⇒初めから読む『プロローグ1 なんでもない悲劇』

←第2話『恥ずかしい事業』

 

 

そう言えば

学生時代は


会社員万歳!

公務員最高!

 

と思っていたが、

 

 



僕はすっかり
独立志向になっていた。




骨をうずめたい

企業など


何社に雇用されても

見付からなかったし、




何より僕は


自分の道は

自分で決めて


自由に

冒険がしたかった。




だからいつしか


起業して

成功することを

目指していた。

 

 



だけど

心配性な僕は


昼間は

雇用されて働き

 

それ以外の時間で

事業活動を行い、




ちょっと余裕が出たら

独立し


危なくなったら

また派遣やバイトを探す、


その繰り返しだった。



★ ★ ★



24才から

28才までの行動・活動は


主に

次のような感じだった。




・起業家育成をしている人の所に

 全てを捨てて住み込みで修行

(そこでまさかのルームメイトが自殺)

 


・その後、企業の商品と個人を

 引き合わせるマッチング事業

(最高月収80万円を達成したが、単月のみだった)

 


・月間100人とお茶

(あまり意味が無かった)

 

 

・有名な成功者たちと出会った

(→全く活かせなかった)

 


・セミナーや交流会を100回以上開催

(集客は常に課題)

 


・成長や事業のために

 合計300万円の商品・サービスを契約

(全てローン)

 


・ヒーロー輩出コンサルタントを名乗った

(何それ?と言われ続けた)

 


・マーケティングを勉強しまくり、

 人にアドバイス

(実績もないのに成り立つわけがなかった)

 


・夢を応援しあう会を発起

(ただの飲み会で終わった)




要は、

喜びと苦しみを繰り返しながら


もがいていた。




短期的に

繁盛することはあっても

 

長期的な

繁栄には至らなかった。

 

 

 


本当に

売上が不安定で
 

悩んでいた頃、

ある女性起業家に
相談したことがあった。

 



「日本を元気にするため、
 人に喜んでもらえるために

 頑張っているんですけど


 収入が不安定で

 どうしたらいいか分からないんです」




現状について、

いろいろ話したが


要約すると

そのようなことを相談した。




その相談相手は


ボランティアスタッフが

30人くらいいて


それでセミナー事業を

成り立たせている人だった。




僕も彼女が

主催する講演会に


参加したことがあった。

 

 



すごく元気な

明るい笑顔で


一人一人を

大事をしている印象だった。




僕もそれだけ

人が協力してくれるような


魅力的な人間になりたい。

 

 



そう思って、

勇気を出して


彼女に

相談したのだった。

 

 



僕がいろいろ

話し終えた後、


彼女は

 

「うーん・・・」

と何かを考えた末に

 

 

 


思いも寄らない

言葉を発した。

 

 



「人のためとか

 言いながらさあ、


 結局は自分の利益のことを

 考えているんじゃないの?
 

 

 

 
 黒いものは
 削ぎ落とした方が良いよ。

 お金の事を考えながらやると
 上手くいかないから。




 人はね、


 ピュアなものに

 くっつきやすいの。

 ミッションだけを残して
 それ以外のエゴとかを全部、

 削ぎ落とす・・・
 

 

 


 その後で

 事業が上手くいくの」




黒いものを
削ぎ落せ。





聖なる剣が
僕の胸を貫いた。




その言葉が


僕の心に

ストレートに入ってきたのだ。

 

 

 


僕は

どうにかしていた。


不自然に生きていた。




僕は再度

派遣で働いて


有難い

固定収入を頂きながら

在り方・スタンスを

改めて


活動を続けた。




これで人生が

好転していけば良い

と思った。

 

 



しかし、

この後の出来事によって


僕はどん底にまで

真っ逆さまに落ちた。

 

 



⇒『第4話 僕が全てを失ったとき』へ続く