『ガリレオ 沈黙のパレード』ネタバレの詳しいあらすじ(改訂) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 2024年3月30日の「土曜プレミアム」で『ガリレオ 沈黙のパレード』が放映される。映画を見直して2022年9月に掲載した「ネタバレのあらすじ)を改訂したので掲載する。

監督:西谷弘 2022年

湯川学(福山雅治)帝都大学の天才物理学教授

内海薫(柴咲コウ)女性刑事

草薙俊平(北村一輝)警視庁捜査一課の刑事

並木佐織(川床明日香)被害者

並木夏美(出口夏希)佐織の妹。

並木祐太郎(飯尾和樹)佐織の父。菊野商店街の定食屋「なみきや」店主

並木真智子(戸田菜穂)佐織の母。

戸島修作(田口浩正)並木祐太郎の幼馴染。冷凍食品会社「トジマ屋フーズ」経営

増村栄治(酒向芳)蓮沼寛一の元同僚。蓮沼を居候させていた。

高垣智也(岡山天音)菊野市にある印刷会社デザイン部に勤務。佐織の恋人。

蓮沼寛一(村上淳)佐織殺害の容疑者。以前少女殺害事件で無罪となった過去がある。

宮沢麻耶(吉田羊)菊野商店街にある「宮沢書店」の店主

新倉直紀(椎名桔平)菊野市在住の音楽プロデューサー。佐織を歌手にするため力を注いでいた。

新倉留美(檀れい)新倉直紀の妻。

 

 2017年8月、東京都菊野市「キクノ・ストーリー・パレード」の「のど自慢大会」で、女子高生の並木佐織は緊張して『ジュピター』英語歌詞版を歌い始めるが、その歌声に審査員の新倉直紀・留美の夫妻は魅了される。観客も感動し、定食屋「なみきや」の父・並木祐太郎、母・真智子、妹・夏美も応援する。赤ん坊の佐織の世話をした戸島修作、幼い佐織に絵本を紹介した宮沢書店の店主・宮沢麻耶、CD店で出会った佐織の恋人・高垣智也も立ち上がって拍手する。

 新倉夫妻が佐織のスカウトに「なみきや」に来る。祐太郎は歌手になるのを反対し、真智子は、佐織の高校卒業まで待つように勧める。高垣は佐織のCDデビューを応援する。佐織はレッスンを受け、約束された未来があった。佐織の葬式が行われる。

 捜査会議で内海薫が事件の概要を説明する。「3年前の平成31年3月21日に佐織は行方不明になる。今年6月2日に静岡県牧之原市の蓮沼寛一の実家で放火と見られる住宅火災があり、焼け跡から並木佐織の遺体が発見された。なぜ、自宅から200kmも離れた静岡県で発見されたのか。頭蓋骨に陥没痕があり、火災以前に死亡したとみられる。焼け跡から蓮沼の母親の遺体も見つかった。蓮沼は佐織失踪当時に菊野市に住んでいた」

 捜査会議に草薙俊平が呼ばれてやって来るが、容疑者の蓮沼寛一の名前を見て、激しく嘔吐する。

 15年前の平成19年5月12日、本橋優奈12歳が行方不明になり、4年後に奥多摩山中で白骨死体が発見された。父・本橋誠二が経営する部品工場の従業員・蓮沼寛一が逮捕されたが完全黙秘を続け、1・2審で無罪になった。優奈の母・由美子は、判決後に飛び降り自殺した。草薙は蓮沼を有罪にできず、悔やんでいた。

 取調室で蓮沼を草壁が尋問し、内海が記録する。住んでいた江戸川区のアパートの部屋から、血の付いた作業着が発見され、佐織のDNAと一致した。それを見せても蓮沼は完全黙秘を続け「今度はどうなるんでしょうね」ととぼける。

 (タイトル『沈黙のパレード』。チーム・キクノのダンス)

