車椅子から立ち上がれ! 5年越しで目標達成だ!! | めざすぞ!四感王 〜視力は失っても残った四感をフル稼働、前向きな人生をめざす〜

めざすぞ!四感王 〜視力は失っても残った四感をフル稼働、前向きな人生をめざす〜

全盲の管理人が、ある時は身障者への偏見や誤った認識を指摘、またある時は日々の喜びや小さな気づきなど綴ります。皆さん前向きでいきましょう!!

今週は週明けから2日連続で通院。その2日目は朝から土砂降りだった。


病院へはいつも、自宅からヘルパーさんと車いすで大通りに出て、タクシーを拾って向かう。だが、この雨だと傘は必須だ。合羽は着脱に手間がかかり焦らされがちなので嫌いなんだよね。


タクシーも最近はアプリで呼んでいるとはいえ、雨天では捕まりにくいだろう。あぁ憂鬱だ……。


ところが、ラッキーなことにヘルパーさんが自宅前までタクシーを呼んでくれた。どうやら最近知り合った地元の運転手さんらしく、かなり融通をきかせてくれるらしい。利用者としてもとてもありがたい。


ヘルパーさんは先に車いすをトランクに積もうとした。私の合羽の有無も気にしている。いつも両手引き歩行なので最初から傘を使おうなどとは思っていないらしい。確かにわずかな距離とはいえ、雨具なしではずぶ濡れだ。そして、私は歩行が困難になって以来、自分で傘をさして歩いたことがない。だからヘルパーさんは正しい。


だけど、なんだかいろいろ面倒くせぇ……。うーん、これは……


今日の通院は、思い切って車いすなしで行こう!!


今日は、合羽を着たヘルパーさんに左腕を抱えるように掴んでもらい、自らの右手で傘をさす。ちなみに、私は五十肩気味なので(笑)常にヘルパーさんに預ける左腕を上げずに済むこのスタイルが一番楽だ。


わずかな距離だったが、傘も苦にならないし、体調もよさそう。……なんだか今日いけそうな気がするーーーーー……あると思います!


病院に到着。院内では畳んだ傘がうまい具合に杖の代わりになる。危惧していた診察券などの出し入れも、壁やカウンターなどに体の一部が触れていればバランスがとれて両手を空けられるので、座らなくても問題なし。


大きな病院だから移動距離はそこそこあるが、いつもの歩行訓練で鍛えているから自信を持とう。


そんなことを考えて歩いていたら、いつの間にか受付に到着していた。あれ?でもエレベーター乗ってないよ?って、ここは口腔外科の受付だっつーの。ヘルパーさん、間違いやがった(笑)


Uターンしてエレベーターホールに戻り、地階の精神科へ。受付横の待合スペースのベンチで初めて腰掛けた。ここまでは少しだけ疲れた、という感じか?


診察はすぐに終わった。内服薬も減らせるし、通院卒業も見えた。昨日の内科での検査でクレアチニンも下がっていたし、今週はよいことが多い。


会計待ちの間にいつも通りコーヒータイム。今日はコーヒーが一段と美味い。その後も病院玄関前でタクシーを拾い、帰宅した。


この日は、自分でも上出来なくらい足も伸び、スムーズに歩くことができた。もっと頻繁に休憩を挟み挟み歩くことになるかとも思ったが、必要最低限のタイミングでのみ座った。疲労らしい疲労もない。


ヘルパーさんも、職業柄あまり利用者に無理はさせないものだが、私のスムーズな歩行を見て楽観視していた。


病気で起立性低血圧になり、横になった状態から頭を起こすだけで頭痛が起きるようになって6年。足が不自由になって5年。私はやっと車いすなしで通院を、用事をこなせるまでに戻った。初めて補助なし自転車に乗れた時、初めて1曲通して楽器を演奏できた時のことを思い出した。


実は、このブログを始めて間もない頃に書いたのだが、「自分の足で通院」は2020年の目標の一つだった。体調やメンタル、環境の変化など紆余曲折あり5年越になってしまったが、やっと達成できた。


週明けの混雑時、いくつかの科を梯子する、帰りに寄り道する予定がある日の通院にはまだまだ車いすのお世話になると思うが、行動の範囲と機会が広がったのは喜びだ。



©️2024 Koichiro