『マイホームヒーロー』テレビドラマのネタバレの詳しいあらすじ(第6~最終10話) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

主な登場人物:読み(俳優)役柄

【鳥栖家】

鳥栖哲雄:とす てつお(佐々木蔵之介)おもちゃメーカーの営業職の会社員。推理小説マニア。

鳥栖歌仙:とす かせん(木村多江)哲雄の妻で零花の母。実家は総資産80億の呉服屋「和服の鳥栖」。

鳥栖零花:とす れいか(齋藤飛鳥)哲雄と歌仙の一人娘で大学1年生。上京後は一人暮らし。

【間野会】

麻取延人:まとり のぶと(内藤秀一郎)義辰の一人息子で零花の彼氏。気性が荒く、暴力を振る。

間島恭一:まじま きょういち(高橋恭平)間野会のリーダー格。延人の失踪を調べる。

麻取義辰:まとり よしたつ(吉田栄作)間野会の上層部で延人の父親。延人に異常な執着を持つ。

窪:くぼ(音尾琢真)竹田や間島を束ねる間野会の中心核。殺しと犯罪のプロ。

竹田:たけだ(淵上泰史)間野会の中堅メンバー。

 

第6話

 鳥栖哲雄と歌仙の偽装動画作戦は失敗。哲雄は「組織一番の危険人物・恭一に罪を被せるしかない」と考える。そのためには恭一の住所が必要だった。哲雄は、帽子に隠した古い携帯の音声を、歌仙のパソコンに送れるようにしていた。竹田のアジトでの会話を、歌仙が聞いていた。

 恭一は「響から延人の話を聞いてすぐ、都合よく上げられたフェイク動画。哲雄が関わっていても不思議じゃない」と思う。恭一は哲雄の家に行くと言う。哲雄は歌仙に電話し、買い物に行ってもらう。

 恭一は哲雄の家に来ると、寝室にある哲雄のパソコンを調べるが、偽動画はタブレットの中にあった。恭一は、前に侵入したときに哲雄が隠した、寝室に置かれた何も植えていない植木鉢に違和感を覚える。恭一は哲雄に庭で植木鉢をひっくり返させる。肉片は土に返っていたが、延人の髪の毛が1本入っていた。恭一が気付くか哲雄がハラハラしていると、歌仙が買い物から帰ってきて、恭一は気を逸らされる。

 歌仙はコーヒーを出し、牛乳に下剤を仕込んでいた。恭一がトイレに言っているうちに彼のパソコンを見るが、一度ずつログアウトする仕組みになっていた。そこで哲雄は、恭一のパソコンにキーボードに打ち込んだ文字を記録させるキーロガーを仕込む。哲雄のコーヒーにも下剤が入っていて、哲雄は庭で用を足す。

 そこに零花が家に帰って来る。恭一が零花に「彼氏が行方不明なんですか?」と聞く。恭一はパソコンを持ってトイレに再び入り、メールを送る。哲雄は携帯で、恭一が押したキーを読み取り、メールのIDとパスワードを読み取る。

 歌仙は恭一のメールアドレスにログインする。その中に「鳥栖家について」というメールがあり、「延人を殺して海に捨てたと、哲雄を犯人役に仕立て上げ、拷問の末殺す。期限は明日金曜19時」という内容だった。歌仙は恭一の住所を見つけ、慌てて出かける。

 恭一は「あなたの両親は隠し事をしている」と書いたメモを、零花に残していた。

 恭一は哲雄と、零花のアパートに行く。恭一は仲間に「今すぐ買ってきてほしいものがある」と電話する。

 歌仙は恭一の実家に行く。哲雄から、偽動画が入ったタブレットと、延人の遺骨を恭一の実家に仕掛け、恭一を犯人に仕立てると言う指示があった。

 歌仙は恭一の母親に「応募した懸賞が当選して商品券を届けに来た」という。歌仙は母親にインタビューし、プレゼントは後日発送すると話す。母は「昔主人と大衆食堂をしていたが、暴力団が現れて精神的に追い詰められて辞めた。息子は金が貯まったら、父の店を一緒にやろうと一生懸命に仕事している。あの子のために生きていて良かったと思える」と話す。歌仙はこの人の息子を殺して良いか、悩む。

 零花は恭一に「隠し事って何ですか?」とメールする。恭一は「彼氏の行方不明について。直接話したいので、今から会いませんか」と連絡を取る。歌仙は携帯で恭一のメールを見て、零花が恭一に連絡したと知って驚き、電話するが、零花が切る。恭一は零花に、近くのファミレスで会うように伝える。

 恭一は、哲雄の腕を手錠でドアに繋いで出かけ、スマホの位置情報と盗聴アプリも生かしてあると釘を刺す。

哲雄に歌仙から「零花が恭一と連絡を取って、今から会うみたい」とメールが来る。

 