 内海は定食屋「なみきや」の傍で、帝都大学の教授に昇格した湯川と待ち合わせする。

 湯川は最近、菊野市の磁気物理学研究所に通って超電導の研究をしていると言う。湯川が超電導とは何か説明を始め、内海が止める。

 ファミリーレストランで食事をしながら、内海は湯川に事件の概要を話す。「3年前の事件当時、蓮沼は菊野市の廃品回収会社で働いていた。行方不明の1か月半前、「なみきや」で蓮沼は佐織にお酌を強要してトラブルになっていた。佐織の遺体が見つかって逮捕されるが、物的証拠を見せても完全黙秘し、釈放された」

 草薙が並木家族に、蓮沼が釈放されたと知らせると、両親は憤る。

 内海が「蓮沼の父は刑事で、犯人を自白させたと自慢したはずで、蓮沼は事件を起こしても黙秘を続ければ、罪に問われないと学んだと思う」と話す。湯川は「蓮沼は警察が産み出したモンスターだ」と言う。内海は「草薙は前回の事件で蓮沼を有罪にできなかったので、佐織が死んだと自分を責めている」と話す。

 草薙は車で、蓮沼の張り込みをしていた。蓮沼は釈放された後、菊野市に戻り、3年前まで勤めていた廃品回収会社の倉庫管理事務所に同僚の増村が住んでいて、そこに居候していた。

内海が湯川に捜査の協力を依頼するが、湯川は「今回は、物理学者が力になれそうな事はない」と断る。内海は「血も涙もない」と言うと、湯川は「涙は血から作られるので、血と涙を並列する必要はない。僕には血がある。君の主張は間違いだ」と反論する。

 

1か月後。「なみきや」で常連客が食事し、湯川もいた。佐織の恋人で、印刷会社に勤務している高垣が、宮沢に「キクノ・ストーリー・パレード2022」のポスターを持って来て店に貼る。ポスターに興味を持った湯川に、宮沢は「仮装パレードです。今年は、地元のチーム・キクノが優勝するぞ。テーマ曲を新倉先生が作った」と教える。夏美は湯川に、一緒に行こうと誘う。

そこに蓮沼が店に入って来て、食事を注文する。店の雰囲気が変わり、父・祐太郎が「帰ってくれ」と言うと、蓮沼は「被害者は俺の方。犯人扱いで仕事を首になった」と文句を言う。

戸島が「お前が犯人だろう」と言うと、蓮沼は「ここにいるのは、犯人じゃないからだ」と言い返す。祐太郎が包丁を持ち出して蓮沼を追い返そうとし、高垣も蓮沼に掴みかかろうとするが、周りの人が止める。蓮沼は「名誉棄損で訴える。次に来るときは金の話だ」と言い残して帰る。

 「キクノ・ストーリー・パレード2022」当日。大通りではお祭の準備をしていた。宮沢は「2017」で「のど自慢」の前に緊張していた佐織を思い出す。高垣は「2018」で、彼がプレゼントした蝶のバレッタを付け浴衣姿の佐織とお祭りに来て、店から持って来た箱の上で観覧した事を思い出す。

 パレードが始まる。湯川の元に夏美が来て、店から持って来た箱の上で観覧する。エジプトのクレオパトラに扮した団体がダンスを披露する。

 1時になり、「なみきや」では一人の女性客が食事をしていた。真智子は「パレードが、始まっていますよ」と、時間を気にする。

 新倉留美も湯川、夏美達と観覧する。夏美に電話があり、店の客が腹痛で父と母が病院に運んだので、店番をしに家に戻る。

 チーム・キクノの『宝島』をテーマにしたパレードが始まり、審査員席の前で踊る。留美は「今年は優勝するかも」と手応えを感じる。次は幼稚園児達が、菊野商店街のマスコットの「キクノン」の巨大風船を引いてパレードする。

 公園で「のど自慢」が始まり、湯川は夏美の箱に座って観覧する。審査員席の新倉夫妻は、佐織が自宅でレッスンを受けていた事を思い出す。留美が元歌手だがCDを出すほどの才能がなかったと話し、直紀のレッスンを受けていたと知った佐織は、「先生と教え子の禁断の恋」とからかう。

