劇場版『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

テーマ:

監督:長井龍雪  2013年

主な登場人物:読み(声優)役柄

【超平和バスターズ】

宿海仁太:やどみじんた/じんたん(入野自由)超平和バスターズのリーダー。

本間芽衣子:ほんまめいこ/めんま(茅野愛衣)外国の血が入っている為に周囲から浮いていた少女。

安城鳴子:あんじょうなるこ/あなる(戸松遥)周囲から勘違いされやすい少女。

松雪集:まつゆきあつむ/ゆきあつ(櫻井孝宏)めんまに想いを寄せていた。現在は進学校に通う。

鶴見知利子:つるみちりこ/つるこ(早見沙織)ゆきあつと同じ高校に通う少女。クールで知的な人物。

久川鉄道:ひさかわてつどう/ぽっぽ(近藤孝行)人一倍恵まれた体格と、広い懐を持つ。

【その他の登場人物】

宿海 篤:やどみ あつし(小形満)じんたんの父親。

宿海 塔子:やどみ とうこ(大原さやか)じんたんの母親。病気で亡くなっている。

本間 イレーヌ:ほんま いれーぬ(大浦冬華)めんまの母親。ロシア人と日本人のハーフ。

本間 聡志:ほんま さとし/さー君(水原薫)めんまの弟。

 

 〔高校1年〕

宿海仁太(じんたん)は本間芽衣子(めんま)を背負って走る。めんまは「あの橋を渡れば見えてくる。

 皆の秘密基地」と呟く。安城鳴子(あなる)、松雪集(ゆきあつ)、鶴見知利子(つるこ)、久川鉄道(ぽっぽ)が待つ「超平和バスターズ」の秘密基地にじんたんが着くと、めんまの姿が見えなくなり、めんまの「かくれんぼだよ」の声が聞こえる。じんたんは外に飛び出し、「超平和バスターズ」のメンバーはめんまを探す。めんまは「まだ、ちゃんとお別れしなきゃ」と呟く。

 〔小学生〕

「超平和バスターズ」のメンバーが神社でかくれんぼをする。じんたんはめんまと一緒にお堂に隠れる。

 小学校で遠足の班を決める時、じんたんは孤立していためんまを、ゆきあつ、ぽっぽ、つるこ、あなるの自分の班に入れる。めんまはじんたんと携帯ゲーム「のけもん」のキャラを初めて交換する。皆は山の中の廃小屋を秘密基地にして遊ぶ。

 かくれんぼでじんたんとめんまが見つかる。

 (タイトル『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』『めんまへの手紙』)

 〔高校2年〕

 あなるにつるこから電話が来る。あなるはめんまへの手紙を書けないでいたが、つるこは書き終わり、6時集合を確認する。あなるは「あなるへ。しっかりもののあなるがだいすきです」と書かれためんまの手紙を見て、昔を思い出す。

 〔小学校〕

 あなるはじんたんが好きだった。秘密基地であなるは「じんたんは、めんまを好きでしょ」と聞く。ゆきあつがじんたんに迫り、ぽっぽが「言え、言え」とはやし立てる。じんたんは思わず「誰がこんなブス」と言ってしまい、秘密基地から飛び出す。

 〔高校2年〕

あなるはあの日、めんまと別れて届かなかった言葉、受け取った言葉、伝えておかなければならない言葉を考える。

 じんたんはゲーム機器販売店のアルバイト店員をしていた。休憩時にめんまへの手紙を書き、先輩とカラオケに行った事を書きながら、昔の事を思い出す。

 〔小学生〕

 じんたんがテレビゲームをしていると、めんまが邪魔する。じんたんは昼食に自分と父のラーメンを作る。めんまはじんたんの足に座り、じんたんのラーメンを食べようとする。じんたんは気絶する。めんまはじんたんに「お願いを叶えてほしいが、内容は分からない。皆じゃなきゃ叶えられない」と言う。

 〔高校1年〕

 あれから色々あり、5年が過ぎた。ぽっぽはめんまが願いを叶えてもらうために帰ってきた事を、最初に信じた。ぽっぽは秘密基地で「ぽっぽへ。おもしろいぽっぽがだいすきです」と書かれためんまの手紙を眺める。ぽっぽは、あの日めんまが逝ったあの場所に咲いていた花を香り袋に入れていた。それを身に着けている事が、何もできなかった自分への罰と考えていた。めんまにずっと謝りたいと思っていた。じんたんがめんまがいると言い出して、100%信じたわけじゃなかったが、めんまの事を考えていたのは自分だけじゃないと知って嬉しかった。しかし、めんまは見えず、めんまは怒り続けているとぽっぽは思った。

