評価 3/5 ☆☆☆☆★
トランスフォーマー・シリーズの映画は、全7作見ている。本作はその前日壇と聞き、興味を持った。今までの映画は、トランスフォーマーが地球に来て地球人と仲良くなり、メガトロンたちと戦うと言う話で戦闘場面が多く、私の評価は「3」で、『バンブルビー』は人間とトランスフォーマーの友情を描き、評価は「4」である。本作はトランスフォーマー同士の友情を描いていると聞き、期待した。
今までは舞台が地球なので、地球の風景の中にCGでトランスフォーマーが合成されていた。今回の舞台はサイバトロン星であり、登場人物はトランスフォーマーだけなので、全てがCGである。トランスフォーマーが沢山出てくるが、登場人物が表情を変えて話す映像が見事である。超高層ビルが上からも下からも伸びるアイアコンシティの風景が見事である。また絶えず姿を変える地表の風景も綺麗であった。
変形できるトランスフォーマーがえばり、変形できない労働ロボットが馬鹿にされると言う、ロボット世界にも階級制があるのが面白い。その労働ロボットのオライオンパックスがオプティマスプライムになり、D-16がメガトロンなり、B-127がバンブルビーになりと、前作にも登場した人物が出てくるのが懐かしい。エリータ-1は何になるのだろう?
さて、トランスフォーマー・シリーズでは、オプティマスプライムとメガトロンの戦いが描かれているが、その2人はオライオンパックスとD-16という親友だったが、意見の違いのため対立し、敵対するという話であった。ただ、これは『X-MEN』シリーズのプロフェッサーXとマグニートーのように、昔の親友が宿敵になるのは、よくある話のように思える。それにD-16がこれほどまでにセンチネルプライムを憎む理由がよくわからなかった。センチネルプライムは13人のプライムを殺し、クインテッサ星人と取引していた。英雄だと思っていた人物が裏切者だったという話も、よくあるような気がする。
また、登場人物が個性的なロボットだけなので、感情移入しづらい。風景もあまりにも奇麗で、非現実的に思えるのが残念である。
オライオンパックスがアルファトライオンのデータメモリを手に入れた方法が、ガラクタの中に入っていたとは安易すぎる。アルファトライオンのデータメモリはどういう経緯でガラクタに入っていたの?記録保管庫には侵入者探知用のレーザー光線が張り巡らされていたが、足元だけでは、飛ぶトランスフォーマーには役に立たないのでは?オライオンパックスは通気口と思われる穴から記録保管庫に侵入したが、ロボットも換気が必要なの?オライオンパックスはデータメモリに息を吹きかけて埃を払っていたが、ロボットも息をするの?警備員に追われたオライオンパックスは、どうやって警備員の前にあるD-16の台車に隠れたの?ロボットも寝るの?レースでジェット噴射の風に飛ばされた2人より、ジェット機に変身して飛ぶ選手の方が速いのでは?選手はレースのコースを離脱してもいいの?B-127は「ここから出られない」と言ったのに、簡単に出られたのはなぜ?男性型と女性型のロボットがいるのはなぜ?ロボットはどうやって生まれるの?労働ロボットは生まれたときにコグを取られるが、その事実が何でばれなかったの?活動を停止していたアルファトライオンが、センチネルプライムがクインテッサ星人と取引している事をどうやって知ったの?その取引の映像は、エアラクニッドだけでなく、オライオンパックスなどの他のロボットも見ているのに、記録していないの?地上に廃墟があったが、誰か住んでいたの?など、様々な疑問があるのが、解決されなかったのが不満である。以上の理由で評価は「3」である。
原題は『TRANSFORMERS ONE』で、邦題も同じであるが、意味は「トランスフォーマー1号」なのか、「あるトランスフォーマー」なのか、監督は3部作にすると言っているそうなので「トランスフォーマー第1部」なのか、よく分からない。誰か教えてほしい。