『あのコはだあれ?』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:清水崇 2024年

主な登場人物

【中学校関係】

君島ほのか(渋谷凪咲)中学校の夏期補習クラスを担当する臨時教師。悠馬の恋人。

三浦瞳(早瀬憩)中学3年生。補習を受ける生徒。

前川タケル(山時聡真)中学3年生。補習を受ける生徒。

島田蓮人(荒木飛羽)瞳の同級生。補習を受ける生徒。

小日向まり(今森茉耶)瞳の同級生。補習を受ける生徒。校舎の屋上から転落死するう。

阿部大樹(蒼井旬)瞳の同級生。補習を受ける生徒。

川松良江(今井あずさ/32年前:堀桃子)ほのかの勤務する中学校の校長。

中村育英(松尾諭)先輩教師。

糸井茂美(南山莉來)32年前のさなや瞳とタケルの母の同級生。校舎の屋上から転落死した。

【生徒の保護者】

三浦唯(小原正子/32年前:田口音羽)瞳の母。

前川妙子(伊藤麻実子/32年前:シダヒナノ)タケルの母。

【養護施設関係者】

七尾悠馬(染谷将太)ほのかの恋人。養護施設教諭。ほのかとの待ち合わせ場所で交通事故に遭う。

仁科恭子(たくませいこ)養護施設の施設長。

尚哉(嶋田鉄太)施設の子供たち。悠馬を慕っている。

美弥(里元咲夏)施設の子供たち。悠馬を慕っている。

拓海(松本孟徳)施設の子供たち。悠馬を慕っている。

【高谷家】

高谷さな(穂紫朋子)いないはずの生徒。さまざまな怪異を引き起こしていく。

高谷詩織(山川真里果)さなの母。

高谷洋一(松木大輔)さなの父。

高谷俊雄(白鳥廉)さなの弟。

高谷トヨ(川松良江)さなの祖母。

【その他】

権田継俊(マキタスポーツ)元探偵。良江の元教え子。事件の鍵となるカセットレコーダーを持つ。

中務裕太(中務裕太)ほのかに「取り込まれますよ」と忠告をする。

 

 1992年6月23日。中学校の屋上で高谷さなに対し、糸井茂美、三浦唯、仁科恭子が「何でありもしないこと言えるの?」「いい加減な事を言うんじゃない」などと言い争っていた。突風が吹き、茂美が屋上から落ちそうになる。その様子を地上で見つけた担任の川松良江が、急いで校舎に向かう。さなと唯、恭子が茂美を引き上げようとする。さなは「聞かせて、最後の声を」と言うと、手を放し、茂美は落下する。

 (タイトル『あのコはだあれ?』。オープニングクレジット)

 君島ほのかは、恋人の七尾悠馬から「ほのかに会わせたい人がいる。駅前で16時」のメールを貰い、駅前のロータリーで待っていた。車から降りた悠馬がほのかの所に向かおうとすると、車に跳ねられて三浦瞳がいた自動販売機の前まで飛ばされる。ほのかが駆け寄ると、悠馬は自動販売機の下に引きずり込まれそうになり、ほのかが悠馬の体を引っ張る。ほのかの手が包帯をした手に触れ、自動販売機の下を見ると女生徒の姿があった。悠馬は他の人の助けもあり、担ぎ出される。

悠馬は昏睡状態で病院のベッドに寝ていた。ほのかが枕元で「大事な事って何だったの?会わせたい人って?」と悠馬に問いかける。病室に養護施設の施設長の仁科恭子と、施設の子供の尚哉、美弥、拓海が見舞いに来る。美弥は絵をプレゼントする。

 7月15日。ほのかは悠馬が住み込みで働いている、児童養護施設あじさい園を訪れる。仁科は、悠馬はこの施設出身で、ここに残ってくれたと話す。悠馬の部屋で、子供の頃の悠馬が書いたスケッチブックを眺めると、家の階段が書かれてあった。