 ぽっぽはじんたんの家で、自分が提供した山菜の天ぷらをおかずに夕食を食べる。ぽっぽには見えないが、じんたんの脇でめんまがいた。ぽっぽは「めんまがここにいると言う事は、成仏できていない」と言う。めんまは分からないと戸惑う。ぽっぽは「願い事があるなら、俺の事も頼ってくれ。お前を成仏させてやりたい。おれの前にも表れてくれ」と言う。めんまは「めんまも皆とおしゃべりしたい。でもお願いとか成仏とか、分からない」と泣く。

 〔高校2年〕

 ゆきあつは、夏休み中の高校の図書館でめんまへの手紙を書く。ゆきあつは「今になって思う。俺はひたすら走る事で、お前のいない現実から逃げたかったのかもしれない」と思う。

 〔高校1年〕

 山の中でじんたん、ぽっぽ、つるこ、ぽっぽは、めんまを追うと、めんまの変装をしたゆきあつだった。近づいて来たじんたんをゆきあつが組み伏せ「お前にはめんまがみえているんだな。俺、めんまに見えるか。あの日、めんまが死んだのは、俺のせいなんだ。俺がめんまにあんなことを言わなければ、めんまは死ななかった」と叫び「めんまが現れるとしたら俺の前だ。化けてでも呪ってでも、俺の前に」と泣く。その脇でめんまが見ていた。ゆきあつは「でも、俺の前にはめんまが出てこなかった。だから、めんまはもうどこにもいないんだ」と泣き叫ぶ。めんまは「いるよ」と話しかける。じんたんは「めんまが『ここにいるよ』って言っている。めんまがゆきあつに、パッチンありがとう。ごめんねって」と教える。それを聞いたゆきあつは去る。

 〔小学生〕

 ゆきあつ幼い頃にめんまに「俺の大好きなめんまに」と言って、パッチン(髪留め)を挙げた。めんまは「じんたんを追いかけないと」と言って受け取らなかった。

 〔高校2年〕

 図書館のゆきあつは「俺はお前の存在を、嫌というほど信じさせられた。俺は永遠にじんたんには勝てない」と手紙を書く。その様子を、女生徒が携帯で写真に撮る。

 ゆきあつは美術室で絵を描いているつるこに会い「家で一人で書いていると泣きそうなので、図書室で手紙を書いた」と教える。つるこは「とっくに書いた」と教える。つるこは、今の超平和バスターズのメンバーの絵を描いていた。ゆきあつは「その絵、結構良い」と感想を言って先に帰る。

 つるこは「めんま、あなたはいつも私の描いた絵を褒めてくれた。でも、どんなに頑張っても、ある一定以上は上達できる才能はないって気づいた。だから直ぐに方向転換した。ゆきあつをずっと好きだったけど、めんまに勝てるはずがないって。めんまがいなくなっても、私は傍にいられれば良いって。それだけが本当の望みだと思い込んで。そうすればきっと私は傷つかない。だからあなたが帰って来たと聞いて、自分が揺らぐのが怖かった。それからみんながあなたの事を本気で信じるようになって、揺らいで、怖くて」と呟く。

 つるこにあなるから電話が来る。あなるはファストフード店で手紙を書いていた。

 〔高校1年〕

 あなる、じんたん、ぽっぽが秘密基地でめんまの日記を読むと、皆でじんたんの母の見舞いに行った事が書いてあった。めんまはじんたんの母のために「神様に手紙を送ろう」と提案する。皆で花火を作ろうとしたことを思い出す。ロケット花火に手紙を入れて、神様に届けようとしたのだ。ぽっぽは、これがめんまのお願いじゃないかと言う。

 じんたんはゲーム店のアルバイトを増やしていた。寝不足のじんたんが倒れ、一緒にアルバイトをしていたあなるが看病する。あなるは「こう言うのやめよう。じんたんだって十分に傷ついている」と言うと、じんたんは「こう言うのって何だ?」と仕事に出ようとする。あなるはじんたんに抱き着いて止め「行っちゃ嫌だ。あの時だって、行ってほしくなかった」と言う。あなるは「あの時、本当はほっとした。めんまの事をじんたんが好きじゃないと言ったのが、嬉しかった。その自分が許せなくなって、めんまを傷つけて、じんたんを好きだった自分が許せなくって」と告白する。じんたんはあなるを振り切って、仕事に出る。