  湯川に戸島が、チーム・キクノが何位でも「なみきや」で打ち上げをやると誘う。公園脇の道路をパトカーが何台も通る。

 廃金回収会社の増村と蓮沼が住んでいた建物で、蓮沼が死んでいた。内海と沢山の警官が捜査し、草薙も来ていた。内海は「死亡時刻は午後3~5時。発見者は増村」と報告する。

 取調室で増村を草薙が調べる。増村はパレード後にパチンコ屋に行ったと言い、防犯カメラにも映っていた。また「蓮沼が息していなかったので、びっくりして110番した。日頃は睡眠薬を呑んでいない」と証言する。

 並木家は、祐太郎と真智子は病院に行き、病院を出たのは4時半過ぎ。夏美は店番をしていたので、アリバイがあった。腹痛の女性は、病院に付いた途端に治ったと言う。

 内海に湯川から、蓮沼の件について聞きたいとメールが来る。湯川がいる研究所に草薙と内海が来て、「なみきや」での打ち上げの様子を聞く。チーム・キクノのメンバーが優勝の打ち上げをしていると、宮沢が来て「蓮沼が死んだ」と知らせる。それを聞いた並木家3人は驚き、訳が分からない様子だった、と湯川が話す。草薙が「並木家3人は、事件に関わっていると思うか?」と聞くと、湯川は「分からない。仮説を立て、実証して初めて真実がわかる」と答える。

 草薙は「死因は窒息死だが、首に絞められた跡も争った様子もない。血液から睡眠薬が出たが、蓮沼は常用していない。睡眠薬を飲んでいても呼吸が苦しかったら目覚めるが、手足には拘束した跡がない」と教える。

 湯川、草薙、内海は蓮沼が死亡した現場に行く。蓮沼は建物の奥の元物置にレジャーシートを敷き、マットレスと布団で寝ていた。湯川が入ると窓は無く、狭く、入口の鉄扉は外から鍵がかかるようになっていた。

 湯川は鉄扉の引手の金具を内海に外させ、「引き戸には秘密の小窓がある。例えば掃除機で酸素を吸い出す、のは不可能だが、何かを投入して酸素を減少させる」と言う。「例えば風船を入れる。または、ヘリウムガスを入れる。ヘリウムが酸素と置き換わって窒息死する。争った跡がないのも説明がつく」と話す。内海は「大げさすぎる」と言い、湯川は「犯人に特別な意図がある事になる」と言う。草薙と内海が「それは何か?」と聞くと、湯川は「さっぱり分からない。実に面白い」と応える。草薙は「検証してみる価値はある」と言う。

 「なみきや」に週刊誌記者が来て「あなたには動機がある」と迫り、祐太郎が追い返す。それ見ていた草薙も追い返す。

内海は湯川の研究所に来て「草薙は、並木が犯人でなくて欲しいと思っている」と話す。湯川も「僕だって、あの時と同じことを繰り返したくない」と話す。内海は「先生が仮説を立てた殺害方法が本当だったら、蓮沼に恐怖を与えるためだ。蓮沼を物凄く恨んでいる並木の家族の可能性がある」と話す。

 蓮沼が死んだ部屋で、警察の鑑識と湯川が実証実験を行う。高圧ボンベが運ばれ、蓮沼の部屋にマットレスと布団が敷かれ、人形を寝せる。やって来た草薙が内海に「何の実験だ?」と聞くと内海は「分かりません」と答える。

 湯川が説明する「その後、ヘリウムでなく液化窒素でも可能だと思いついた。液化窒素の沸点は-196度なので、一瞬にして気化する」と言って、鑑識が高圧タンクからパイプで、引き手金具を外した穴から液化窒素を注入する。室内にもやができ、湯川は「水蒸気が冷やされて水滴になったため」と説明する。鑑識が酸素濃度を測定し、「酸素濃度8%以下で死亡する」と説明する。

