事業再生をマクロ経済から | 四大陸

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 協議会との勉強会。 

 

 結論から言うと面白かった。新聞記事を3枚使っただけの1時間の勉強会だったが、再生支援において踏まえるべき現在の日本の産業構造、愛知県の事情等がスッと、インプットできたような気がする。

 

 一枚目は日本の出生率が21年に過去最低(当然)になっているとの記事。この点から、何を読み解けるのか。

・GDPの観点で日本はどうしなければならないのか

 ⇒出生率が下がっているから人口が減少する。だからこの水準維持で良いのではないかという疑問

・世界的にも顕著な少子高齢化国家である。高齢化・高齢者はなにぶんコストがかかる。

 ⇒よってGDPは増やさなければならない

・GDPの概念

 Y=C+S+T

 Y=C+I+G+EX-IM

…という具合

 

 次に日本の国債残高の報が。

 日本の国債残高は約1,000兆円あとから知ったが、おそらく2004年以降で倍増(以上)している

 日本のGDPは約500兆円(これでも世界3位)しかし、GDPに対する借入の率は200%を超えている

 一般企業であればこの比率が100%を超えると要注意。当然金利は上げられない。

 償還を迎えた国債に加え、発行した国債に金利目当てに購入する事態は避けなければいけない。

 よって日銀の買いオペが増え、貨幣供給量が増える。

 そこでIS-LM曲線の出現

 ・現在の日本は流動性のわなの状態(GDPが増えても金利は上がらない)

 ・低金利のままだからどんどん円安が進行する

  ⇒結果としてEXは増えIMは増える。やや乱暴だが、EXに恩恵を受けるのは大企業でIMに影響を受けるのは中小企業である

 ・見た目のGDPは増えるが、どんどん中小企業は苦しくなる

 

 最後は愛知県でトヨタやデンソーといった自動車業界と金融を交えた協議会が行われた、との記事。

 内容は、完成メーカーの意向がサプライヤーに共有されていないため、いわゆる下請けの事業のコントロールが非常に難しいとのこと

 自動車はCASE Maasといったキーワードが先行している。こうした構造変化からサプライヤー系列から零れ落ちる企業が出てくる

 自動車下請けはトヨタに相当鍛えられている。QCDのレベルは相応に高い。零れた企業が機械や電機といった業界に進出した場合、既存企業は競争に敗れる(可能性が高い)

 

 といったマクロ構造を、今後の再生に関わる身としてはまず理解すると諭された。

 収益確保や過剰債務に悩む企業はどんどん増えてくる。環境を理解した上での再構築という発想も持ちながら、ということが求められる。

 予備知識もあったが故だが、非常に頭にすとんと落ちる内容だったな。