アニメ版『耳をすませば』 ネタバレの感想 若い聖司と雫の決断に感心した(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 2024年5月10日の「金曜ロードショー」で『耳をすませば』実写版が放映されるので、参考に2022年8月に掲載した『耳をすませば』アニメ版の「ネタバレの感想」を再掲載する。

 評価 4/5 ☆☆☆☆★

 2022年10月14日に実写版『耳をすませば』が公開予定だが、アニメ版『耳をすませば』(1995年)の10年後を描いていると聞いたので、公開前にアニメ版を見直した。当初は2020年公開予定だったが、コロナ禍で海外ロケができず、今年に公開が延期になったそうだ。アニメ版が公開されて25年もたってから続編が作られた理由は何だろう?最近は前作からだいぶたってから続編が製作される映画が『マトリックス』(18年ぶり)、『ゴーストバスターズ』(37年ぶり)、『トップガン』(36年ぶり)、と続いているので、その影響だろうか?

 オープニングに『カントリー・ロード』の軽快な曲が流れ、非常に懐かしく思った。後で出てくる雫の訳詞も非常に上手いと思った。

 中学3年は思春期なので、異性を好きになるのは当然である。しかし、男子生徒にラブレターをもらった夕子は杉村が好き。杉村は雫が好き、雫は聖司が好き。相思相愛になるのはなかなか難しいものだ。

 また、中学3年生は進路を考えなければならない。普通は高校進学を選ぶのだろうが、聖司は中学校を卒業したらバイオリン製作の職人になると決めるとは感心した。しかも、イタリアのバイオリン製作学校へ留学すると心に決めたのは、大変だと思うが立派である。

 一方、将来は小説家になりたいと思っている雫は、聖司に触発されて、自分に才能があるか試すために、小説を書く。彼女の思いは分かるが、聖司の修行期間に合わせる必要はなく、高校入学後でも遅くない気がするのだが。それを許す父親は、理解があると感心した。しかし、そのセリフがあまりに棒読みで、せっかく良い場面なのに、セリフが下手なのが気になって、頭に入らなかった。父親の声の立花隆氏はノンフィクション作家や評論家、ジャーナリストとして尊敬するが、プロの声優または俳優を当てた方がよかったのでは?

 さて、本作の後に製作された『猫の恩返し』(2002年)は、月島雫が書いた小説だという設定になっているそうだ。その視点で『猫の恩返し』を見ると、太った猫の名前の「ムタ」は、『耳をすませば』で天沢聖司が「ムーン」と呼んでいた太った猫が、ある家で「ムタ」と呼ばれていた事から取ったのだろう。ハルが「ムタ」を追いかけて、細い路地などを通ってやっと「猫の事務所」に着く場面は、雫が「ムーン」を追いかけて「地球屋」にたどり着いた実体験に基づいているのだろう。バロンの余りに格好良い性格は、天沢聖司がモデルだろうか?

 ところで、中学3年生の聖司が雫に結婚を申し込むとは、早すぎる気がする。本作が公開された当時は、10年後に2人は結婚しているのか、非常に気になった。実写版が作られて、それを知ることができるのは大変うれしい。今から楽しみである。

 なお、もう1組のカップル、夕子と杉村がどうなったかも気になるが、エンドクレジットの背景を見ると、人物が小さいのでよくわからないが、夕子らしき女生徒が杉村らしい男子生徒と待ち合わせして、一緒に登校しているようである。こちらもうまくいっているようで微笑ましく思った。

 評価は「4」である。