この4年間で4度目となる、1ヶ月の入院生活を終えた父が、なんとか退院しました。
そして今回の退院を機に、息子に遅れること8年。
ついに父にも担当ケアマネさんがつくことになりました。
今後は介護保険が下り次第、とりあえず訪問看護、往診、ヘルパーなどのお世話になることになりそうです。
ここまでは、めでたしめでたし。……と言いたいところなのですが。
同じ家の中で、親子二人が同時に「被介護生活」を送ることになるにあたり、私にはいくつか心配なことがあります。
その一つが、玄関近くに設置してあるキーボックスです。
私は8年前、基本的に家族からは介護してもらわないことになった時「これからオレは、どうやって生きていけばいいんだろう?」と、本気で途方に暮れました。
しかし、ケアマネさんに知恵を借り、介護スタッフを少しずつ整えてもらい、なんとか生活を立て直していくことができました。
その中で、めちゃくちゃ助かったものがあります。それがキーボックスです。
当時の私は、平常時でも血圧の上が60台。
インターホンが鳴る。
ベッドから起き上がる。
二階の自室から階段を降りる。
玄関まで行って鍵を開ける。
そして、また階段を上って自室に戻る。
これだけのことが、私にとってはフルマラソン完走並みの苦行でした。
ところが、キーボックスを設置してから、この問題が一気に解決しました。
介護スタッフに暗証番号を伝えておけば、私が玄関まで行って鍵を開ける必要がない。
全盲で起立性低血圧の私にとって、これは単なる便利グッズではありません。キーボックスは、私と福祉・医療関係者をつないでくれる「命綱」のような存在なのです。
だからこそ、その大切な命綱に、いかに家族やその介護スタッフとはいえ、今になって便乗するのか……。
まず、そこにモヤモヤしました。
そして、もう一つ気になるのが鍵の管理です。
そもそも私だって、赤の他人がうちの鍵を自由に使える状況には不安があります。
だから、大事な鍵を無闇やたらと他人に預けているわけではありません。
私の場合、基本的には定期的に訪問する担当者だけ。
たとえ事業所の社長さんだろうが、ケアマネさんだろうが、必要がなければ暗証番号は教えません。
第三者に暗証番号を教える必要が生じた場合は、まず私に判断を仰いでもらう。
そういった約束事を文書にまとめ、事業所にも承認してもらった上で、責任を持って運用してもらっています。
これが、全盲の私が最低限安心して、自宅の鍵を他人に預けるために作ってきた仕組みです。
問題は、これを晴眼者である家族やその介護者がどこまで理解し、私のやり方に合わせてくれるのか。
ここが、ちょっと心配なのです。
うちの家族、面倒なこと、人を疑うこと、細かく管理すること……とにかく、あまり好きじゃないんですよね(笑)
例えば、私の知らないところで鍵を紛失された。あるいは、ヘルパーさんが鍵を持ったまま買い物に出てしまった。
ところが、その直後に私の担当者が訪ねてきた。さて、どうなるでしょう?
結局、私が玄関まで行って鍵を開けることになるかもしれません。
でも、それでは意味がないんです。
私にとっては「鍵を誰が持っているのか」「誰に暗証番号を教えているのか」「担当者が変わったらどうするのか」といった細かい管理そのものが、生活を維持するために必要なことなのです。
だから、こういうことはやはり「できない人間」のやり方を基準にして、それに乗っかる側が合わせる必要があるんじゃないかと思います。
健常な人にとっては何でもないことでも、私にとっては生活そのものに関わることがありますから。
そして、最後にもう一つ。
以前、私と大喧嘩したヘルパーさんが、帰り際に嫌がらせで暗証番号を変更した……ということがありました。
私は大変困りました。事業所の責任者にクレームを入れても「うちのヘルパーはそんなことはしない」の一点張り。
結局、こちらの泣き寝入りでした。
そんな経験もあるので、暗証番号の管理については、私はかなり慎重です。
必要最低限の相手にしか教えない。担当者が変更になったら暗証番号も変更する。
これは譲れません。
父の介護が始まること自体は、もちろん歓迎すべきことだと思っています。
ただ、父に介護サービスが入るからといって、私が8年間かけてようやく築いてきた「自分の介護生活」まで変えてしまう必要はありません。
親子二人が同じ家で介護を受けることになったからこそ「お互いが安心して暮らすためにはどうすればよいのか」を、これから家族・両者の担当ケアマネさんで考えていかなければならないのだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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©️2026 Koichiro





















