映画『変な家』ネタバレの感想 間取りの推理は感心したが変な所が一杯 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 3/5 ☆☆☆★★

 小説版は読んでいないが、ネットで『オモコロ』の、小説版の前半に当たる「『不動産ミステリー』変な家」を読んで、家の間取りから色々な事が分かるのだと感心した。その映画化と言うので鑑賞した。

 柳岡の妻は台所とリビングの空間を気味悪がったそうだが、普通なら棚か何かだろうと見過ごすのに、凄い注意力である。普通なら間取りを見て、窓のない子供部屋に真っ先に違和感を覚えるはず。夫婦で内覧に行っているので全部の部屋を見たと思うが、子供部屋の床の傷を異様に感じなかったのだろうか?

 雨宮は、1階と2階の平面図を重ねると、1階の台所の謎の空間は、2階の子供部屋の棚から2階の浴室に重なっている事に気づく。それを見た栗原は、2階の子供部屋から謎の空間に降り、そこから浴室に行けるのではないかと考える。この考察力は凄い。さらに、子供がこっそり浴室に行って客を殺し、死体をこっそり子供部屋に運び、さらに子供部屋の下の車庫に死体を運んだのではないかと推理する。

 これは飛躍しすぎだと思う。わざわざ死体を2階浴室から梯子で1階謎の空間に降ろし、また梯子で2階子供部屋へ上げ、1階車庫へ梯子で降ろす、そんな面倒な事をするのだろうか?浴室から車庫に直接運んだ方が簡単なのでは?それに、犯罪に関係するなら、わざわざ図面には出さないだろう。

 ところで映画の家の図面をよく見たら、子供部屋の左側の棚は、車庫の真ん中近くに重なる。つまり、棚の下に車庫に通じる穴があったら、駐車している車の真上に穴が開いている事になる。車の屋根に死体を落とすのだろうか?死体を車庫に降ろすと言う推理が成り立たない。

 どうも腑に落ちなかったので『オモコロ』の図面を見たら、車庫の位置など家の間取りが違っている事に気づいた。パンフレットを見たら、映画に登場する家の外観に合わせて図面を書き直したので、そうなったらしい。外観の家も原作の間取りに合わせて、セットかCGで作ればよかったのではないだろうか。

 さて、雨宮と柚希はその家に侵入し、動画を中継で配信する。臨場感にあふれ、子供部屋に入る場面ではどんな部屋が現れるかドキドキした。子供部屋は床に引っ掻き傷が無数にある異様さで、棚を動かすと栗原が推理したとおり、下に通じる穴と梯子があったのに驚いた。雨宮に栗原から電話が来たため、その穴は本当に1階の謎の空間に繋がり、浴室に行けるのか、検証できなかったのが残念。

 ところで、中古住宅として売るならリホームするはずだが、床の傷は直さなかったの?また、謎の空間から浴室の床を開けて侵入する場面があったが、水が下の空間に流れて水浸しになるのでは?

 それに、不法侵入は犯罪だよね。不動産屋に家を見たいと言って、鍵を借りればよかったのでは?しかもその不法侵入を生配信しているので、それを見た誰かが警察に通報したら、2人は逮捕されるよ。

 雨宮の家に出現した女性は怖かった。でも、それは喜江が被った面だった。幻覚はいつ飲ませたの?面を自宅の部屋に置きっぱなしにするかなあ?村人全員も面を被っていたが、大量生産していたの?

 後半の片淵本家の人々が不気味である。でも、「左手供養」はどう考えても胡散臭い。よく片淵家の人は信じたものだ。それに10年間、日の光を浴びなかった少年に3年連続して人を殺させ、それを36年ごとに行っていた、と言うのはあり得ない。開かずの襖が変だと思ったら、緊急避難の隠し部屋だったのは感心した。部屋の広さの違いからバレそうな気がするが。

 喜江が「左手供養」のために、ホームレスを殺していたとは恐ろしい。洗脳は終わっていなかった。

 最後、雨宮のアパートにも謎の空間があって「変な家」だったと言う終わり方は、いかにも取って付けたような感じで、感心しない。誰が何のためにその空間を作ったの?引っ掻く音がしたが、中に誰かがいるの?蛆虫がいるので、腐った死体があるの?臭いはしないの?その空間から喜江が侵入したの?

 と言うように変な所が多数あり、評価は「3」である。