『トイ・ストーリー2』ネタバレの感想 オモチャの幸せとは何か考えさせられた(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

2024年8月2日に「金曜ロードショー」で『トイ・ストーリー2』が放映されるので、2020年5月に掲載した「ネタバレの感想」を再掲載する。

 評価 4/5 ☆☆☆☆★

 日本公開の2000年に劇場で見たが、久しぶりにDVDで見た。第1作の制作が1995年、本作の制作は1999年なので、第1作から4年たつ。第1作ではアンディが7歳だったが、本作では11歳なので、物語中でもちょうど4年たっている。

 この4年でのCGの発達は目覚ましい。第1作に比べて、人間の登場人物の皮膚感や顔つき、プロポーションなどだいぶ人間らしく改善されている。ただ、アルの顔がアップになると、まだだと思うが。第1作ではスカッドは犬に見えなかったが、本作のバスターは、毛並みや造形は犬らしく見える。オモチャも表面の反射や布の細部なども良くなっているようである。

 もちろん、技術だけでなくストーリーも面白い。序盤で、ペンギンのオモチャのウィージーがバザーに出され、ウッディが危険を冒して連れ戻しに行く。第1作で、引っ越しの時にはぐれないようにオモチャ達にペアを作る対策を取ったように、ウッディは仲間を大切にしているとよく分かる。ところがウッディは超プレミア人形で、オモチャ屋のアルに盗まれてしまう。オモチャ達がウッディを取り戻しに行く。第1作でウッディに助けられたバズが、今度はウディを助けに行くのが良い。その途中で、本物のバズがオモチャ屋で売られているバズと入れ替わるが、どちらも顔も声も同じでややこしいことになる。新品のバズは自分がスペースレンジャーだと思っており、本物のバズが自分も昔はこうだったのかと客観的に見ているのが 可笑しい。本物のバズが足の裏のアンディの名前を誇らしげに見せるのも面白い。

 第1作では、オモチャの幸せは主人と遊ぶことだと言っていたが、本作では、いつか主人に棄てられるかも知れない恐怖がクローズアップされる。博物館に展示されて、ずっと子供逹を喜ばせるのが幸せなのか、いつか棄てられるかも知れないが、主人に遊んでもらうのが幸せか。ウッディは後者を選び、さらに昔エミリーに遊んでもらった思い出があるジェシーも一緒に来るように誘うのは、オモチャ思いのウッディらしくさすがである。この、主人に捨てられる恐怖が、第3作に繋がっていく。

 このアルの店と高層ビルからの脱出劇のスリルに加え、終盤は空港の荷物配送装置内での格闘や、離陸しようとしている旅客機からの脱出と言う、まるで『ダイ・ハード2』(1990年)のようなスリル満点のスケールの大きい(オモチャは小さいが)アクション映画になっているのも見どころである。

 家に戻ったウッディは、ジェシー、ブルズアイ、3体のエイリアンのオモチャを、ママからのプレゼントに偽装して、アンディのオモチャになる。楽しい結末であった。でも、ママは不思議がらないの?これって窃盗罪かな?空港の荷物輸送車も盗んできたし。オモチャは罪に問われないのでいいか。

 ゲーム中の『2001年宇宙の旅』(1968年)の音楽、『ジュラシック・パーク』(1993年)のようにレックスが車を追う場面、ザーグと新品バズの「お前の父は私だ」「父さん」の『スター・ウォーズ 帝国の逆数』(1980年)などの映画の小ネタも面白い。評価は「4」である。

 原題は『TOY STORY2』で「オモチャ物語2」である。