 高圧タンクの20リットルの液化窒素を出し切って実験は終了し、酸素濃度は致死濃度の0%に減少した。酸素濃度が戻ってから、マットレスと布団を取り出し、外で重さを計測する。湯川は「水滴を吸収して、実験前より100g増えた。現場の状態に近い」と話す。夏美が自転車で通りかかって、その様子を見る。草薙は「犯人は液体窒素を使える人間か?」と聞く。 

 草薙と内海と警官は、冷凍食品会社「トジマ屋フーズ」の工場を家宅捜査し、液化窒素が帳簿より20リットル少ない事が分かる。

 祭り当日の防犯カメラの映像から、戸島はライトバンで会社を出て、10分後に祭り会場に着いたことが分かった。ライトバンに液化窒素のボンベを積んで、10分で犯行現場に行って戻って来る事は不可能だった。草薙は、誰かが戸島から引き継いで、現場まで液体窒素のボンベを運んだと考え、祭り当日の防犯カメラの映像を見直すように捜査員に指示する。

 捜査員全員で2日間、映像を調べるが、何もわからなかった。内海は野外実験中の湯川に「誰がどうやって液化窒素を運んだのか分からない」と話す。湯川は「視点を変えて見ろ」とアドバイスする。内海は、巨大な「キクノン」のバルーンに詰めたヘリウムを、パレード後に犯行現場まで持って行けば、と推理する。湯川は「面白い」と言い、チーム・キクノの映像を見せる。

 草薙、内海達は、チーム・キクノの道具を置いている倉庫を家宅捜査する。宮沢は「蓮沼は死んで当然。犯人探しに協力したくない」と非協力的だった。小道具の宝箱は中が空洞だった。宮沢は「安定させるために、重りとして水のペットボトルを入れておく」と説明する。

 内海は防犯カメラの映像を見つけ、パレードのゴール地点の小学校の駐車場で、宝箱の中に入っていた大きな箱を、台車に乗せて運んでいた高垣から話を聞く。

 高垣は、佐織が行方不明になった夜に、佐織が「歌を辞めようと思う。私の一番は、とも君とずっと一緒にいる事」と言った。高垣は「デビューするのが怖くなったの?」と反対する。佐織はレッスンに行く。高垣は「それが佐織と話した最後でした。何でちゃんと話を聞いてあげなかったのだろう」と話す。

  内海が「蓮沼を恨みましたか?」と聞くと、高垣は「そんなつもりで計画に加わったんじゃない」と言う。「何を運んだの?」と尋ねると「液化窒素のボンベ。車で蓮沼の家に運んだ。俺はやっていない。蓮沼を懲らしめるだけと聞いたので参加した」と話す。内海は「計画したのは誰?」と聞く。高垣は「真相が明らかになって、誰かが傷ついたら、警察は守ってくれますか?」と尋ねる。内海は「これ以上誰も傷つけたくない」と答える。

 戸島が「彼が言っているなら、そうでしょう」と言う。草薙「液化窒素に詳しいので、最初から殺すつもりだったのでは?」と聞く。戸島は「あなたの悔しさは、私達とレベルが違う」と話す。草薙が「殺人は犯罪です。死を宣告できるのは司法だけ」と言うと、戸島は「出来なかったじゃないですか。警察は信じない」と怒る。草薙は悩む。

 記者が草薙に「遺族が関係していた?」と聞き、草薙は「答えられない」と突っぱねる。

湯川が来て草薙に「戸島は実行犯にはなれない。他に計画に加わった者がいる」と話す。草薙は「多くの人が蓮沼を憎んでいる」。湯川「宝箱に液化窒素ボンベを入れたのは誰?殺害を実行したのは?これは複雑なパズルで、最後のピースは過去にしか存在しない」と話す。草薙は本橋優奈事件で、蓮沼を非常階段で逮捕した事を思い出す。