 7月16日。ほのかは中学校に行き、産休の塚本先生の代わりに臨時教員になる。中村育英先生が、夏休みの補習のクラスを担当してもらうと話す。中村先生が校舎を案内するように頼んだ三浦瞳は、悠馬の事故の時にいた女生徒だった。ほのかは瞳に「彼を助けてくれた恩人」と話す。

 瞳が帰ろうとすると、ホールにあるピアノである曲を弾いているさなを見つけ、一緒に弾く。先生が昇降口の戸締まりを始め、瞳に帰るように促す。さながいなくなり、ピアノの上に「SANA」と書かれたノートが置いてあった。

 ほのかは病院に悠馬の見舞いに行き、臨時教員になった事を報告する。

 7月16日。ほのかは補修授業を担当する。生徒は瞳、前川タケル、島田蓮人、小日向まり、阿部大樹の5人だったが、プリントを配るといつの間にかさなもいた。さなが窓の外を見ているので、ほのかも見ると、校舎の脇に女生徒が倒れていた。ほのかが窓を開けると、女生徒はいなくなっていた。瞳はさなのノートを返す。なさが鼻歌を口ずさむので、まりが「きっしょい(気色悪い)」と言う。

 休み時間、ほのかは女生徒を見た場所に行くと、枯れた花が置いてあった。瞳は「前から置いてある」と言う。すると屋上でまりが「私の音、聞いて」と言って、飛び降りようとする。ほのかは瞳を庇う。その様子を教室のベランダから男子生徒が見ていた。まりが屋上から飛び降りる。いつの間にか、男子生徒の隣にさながいた。

 学校に警官がやって来る。ほのかと瞳は、刑事に話を聞かれる。川松良江校長も学校に来る。

 タケルは蓮人と大樹に「この学校で30年くらい前にも飛び降り自殺があったって、母が言っていた。校長の教え子の糸井茂美」と教える。男子生徒が「押したとか?」と聞くと、タケルは「皆で助けようとした」と答える。それを聞いていた瞳も「母から聞いています」と教える。32年前に屋上にいたのが、瞳の母・三浦唯と、タケルの母・前川妙子だった。

 さながホールのピアノであの曲を弾くと、男子生徒3人もその曲を口ずさむ。瞳も口ずさんでいた。

 保護者が生徒を迎えに来る。妙子と唯が「私たちの時と同じゃない」「茂美の時と一緒。嫌な事を思い出させないで」と話し、唯は「あの事、あまり覚えていない」と言う。妙子は「あの子に決まっている」と言う。唯は「学校に来たくなかった」と言う。

 帰り道、瞳が母の唯に「あの子に決まっているって、誰?」と聞くと、唯は瞳を突き飛ばし「あんたまでそんなこと聞くの?と怒って、バッグを投げる。冷静になった唯が「ごめんなさい。あんたも見ちゃったの?」と聞く。

 さなの保護者が迎えに来なかったので、ほのかが高谷家に送る。家には父親と妊娠中の母親、隣の部屋に寝ている祖母がいた。父親が祖母の世話をさなに頼むと、カセットレコーダーを首にぶら下げたさなが来る。さなは「1992年8月21日」と吹き込むと、祖母の顔に濡れた布を被せ、祖母が咳込む。

 父親はほのかに、あんロールを勧め、ほのかは一口食べる。父親は母親に「母さん、寝ているのか?」と聞くと、母親は「母さんは昼も夜もないですから。あなたは仕事で忙しいから知らないでしょうが」と言い、「この子(お腹の子)を抱いてもらうまで、頑張ってもらわないと」と言う。

 また、父親が「母さん、寝ているのか?」と聞き、母親と同じ会話を繰り返す。

 ほのかは吐き気を感じ、あんロールの箱を見ると「賞味期限1992年8月12日」と書いてあった。食べかけのあんロールは、カビだらけだった。ほのかがトイレに駆け込むと、背骨が浮き出た祖母が便器に座っていた。

 ほのかがトイレから出ると、悠馬のスケッチブックに描かれた絵と思われる階段があった。2階の部屋のドアのすりガラス窓に、さなの姿が映る。男の子が「お姉ちゃん」と言ってドアを開けて部屋に入る。ラジカセをぶら下げたさなが出てくる。