第7話

 零花は恭一が指定したファミレスに向かう。

 哲雄は手に石鹸を塗って手錠を抜け出した。歌仙は、メールにあった住所は恭一の実家で、母親も住所を知らないと教える。恭一のメールを見た哲雄は、歌仙に証拠セットとGPSを持って、こっちに来るように頼む。哲雄は封筒にGPSを仕掛け、歌仙のスマホで位置を見られるようにし、零花のポストに入れる。哲雄は恭一の振りをして仲間に「零花のポストにある封筒を、俺の家のポストに運んでくれ。報告不要」とメールしていた。これで恭一の家が分かると言う。

 恭一の仲間が来て哲雄の封筒を回収し、封筒を入れていく。その封筒の中には、血痕や指紋が浮かび上がるALSライトが入っていた。これで零花の部屋を照らすと、犯行がバレるので、封筒を回収する。

 哲雄が零花の所へ行こうとするが、恭一に姿を見られたらどうすると、歌仙が止める。歌仙は「私が零花を助ける」という。

 哲雄は恭一のアパートに行き、ポストから部屋を知る。推理小説で見た方法で部屋の鍵を開けようとするが、ピッキング防止をしているのか、上手くいかない。屋上からも侵入は無理だった。

 指定された場所に行こうとする零花を、歌仙が呼び止める。零花は歌仙と一緒に帰る。

 哲雄に歌仙から「零花は家に連れ戻した」とメールが来る。恭一が零花の部屋に戻る前に、哲雄が戻らなくてはならず、哲雄は急ぐ。

 恭一は零花のポストから封筒を取り、零花の部屋に戻ると、哲雄が手錠に繋がれていた。恭一は「延人はこの部屋で死んだのではないか」と部屋、トイレ、風呂場をライトで照らすが、何も出なかった。

 哲雄はホームセンターに行き、ブラックライトを買ってALSライトとすり替えていた。恭一が仲間に「本当にALSライトか?」と電話すると、仲間は「本当だ。頼まれた封筒も届けた」と報告する。恭一がパソコンのメールを確認すると、確かに指示メールがあった。

 哲雄は「恭一が怪我でいなかった時に、延人の件で竹田が恭一を疑っており、こっそり調査しているみたいな事を話していた。パソコンは組織の物なので、何か仕掛けられていたのでは」と出鱈目を言う。恭一は「竹田だとして俺に届けさせた物は何が考えられる?」と聞く。哲雄は「恭一を犯人役に擦り付けるための証拠品とか」と答える。恭一は「ありえる」と考え、哲雄は「きっとこれが最後のチャンス」と考える。哲雄が「部屋に何か仕掛けられたかも」と言うと、恭一は「部屋は侵入できない」と言う.。哲雄は「鍵をコピーしたかも」と不安をあおる。恭一は「見に行く。お前も来い」と哲雄を連れて行く。

 哲雄は恭一と部屋に入り、証拠セットを隠そうとするが、恭一に隙が無い。寝室のクローゼットには金庫があると言って触らせない。哲雄は「金庫も調べた方が良い」と進言し、恭一は哲雄に後ろを向かせ、4桁のテンキー式金庫を開ける。恭一は「何でそんなに必死なんだ。俺が犯人に仕立てられたら得するのでは?」と疑問を持つ。哲雄は「竹田を阻止できたら、僕を信じてもらえるのじゃないかと思って」と誤魔化す。恭一は「犯人はお前だ」と言う。哲雄は「なぜ、どうして僕を犯人だと」と聞く。恭一は「力が強い奴が正しい。だから俺は組織に入り力を付けた。お前と組むことはない」と言う。哲雄は「明日、恭一花木のどちらかが死ぬ」と確信する。

 

第8話

自分の部屋で恭一は哲雄に「お前が犯人である証拠をつかんで、死んでもらう。今度こそ俺は正しいと思う事をやる」と言う、

「正しい事」と聞いた哲雄は、子供の頃を思い出す。哲雄の父は真面目な警察官で、哲雄に「俺は市民に寄り添って、心の拠り所になれるような、正しい仕事がしたい」と話していた。しかし、父と母は交通事故に巻き込まれて死んだ。父は後続車を停めようと、発煙筒を取ったところで死んだらしい。誰かを助けるために正しい事をしようとした父を、哲雄は誇りに思った。

哲雄は恭一に「今言った、正しい事って何ですか」と聞く。恭一は「俺は、お前が延人を殺したと思う。証拠を突き付け、自白を引き出してから殺す。それが俺の正しい事だ」と答える。哲雄は「娘から父親を奪う事が正しい事なんですか?」と聞く。恭一は「お前、いい度胸しているな」と感心する。

腹が減ったので、哲雄は恭一に「最後の晩餐」を提案し、恭一が料理を作る。哲雄は「殺されるようなことがあったら、事故か自殺に見せかけて下さい。自分が原因で父親が殺されると零花が思わないように」と頼む。恭一は、自分の父親が飛び降り自殺したことを思い出し「分かった」と答える。

