを持つと思われたのだが、意外な結果だった。

DACからFM255、FM411まではもちろん全てバランスで接続した。

チャンネルセパレーション(分離感)でFM155はFM255に劣るだろうと思われたが、
意外なことに聴感では差が感じられなかった。
FM155とFM255は回路は同じなのに

フィーリングや音質傾向が随分違うが、マヌエル・フーバーのチューニングによって

できた差異であろう。

 

 

 

・・・・・これがねぇ、FM155とFM255に物理特性で差はあっても、クオリティで差はないですよ

 


FM255(FM266も同じ)はやはり上級機なので落ち着いた大人の音でクラシック向き、

FM155は間違いなくハイエンドの音だが、爽快感がある元気な音でジャズとボーカル向き。

 

 

 

 

FMの設計者であるマヌエル・フーバーという人がクラシックしか聴かない人なので、
上級機は全部こういう方向性だとの事だそうです。

 

 

 

FM155を使っている人はむしろ日本でのFM155mkⅡRのリリースを待った方が良いと思う。

AXiSSさんがデモ機を持たないので常設展示してくれるところはダイナとか福井のコアなどに
限られるかも知れない。

 

 

もし貴方がFM155からFM255やFM266に買い替えたいなら、貸出をしてもらったり、

どんな日本の地方に住んでいようが、FM155を持って店舗まで出向き比較試聴させてもらい
鳴らし比べる労を決して惜しんではならないのではないでしょうか。

 


音質傾向だけ考えればFM255から小さくて頼りないFM155への買い替えも普通にありだと感じる。

 

 


FM155は一切手抜きなしの全力投球でデザインされた驚異的な傑作機だと感じた。

FM155で完全に上がりで良いと思います。

 

 


オーディオユニオンの某店のベテランスタッフの方が、

FM255やFM266より、 「ぼくはFM155の方が好きでした(笑)」 と語ってくれましたが、

 

 

・・・・・・本当でしたね。

 

 

この結果に間違いないですが、別に信じなくてかまわないですよ。

 

 

どうか好きな物を買ってください。