 〔高校2年〕

 ファストフード店のあなるは、この事を思い出して手紙を書けずに「私は馬鹿です」と大声で叫ぶ。「いつからか私、じんたんが好き」と書いているのに気づき、大声で叫ぶ。その様子を見た、隣の中年女性の客が「あまり自分を責めちゃだめよ」「馬鹿じゃない、賢そうな顔だ」と慰める。

 つるこは美術室から帰ろうとして窓を見ると、ゆきあつが正門で待っていた。つるこは「私達はいつも迷ってばっかりで、だからあの時、少しでも迷いを減らしたくて、はっきりした物が欲しくて」と振り返る。

 〔高校1年〕

 秘密基地でじんたん、めんま、ぽっぽが待っていると、つることゆきあつ、あなるも差し入れを買ってやって来る。めんまは「パーティーだ」と喜ぶ。めんまとのお別れ会を始める。めんまはノートに「きょうはめんまのことでありがとうございます。めんまはあしたじょうぶつします。さいごまでみんなとなかよくしたいです。よろしくおねがいします」と書いて見せる。

 ゆきあつは余興に、あの日、ここであった事を再現してみようと言う。じんたんは反対する。ゆきあつに言われ、あなるが「じんたんって、あなるの事好きなんでしょ」と話す。ゆきあつはじんたんに「めんまがいるんだろ。はっきり言えよ」と促す。ぽっぽは「言え、言え」と言う。つるこは「そこまでやるなんて」と止める。じんたんは「好きだ、俺はめんまが」と言って外に出ようとする。ぽっぽが「そこで逃げたら同じ事になる」と止める。じんたんが振り向くと、めんまが泣いていた。

 〔高校2年〕

 つるこは正門で待っていたゆきあつと帰る。

 〔小学生〕

 小学校の帰りにめんまはじんたんに「外人とのけもんは同じ意味だ。めんまはのけもんで外人だ。家や学校に入れない。犬小屋で寝ようかな」と話す。それは国語の物語の宿題だった。じんたんは「お前にはいつでも帰れる、超平和バスターズの秘密基地がある」と言う。

 〔高校1年〕

 秘密基地の帰りにめんまが「さっきの本当?」と聞く。じんたんが「本当だよ」と答えると、「めんまはじんたんが好き」と言う。「友達の好きじゃない」と言うと「お嫁さんにしたいの好きでしょ」と言う。じんたんは「成仏しなくたって、このままここにいればいいじゃないか」と言う。めんまは「皆と話ができるように、ちゃんと成仏して生まれ変わる」と言う。

 〔高校2年〕

 じんたんは、めんまの弟の本間聡志に会い、父に教わって作った蒸しパンを、めんまの仏前に供えるように頼む。

 あなるが橋の上で、じんたんに好きだと告白しようかと迷っていた。そこにじんたんが通りかかり、一緒に秘密基地に行こうと誘う。

 秘密基地にじんたんとあなるが来ると、ぽっぽ、つるこ、ゆきあつが待っていた。手紙のお焚き上げのために、一斗缶を準備していた。ぽっぽは、前にあなるが持って来た花火をしようと言う。

 〔高校1年〕

 めんまの願いだと信じた大きいロケット花火を打ち上げる。しかし、めんまは喜び、消えなかった。めんまの願いが分からなくなった。じんたんは、めんまが成仏して皆と話せるのが願いだと伝え、皆はめんまをちゃんと成仏させようと誓う。

 じんたんが家に帰ると、めんまが倒れていた。めんまは「願いがもう叶っていたみたい。じんたんのおばさんと約束した」という。

 〔小学生〕

 入院中のじんたんの母がめんまに「仁太は泣かなくなった。一杯我慢させた」と心配する。めんまは「じんたんを泣かせる」と約束する。

 〔高校1年〕

 それを聞いたじんたんはまた泣く。めんまの体が消えかかっていた。じんたんは「ずっとお前に会いたかった。お前に謝りたかった。好きだと言いたかった。でも、皆同じだった。皆お前が好きだった。皆お前に会いたかった。皆がお前を待っている」と言い、めんまを背負って秘密基地に走る。秘密基地に着くと、じんたんはめんまの姿が見えなくなる。めんまは「かくれんぼだよ」と言い、じんたんと皆は外に出て、めんまを探す。

 〔高校2年〕

 なかなか日が暮れず、ぽっぽはかくれんぼしようと言い出す。他の者も賛成し、ぽっぽが鬼でかくれんぼを始める。皆はかくれんぼすると、めんまが見えるような、めんまが戻って来るような気がする。