 トイレから祖母が出てくると、顔には濡れた布が被さっていた。祖母が布を吸い込むと、白い顔に黒い目があった。母親も廊下に出てくる。

 ほのかが外に出ると、車の中から校長が出てくる。ほのかは校長に抱き着いて泣く。振り向くと、高谷家は廃墟だった。家に「両親が娘を殺す」との新聞記事が張ってあった。校長は「あの子の事で話がある」という。

 悠馬の病院の階段の踊り場に、女性が立っていた。

 ゲームセンターに瞳がいると、タケルが母親の中学校の卒業アルバムを持って来る。そこには死んだ糸井茂美、若い三浦唯と前川妙子と、今と変わらない高谷さなの写真があった。瞳は「これがあの子?」、タケルが「まさかお化け?」と驚く。

 事件のため学校の補修や部活動は中止になった。ほのかと瞳とタケルは、校長の川松良江に当時の話を聞く。「茂美が落ちた時、あなた達の母さんが屋上にいた。2人はショックで学校に登校できなくなった。しかし高谷さなは登校したので、周りの人にいじめられた。机に落書きが掛かれ、靴箱にはゴミが入れられた。画鋲が入ったうち履きを履き、さなは血の足跡を残して歩いた。当時の担任だった校長・川松先生はさなの足の手当てをしながら「このまま授業を受けるの?」と聞くと、さなは「皆の音が欲しいから」と応える。茂美は「私の音、聞いて」と言って飛び降りた。さなの夢だったみたい」と話す。

 川松校長は中学2年の時の文集のさなの文を見せると「自分の歌を皆に届けて、自分の世界に引き込みたい。皆の音を集めたいと思う」と書かれてあった。

 川松校長は「彼女自身の手で、自分の最期の音を録音した。あの日、私は高谷さなから電話を受け、家に行くと、第1発見者になった」と言う。

 担任の川松先生が高谷家に行くと、2階のドアが外れて階段の下に落ち、その上で首にコードが巻かれたさなが死んでいた。階段の脇には、両親がいた。

 ほのかは「両親が娘を殺す」の新聞記事を瞳とタケルに見せる。ほのかが「彼女が集めていた音と関係があったの?」と聞く。

 川松校長は、瞳とタケルを居酒屋に連れて行き、校長の元教え子で探偵の権田継俊に会う。権田は隣に座る客に「あとは頼んだ」と言って逃げ出し、校長と生徒が追う。ほのかも追おうとすると、客の中務裕太が「行かない方が良い。取り込まれますよ」と手を取って忠告する。ほのかは手を振りほどいて追いかける。

 権田は校長とほのか、瞳、タケルに捉まる。権田は彼らを車の廃車場に連れて行くと、古いカセットレコーダーを見せる。その中に「ミンナノウタ」と書かれたカセットテープが入っていた。

 4人は、廃車の中でそのテープを聞く。「1992年6月23日。糸井茂美」とさなの声がして「そんな所で何をしているの。危ないでしょ」と叫ぶ川松先生の声と、茂みが落下する音が聞こえる。瞳が「何でこんな音が残っているの?最後の音って?]と聞くと、校長は「最後の魂」と答える。

 次の録音は「1992年9月2日。弟のとしお」とさなの声がし、心臓の鼓動が録音されていた。

 さなの母親が布団で寝ていると、布団の中にさながいて胎児の鼓動を録音していた。

次の録音は「1992年9月23日。私、高谷さな」とあり、さなが父に「コードが引っかかったの。ドアが開かないから、登ってこなくていい。コードを引っ張って」と頼む。父親と母親が思いっ切りコードを引っ張ると、首にコードを巻いたさなの体が持ち上がる。

瞳は「それじゃ、両親は娘殺しの罪をきせられた?」と驚く。権田が来て「終わった?」と聞く。タケルが「何の恨みだったの?」と聞くと、権田が「彼女の目的は恨みではなく、夢や希望に根ざしているから厄介だ」と言う。

