『アラジン 実写版』ネタバレの感想 アニメ版よりずっと良くなった(再掲) | アンパンマン先生の映画講座

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2024年3月1日に「金曜ロードショー」で実写版『アラジン』が放映されるので、2021年5月の公開当時に掲載した「ネタバレの感想」を再掲載する。

 評価 3/5 ☆☆☆★★

 『アラジン』アニメ版(1992年)は、面白くしようとしているのだろうが、ふざけた場面が多く、国王は頼りにならず、ジャファーは典型的なドジな悪者である。良く言えば子供向けの映画、悪く言えば子供騙しの映画だった。アニメーションは子供向けなので面白ければいい、と言う考えで作られたような気がする。

 それに対し『アラジン』実写版(2019年)は、ジーニーのおふざけは相変わらずだが、全体的に大人の鑑賞に堪えるものになっている。CGによる映像が豪華絢爛で綺麗であるのも見どころである。ウィル・スミスがジーニー役なのが心配だったが、CGの青い肌でちゃんと魔人らしく見える。

 実写版では特に、ジャスミンが国王になって、国民のための政治をしたいと言う、自分の考えを持つ女性として描いている所が良い。最初は父の国王から「女性の国王はずっといなかった」と相手にしてもらえなかったが、最後には父から国王の座を譲ると言われる。最近の女性の社会進出や男女平等の考えが反映されている気がする。

 実写版には、ジャスミンが歌うソロ曲『スピーチレス~心の声(Speechless)』が追加されている。アグラバー王国の美しき王女でありながら、規則に縛られた宮殿での生活から外の世界へ飛び出し、「自分らしく生きたい」と願う自身の溢れる感情を歌い上げているのがとても良い。

 また、ジャスミンの服装がアニメ版だと肩とへそが出ているが、実写版では全身を覆っている。ジャスミンに求婚するジャファーの年齢が若くなっている。アラジンが逃亡している中で、逃げ込んだ部屋で出会う女性が、アニメ版ではへそ出しのダンサー風なのに対し、実写版では女学生に変更されている。これらは、アニメ版では女性の性的な面を強調していたが、子供向けの映画の描写としてふさわしくないとディズニー社で考えるようになったためだろう。

 挿入歌の歌詞も変わった。アニメ版ではアラビアを野蛮な国と描写している歌詞があったが、変更になった。奴隷の言葉もなくなった。

 金を払わずに店の食べ物を子供に与えたジャスミンをアラジンが店主から助ける時に、アニメ版ではジャスミンに精神異常の振りをさせたが、実写版ではその描写は無くなった。

 アニメ版公開の1992年から実写版公開の2019年まで27年も経って、女性を見る考え方、発展途上国への差別、障碍者に対する差別、などがだいぶ変わったと思える。逆に、1992年では子供向けのアニメ映画でも許されていたとは、考えさせられる。

 実写版では冒頭の場面が、自由になって人間になったジーニーが、二人の子供達に「アラジンと王女様とランプの物語」を話して聞かせる。この始まり方もなかなか面白い。冒頭では母親の顔を見せないが、最後にジーニーが結婚した、ジャスミンの侍女のダリアだと分かる。ほのぼのして、なかなか良い始まり方と終わり方である。

 アニメ版と実写版の詳しい違いは別記事「『アラジン』アニメ版と実写版の違い」を見て欲しい。評価は「3」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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