 〔高校1年〕

 消えかかっためんまは、日記のページに各メンバーへの手紙を書く。めんまは自分の事で皆が悲しむのは嫌だと思った。めんまは、じんたんはめんまの願いをかなえるために、夜間労働のバイトをして頑張っていた事を知る。家に帰ったじんたんをめんまが心配する。それを知ったじんたんが泣く。めんまの願いはじんたんの母の願いだった事を思い出す。

 手紙を書きながら、めんまはじんたんとの出来事を思い出す。皆が森の中でめんまを探すと、木の下に日記のページのめんまからの各自への手紙を見つける。それにはめんまの字で「つるこへ。やさしいつるこがだいすきです」「ゆきあつへ。がんばりやさんのゆきあつがだいすきです」「ぽっぽへ。おもしろいぽっぽがだいすきです」「あなるへ。しっかりもののあなるが大好きです」「じんたんだいすきです。じんたんへのだいすきは、じんたんのおよめさんになりたいなっていう、そういうだいすきです」と書かれていた。

 めんまは木の下で「今度はちゃんとお別れできたよ」と呟く。じんたんは「これかくれんぼなんだろう。お前を見つけなきゃ、終われないだろう」といい、みんなで「もういいかい」と叫ぶ。めんまは「もういいよ」と応える。皆はその声が聞こえ、木の下にいるめんまを見つける。皆はめんまに「手紙読んだ。大好き」と叫ぶ。じんたんも「俺ももちろん大好きだ」と叫ぶ。じんたんが「願叶えてくれてありがとう。大好きだ」と言う。

 〔小学生〕

かくれんぼで、神社のお堂に隠れていたじんたんとめんまが出てきて、皆は「じんたん、めんま、見つけた」という。じんたんはめんまに「お前が犬小屋で寝てても、絶対誰かが見つけるからな」という。めんまは嬉し泣きする。皆は「じんたん、めんまを泣かした」とはやし立てる。

 〔高校1年〕

 木下のめんまは泣きながら「もっと皆と一緒にいたい。遊びたい。だから生まれ変わりする。だからお別れだよ」と言う。皆は「めんま、見つけた」と叫ぶ。めんまは「見つかっちゃった」と言いながら消える。皆は泣く。「ずっと、大好き」のめんまの声が聞こえる。

 〔高校2年〕

 じんたんが秘密基地のロフトに隠れていると、あなるも来る。じんたんは梁に書かれた「超平和バスターズは、ずっとなかよし」の字を見て、「めんまだけのお願いは、きっとこれなんだ」と言う。あなるは思い出して、手紙の続きを書き、見つけに来たぽっぽとじんたんに小屋から出るように言う。

 夜になり、一斗缶に火を点けて手紙をくべ、手紙のお焚き上げを行う。煙が昇る。ぽっぽは「めんま、ちゃんと届いているか」と叫ぶ。あなるはつるこに「手紙に、じんたんが好きだと書いた。ずっと黙っていてごめんって書いた。じんたんにはまだ言えない」と教える。つるこが「それでいいの?」と聞くと「だって私は、めんまが好きなじんたんの事も好きだから。それに私達はずっと仲良しだから。あの夏も、この夏も。ずっと仲良しでいれば、いつかきっとこの気持ちを言える夏も来ると思うから」と」と答える。つるこは「私は抜け駆けするかも」と言い、あなるは驚く。

 じんたんは「お前がもう隣にいなくても、ここにお前がいたと思うだけで、今までの景色が違って見える。ちょっとしたことが大切に思える。絶対に失えない物だと思える」と思う。じんたんと皆は、星空がとても綺麗だと気づく。じんたんは「失った物なんて、何一つない」と思う。じんたんは「これがめんまからの返事かも知れないぞ」と言う。ぽっぽは「めんま、返事受け取ったぜ。ありがとう」と空に叫ぶ。ゆきあつは「来年の今日も集まろう」と提案する。

 聡志がめんまの仏壇にじんたんが作った蒸しパンを供えてお参りしていると、本間イレーヌが「それどうしたの?」と聞く。悟ったイレーヌは「今度、あの子達にも、お線香をあげに来て、と伝えて」と言う。聡志が「写真の姉ちゃん、いつもより笑っている気がする」と言う。

 (エンドクレジト)

 めんま「生まれ変わったら何になろう。お花になろう。蝶々になろう。アリンコになろう。お芋になろう。何になっても大丈夫だよ。だってね、超平和バスターズはずっと、仲良しだから」

(写真は「映画com」より)