『マイホームヒーロー』テレビアニメ ネタバレの感想 娘を守る究極の親子と夫婦愛(?)の物語 | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

評価 4/5 ☆☆☆☆★

 2024年3月8日より映画『マイホームヒーロー』が公開される。映画はテレビドラマの続編だそうで、ちょうどTverでテレビドラマ『マイホームヒーロー』全10話を配信していたので見た。非常にスリルがあって面白かった。そしたらamebaでもテレビアニメ『マイホームヒーロー』全12話も配信していたので見た。なお、原作の漫画は読んでいない。

 ドラマもアニメも同じ原作を元にしているので、当然ながら全体としての物語は同じである。ただし、ドラマはロケやセットや俳優の都合があるが、アニメの方は自由度があるので原作の漫画のストーリーに近いようである。

例えば、アニメの第4~5話で龍健組と王虎隊の取引に、竹田に命令された恭一と哲雄が車で特攻する。ドラマでは、第4~5話でアジア系マフィアに、恭一と哲雄が偽麻薬で取引する場面に変更している。結局、その取引の物語の進行には関係なく、その時の死体を竹田が脅して哲雄に処理させ、その場面を動画で撮って哲雄を脅す材料にしただけだった。そのため、ドラマは撮りやすい様に変えたのだろう。

またアニメの第10~11話では、零花の部屋で息子が殺されたと知った義辰と哲雄が激しく殺し合いをしていると、騒音の通報で駆け付けた警官がやって来る。もし警官がドアを開けたら哲雄が殺人をしているとバレる非常にスリルのある場面である。ドラマの第10話では、息子の死に絶望した義辰が自分の腹を刺して自殺する。ドラマは時間短縮のためだろうか?スリルのある場面が無くなったのが残念である。

また、アニメでは響が延人の古い携帯をこっそり哲雄に渡すなど、活躍しているが、ドラマではキャバクラだけの登場だった。このほかにもセリフの違いなど、アニメとドラマの違いはある。

しかしアニメもドラマも、娘零花を殺そうとする半グレ集団の男延人から娘を守るために父親の哲雄が男を殺し、父親の犯行をバレないように母親の歌仙が協力する。さらに延人を哲雄が殺した疑う仲間の恭一が、執拗に哲雄に迫る。哲雄は推理小説マニアの知識を生かして死体を処理し、逆に恭一に延人殺しの罪を擦り付けようとする。実にサスペンスにあふれた内容になっている。

まず、哲雄の推理小説の知識に感心する。死体を煮たり、生ごみ処理菌で肉を土に返すと言う方法に感心する。その説明はドラマよりアニメの方が詳しかった。歌仙が哲雄に「人を殺すのは初めて?」と聞くほどの手際の良さに感心する。

また、哲雄は見つけた盗聴器を使って嘘の情報を流す。恭一のパソコンにキーログを仕掛けてメールアドレスを知り、メールから恭一の住所を調べる。友人に頼んで、延人が生きていると思わせる偽動画を作って投稿する。GPS入りの封筒を手下に運ばせて、恭一の家を知る。帽子と鞄にマイクとスマホを仕組み、歌仙に状況を知らせる。というように、その知識と策略にも感心した。

でも、哲雄は恭一に見張られて動けないので、トリックを成功させられたのはこの歌仙の協力のおかげである。そもそも、殺人を隠蔽する事にしたのは、歌仙が「私達が延人と同じ事(延人が殺した女性を山中に埋めた)をしてもバレないんじゃない」と言ったからだ。死体を隠そうとあっさりと言う歌仙こそただの主婦とは思えず、「死体を隠すのは初めて?」と疑いたくなる。

スリルがあり、娘を守る究極の親子と夫婦愛(かな?)を描いているので、評価は「4」である。

2024年3月8日公開の映画『マイホームヒーロー』はドラマの続きで、山中に埋めた義達の死体が発見され、警官になった零花が捜査する話らしい。娘を守るために殺人を犯した哲雄が、娘に追われるとは何とも可哀そうである。どんな展開になるのか、映画の公開が非常に楽しみである。