 回しっぱなしだったカセットプレイヤーから「2024年7月2日」とさなの声がする。悠馬が車に引かれ、ほのかが「悠馬、大丈夫?誰か助けて」と叫ぶ声がする。ほのかが再生を止める。権田は「こんなの前はなかった」と驚く。瞳は「君島先生の恋人が車に轢かれたときの…」と教える。ほのかはカセットプレイヤーを預かる。ほのかが「他に彼女の声を聞いたのは?」と聞くと、蓮人と大樹が聞いていた。

 病院で医師が「悠馬の両親に連絡は?」と聞くと、施設長は「連絡を取るべきか、悩んでいる」と話す。施設長は「七尾悠馬の父」に電話する。

 瞳とタケルは、一緒に下校する。ガード下で、タケルが大樹に電話するが、雑音が酷く聞き取れなかった。

 校長が学校に戻り、事故現場に行くと、新しい花が添えられていた。

 中村先生が廊下を歩いていると、さなが後ろを通り過ぎる。中村先生が女性を見つけ「今日は閉鎖しています。どこから入りました?」と聞くと、さなの母親が「私の赤ちゃんを見かけませんでした?」と聞き、中村先生に迫る。 

 カセットプレイヤーの音がするので、ほのかが紙袋から取り出すと、録音が止まる。すると再生が始まり、「2024年7月25日。前川タケル」とさなの声がする。ほのかは瞳に電話して「タケル君と一緒にいる?タケル君から手を離さないで」と頼む。

 瞳とタケルはガード下にいた。タケルに大樹から電話が来ると、あの歌が聞こえ、タケルは「それやめて」と話す。瞳はタケルの手を握り「大樹は誰かと一緒にいる?」と聞く。タケルにはさなが「あなたの音もちょうだい」と言うのに見え、手を振り解く。すると、瞳の姿が見えなくなる。

 校長が校内で中村先生を探すがいなかった。ある教室に入ると若い自分が「どうして助けてあげられなかったの?」と言いながら近づいてくる。校長は「どうしようもなかったの」と話す。

 中村先生が廊下を歩いているのが見えるが、下窓から3人の女生徒の足が見える。下窓から茂美が教室に入って来て「先生、毎年花をありがとう」と言う。校長は「茂美さん、許して」と言ってカーテンの陰に隠れると、窓の外にさやがいた。

 大樹がゲームセンターのクレーンゲームで大きいクマの縫いぐるみを取るが、落ちてこない。取り出し口から手を入れると、クマの縫いぐるみはさな人形になっていた。さな人形はケースの中で暴れ、口から泡を出す。それを見ていた大樹の口からも泡が出る。さな人形の顔にひびが入る。

 蓮人が「タケルから電話が来たぞ」と大樹を探すが、さっきまでクレーンゲームの前にいたのにいなくなる。床に血の足跡があり、それを辿ると、プリクラに向かっていた。蓮人がプリクラに入る。さなの父親、さなの母親、男の子もプリクラに入る。「2024年7月25日。阿部大樹」とさなの声がする。

 ほのかと瞳が3人の男子生徒を探すが見つからず、跨線橋で呆然としていた。そこに瞳の母親が来て「何しているの。いつも心配しているのに」と聞く。瞳は「大好きなのは自分でしょ」と反発する。母親が瞳を叩く。母は「瞳が面倒な事に巻き込まれるんじゃないかと」と心配する。瞳は逃げ出す。

 夜、ほのかはカセットテープの声を聞き返す。「2024年7月2日。弟としお」と録音されていた。さなはなぜ悠馬の事故を録音したか、ほのかは疑問に思う。

 ほのかは養育施設の悠馬の部屋に入る。スケッチブックを見ると、階段の絵は高谷家の階段だった。悠馬の子供の頃の写真を見ると、高谷家で見た男の子だった。ほのか仁科は施設長に「悠馬は?」と聞く。

 施設長はほのかを介護施設に連れて行く。そこには年老いたさなの父親の洋一がいた。施設長が「悠馬にもしもの事が遭ったら」と言うと父親は「会える訳がない。会える資格がない」という。さらに、車イスに乗ったさなの母親の詩織が来るが、ボロ布を巻いてよだれかけを付けた「としお人形」を持っていた。