 草薙は増村に「蓮沼に睡眠薬を飲ませる事ができたのも、引き戸の金具を外せるのも、お前だけ。蓮沼を恨む理由もあった。15年前の本橋優奈事件で母親の由美子が自殺したが、お前の父親違いの妹だった」と、増村の母の戸籍を見せて聞く。増村は「妹はいない」と言う。

 草薙が「増村は過去を全て捨てた。復讐のために」。内海「最後の1ピースの増村が実行犯でないとしたら?」。草薙「並木祐太郎にもう一度聞こう」と言う。

 閉店中の「なみきや」に湯川が来る。湯川は祐太郎に「警察は様々な事を解明している。戸島が並木に無断で計画したとは思えない。あなたが計画に関わっていたと考えるのが自然」と話す。

 蓮沼が「なみきや」に来た後、増村が来て「蓮沼は以前にも人を殺したが罪を逃れた」と話す。

 並木は戸島に「本当の事を知りたい」と言う。戸島は「もし、佐織を殺したと言ったら、本当にボンベのバルブを閉める事ができるのか?」と聞く。

 湯川に並木に「本来は、並木が蓮沼の家に行くはずだったが、店の女性客が腹痛を起こして病院に連れて行ったため、計画は中止になった」と話す。「代りに蓮沼を殺害したのは誰か?」と尋ねる。並木は「私が喋ったら、懸命に沈黙を続けている仲間に顔向けできない」と話す。

湯川に草薙から「新倉が出頭した。死亡させたのは自分だと」と電話が届く。それを聞いた真智子は気を失う。

 新倉直紀の自供「並木から、蓮沼を部屋に閉じ込めて脅して白状させると聞いたので、私ものった」。草薙「液体窒素で脅すのは誰だった?」。直紀「並木です」。草薙「あなたの役は?」。並木「液化窒素のボンベを戸島から受け取り、パレードのスタート地点で宝箱に入れる事。ところがパレードが終わって戸島から中止の電話が来た。「のど自慢」まで時間があったので、私がボンベを回収に行った。そこで気が変わった。佐織は本当の娘の様で大切な夢だった。あいつに本当の事を言わせるチャンスは今しかない。ボンベを動かした音で奴が目を覚まし、私が穴から液化窒素を流すとパニックになった。『佐織を殺したのはお前か?死にたくなかったら喋ろ』と脅すと、蓮沼は『夜、一人で歌の稽古に行く佐織を見つけて、西菊野児童公園に引きずり込んで乱暴しようとしたら、抵抗されて殺した』と自供した。気が付いたら蓮沼は死んでいた」と話す。

 戸島は新倉から聞き、並木に「蓮沼がとうとう本当の事を言った。良かったな。あんな奴、死んで当然だ」と言う。

 草薙は「どうして殺したのですか?」と机を叩いて悔しがる。

記者会見が行われる。湯川の研究室に内海と草刈が来る、湯川は「そのストーリーで送検するのですか?本当に納得しているのですか?」と尋ねる。草薙は湯川に「もう喋るな」と掴みかかり、帰る。

 湯川の研究室に内海が来て「事件は解決した」と言う。湯川は「新倉の自供は真実か?蓮沼が簡単に殺害を認めたと思うのか?」と聞く。内海は「当日夜、西菊野児童公園で女性が揉めている声と資材が崩れた音を聞いた証言がある」と話す。湯川は「新倉がこのキーワードを知っていたら?」と聞く。

 湯川は雨の中、西菊野児童公園に行き、スマホで当時の写真と比べる。

 事件現場で、新倉の実況見分が行われる。内海に湯川から「調べて欲しい事がある。草薙には黙ってほしい。僕にも質問しないで」と電話がある。

 湯川は新倉家に行き、直紀の妻の留美に会う。湯川は「佐織の事件で決定的証拠が見つかっても、蓮沼が沈黙を続けられたのは、佐織を殺したのは自分ではないから。真犯人を知っていた。佐織の遺体を実家に運んで、死体遺棄罪の時効の3年が過ぎてから、実家に火を放って佐織の死体が見つかるようにした。血が付いた服を処分しなかったのは、自分が逮捕されるため。真犯人を知っているぞと言うメッセージだ。蓮沼は真犯人に接触した。あなたですね」と言う。

 留美は次のように話す。「児童公園で、佐織が歌手にならないと留美に話した。留美は「高垣さんに何か言われたの?」と聞くと、佐織は「私、妊娠しています。智也君と結婚します」と言う。留美が「先生の夢はどうなるの?」と止めると、佐織は「留美さんは私に嫉妬している。歌手になれなかったから」と言う。怒った留美が佐織を突き飛ばすと、工事用に積んであった鉄パイプに佐織の頭が当たって、死ぬ。留美は驚いて現場から逃げ、跨線橋の金網を登って自殺しようとするが、現実に戻る。公園に戻ると、佐織の死体は無くなっていた。その後、蓮沼から金を何回も要求された。並木と戸島から蓮沼を殺す計画が持ち掛けられたと、留美に直紀が告白する。留美は全てを話し、警察に自首すると言うが、直紀が止める。直紀は『俺はお前を守る』と留美に話す」と言う。

 湯川は研究室に来た内海に「新倉は蓮沼を殺害しようと決意した。戸島が持ちかけた計画に乗り、並木の代わりに自分が殺害しようと考えた。具合が悪くなった女性は新倉が雇った。計画は中止になった。増村が蓮沼に睡眠薬を飲ませて眠らせ、扉の金具も外した。新倉は躊躇なく蓮沼を殺害した。蓮沼が死んだ後、新倉は部屋に入り、睡眠薬が入ったビール缶を回収した」と話す。

 湯川は留美に「まだ真相にたどり着いていない」と言う。「蓮沼の作業着の血痕はいつ付いたか?内海に調べてもらったところ、児童公園には血痕がなかった。蓮沼が佐織を車に乗せて、移動中に佐織が意識を取り戻した。佐織の頭蓋骨陥没は、蓮沼が殴って殺したからだ。留美は児童公園に落ちていた佐織のバレッタを大事に保管していた」と話す。内海は「バレッタには血が付いていないと分かれば、留美が殺したのでないと言う証拠になる」と理解する。湯川は「草薙に話したい」と頼む。

 湯川は以上の話をし「バレッタを調べろ」と草薙に話す。草薙は「佐織を殺したのは自分だと思っている妻は救われる。しかし、新倉は蓮沼に殺意を持っていたという事になる」。湯川は「新倉も沈黙するかも。出来るのはここまでだ。15年前から、多くの人間が今も苦しみ続けている。君も含めて。決着をつけるのは、苦しんだ当事者だけ」と言う。草薙は留美を訪問する。

 草薙は、新倉に「バレッタから血液は出ませんでした。佐織を殺害したのは蓮沼の可能性が高い。あなたが沈黙を破って、蓮沼を殺害した本当の事を話せば、妻は救われる。警察は蓮沼が佐織を殺害したと立証することを約束する。新倉さん、このまま沈黙を続けますか?」と訴える。

 新倉は殺人罪で起訴。留美は傷害罪。増村は殺人幇助になるが、今は清掃員として働いている。並木と妻の真智子は送検見送り。戸島は新倉の行為を知らなかったので、共犯にならない。高垣も共犯にならない。高垣と夏美は、佐織の墓参りをする。高垣の肩に蝶が留まる。宮沢は関与していない。

 湯川は研究所を引き上げ、荷物をトラックに積んでいた。内海は「草薙は仕事をしています。湯川先生に、親友に感謝していると思います」と話す。湯川は「そうか」と微笑む。

(エンドクレジット。主題歌KOH+『ヒトツボシ』歌:柴咲コウ)

(『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』の名場面)

(写真は「IMDb」「映画com」「公式Twitter」より)