 父親が「母さん、死んだのか?」と聞くと、母親は「母さんは昼も夜もないですから。あなたは仕事で忙しいから知らないでしょうが。この子(人形)を抱いてもらうまで、母に元気になってもらわないと」と言うと「私の赤ちゃんはどこに行ったの?」と、人形を投げ捨てて取り乱す。介護士が「落ち着いて」と宥める。父親は「あの子は死んだんだ」と言う。泣き叫ぶ母親は、介護士に連れ出される。父親は「だから、あの子は養護施設に預けて育ててもらった」とほのかに話す。

 ほのかは駅前に行く。事故で悠馬が激突した自動販売機の下を見ると、何かがあり、手を伸ばすと小箱だった。小箱を開けると「YUMA&HONOKA」と彫った婚約指輪があり、それを見たほのかは涙ぐむ。

 その夜、瞳は廃墟の高谷家に行く

 悠馬がベッドから起き上がり、病室から出ると、階段の踊り場に母親の詩織がいた。病室に戻ると、ベッドの上に自分がいた。

 悠馬の病室に仁科施設長と美弥がいた。ほのかも見舞いに来る。美弥がスケッチブックに描いている絵を、施設長とほのかが見ると、高谷家の階段で、2階のドアの窓にさなの影があった。

 危険を察したほのかは、廃墟の高谷家に行く。玄関のドアを開けると2階からさなの鼻歌が聞こえる。ほのかは「高谷さな、あなたはもう死んでいるの」と言う。ほのかが止めるが、男の子が部屋に入る。

 「2024年7月27日。七尾悠馬」と録音する声が聞こえる。ほのかは「あなたには渡さない」と言うと、「じゃ、代わりの者ちょうだい」とさなの声がする。

 ほのかが部屋に入ると、首にコードがまかれ、カセットレコーダーを下げた、さなに変身した瞳がいた。コードが引かれ、瞳の体が持ち上がる。ほのかは瞳にしがみ付き、カセットレコーダーに「2024年7月27日。君島ほのか」と吹き込む。ドアの蝶番が外れ、ドアが倒れる。

 瞳は首のコードがまかれて外れたドアの上に倒れ、校舎の屋上にいた。瞳は首のコードを外すがカセットレコーダーはなかった。すると屋上から落ちそうになったほのかが、手すりにしがみ付いていた。瞳が駆け寄り、ほのかに手を伸ばすが持ち上がらない。すると中学生の三浦唯と前川妙子が瞳を手伝う。ほのかの顔が糸井茂美の顔になり、瞳がさなの顔になる。瞳は「違う私は」と叫ぶと悠馬も来て、2人の女生徒がさなを瞳から引きはがす。瞳はほのかを引き上げる。屋上には瞳とほのかがいた。

 介護施設で、さなの母親・詩織が死ぬ。

 病室で悠馬の意識が戻る。悠馬にほのかが抱き着く。

 学校の教室で中村先生が「塚本先生に赤ちゃんが生まれました」と報告し、生徒たちが喜ぶ。それをほのかが見る。

 茂美の転落現場にほのかと瞳が行く。沢山の花束と「茂美ちゃんへ」と書かれた寄せ書きの色紙があった。そこに悠馬が来て、3人で手を合わせる。悠馬は「いつもは花をありがとう」と言うと、瞳が「いいえ」と言う。悠馬はポケットから婚約指輪を取り出すと去って行く。ほのかの指の指輪は消滅する。

 「茂美ちゃんへ」の文字が「君島先生ありがとう」に変わる。ほのかは自分が死んでいたと気づき、悲鳴を上げる。

 (エンドクレジット)

 校舎内で校長と中村先生が目覚める。ガード下でタケルが起き上がる。ゲームセンターのクレーンゲームの中に大樹がいた。プリクラから少年と蓮人が出て来る。清掃員がホールのピアノのふたを閉めると、ピアノの本体にさやかの姿が映る。

(写真は「映画com」より)