恭一が作ったオムライスを、2人で食べる。金曜になった。哲雄たちの運命を決める1日が始まった。

竹田のアジトに恭一と哲雄が行く。哲雄はトイレの中から歌仙に電話し、隠していた偽証拠セットを回収したことを確認し、ある要件を頼む。歌仙は、哲雄が無事だったら、週末に家族3人で旅行に行こうと提案する。

朝になる。館田たちのパソコンに「無能なヤクザたちへ」とメールが届き、「俺は1年前、組織の金を奪う計画に乗った一人だ。首謀者は延人と恭一で、分け前は2人で独占した。これで、延人殺しの犯人が誰かわかるよな?」と書かれていた。竹田は仲間に延人の部屋を調べさせる。

そのメールは哲雄が作り、歌仙が送ったものだ。響から「延人が組織の金を奪い、仲間が高跳びした」という情報を元に、無関係な恭一に疑いを向けさせた。

竹田は哲雄を呼び「昨日は恭一と何をしていた」と聞く。哲雄は「恭一のマンションに行った。警戒している様子で、盗聴器や監視カメラを一緒に探した。竹田が仕掛けているかもと言って、金庫の周辺を念入りに調べていた」と嘘を言う。竹田が「金の話をしていなかったか?」と聞き、哲雄は「1年前に大きな金が入った事くらい」と答える。

竹田は恭一に「今からお前の家に行く、お前には組織の金を奪った件と、延人殺しの容疑がかかっている。さっき匿名の告発メールが届いた。それを確かめる。鳥栖には証人として来てもらう」と話し、哲雄にも「さっきの証言が嘘だったら、ただで済ませない」という。

恭一のマンションに竹田たちが着き、窪もやって来る。恭一の部屋を竹田達が調べる。

竹田が延人の部屋に行った仲間に電話すると、延人の部屋からは、組織から盗んだ大金が出てきた。

竹田は窪に、延人の部屋から奪われた組織の金が出たと報告する。窪は恭一に金庫を開けさせる。金庫の中には大金があったが、番号が一致しなかった。恭一は自分で貯めた金だと言う。

竹田が金庫の奥にあった紙袋の中身を出すと、骨とタブレットが出てくる。竹田は「恭一と延人が組織の金を奪って、仲間割れの末に延人を殺した」と結論付ける。窪は骨が延人の物かの確認と、タブレットの解析を指示する。

 恭一は「竹田が金庫を開ける振りをして、紙袋を隠した」と言い、哲雄に「お前がしくんだのか」と喚くが、聞く者はいない。

 延人の歯形と骨の歯形が一致した。恭一が「俺はハメられたんです」と言うが、窪は「誰かにハメられたとしても、お前が無能だったと言う事だろう」と、取り合わない。

 以前、窪は恭一に「組織に裏切り者か無能がいるとして、どっちが助かると思う?」と聞く。恭一は「裏切り者は論外だし、無能も足手まとい。どっちも切る」と答える。窪は「ちょっとは分かってきた」と感心する。

 竹田は「全部忘れろ。誰かに漏らしたら殺す」と言って哲雄を帰す。哲雄は「恭一、あなたは正しい。全てを仕組んだのは僕だ。あなたは延人を殺していないし、組織を裏切ってもいない。頭が切れて、夢も力もある。ただ、あなたは一人だった。だから僕たちは勝てたんだ」と独白する。

 

第9話

 濡れ衣を着せられた恭一は、竹田達を振り切って自分のマンションから逃亡する。

 哲雄は歌仙に「ありがとう。終わりました。最後に見落としがないか、零花の部屋を確認してから家に帰ります」とメールする。

 恭一の部屋に証拠セットを置いたのは歌仙だった。哲雄が屋上で見つけた緊急避難口から、深夜に歌仙が縄梯子で下の階のベランダに降り、仕切り板に縄梯子を掛けて越えて、恭一の家のベランダから部屋に侵入した。寝室の部屋の金庫のテンキーにALSライトを照らすと、指紋から押したキーが「1・2・9・0」だと分かる。歌仙が恭一の実家で見た、父親の位牌に書かれた命日の2月19日の「0219」を押すと正解だった。歌仙が金庫の奥に、証拠セットの紙袋を入れた。

 恭一は建物の屋上に逃げ、緊急脱出口から下のベランダに降りて、追っ手をまく。恭一はベランダとベランダの間の仕切り板の上部に不審な傷を見つける。ベランダの鍵が開いており、誰かが侵入したと気づく。部屋に戻り、隠していた非常用の金を取る。金を非常階段から金を撒き、集まった市民に竹田達が強盗だと言って逃走する。

 恭一は誰かが自分をはめるためにベランダに侵入したと思う。哲雄はずっと恭一と一緒にいたので無理だが、共犯者がいたと気づく。恭一が「最後の晩餐」を作っている隙に、哲雄がベランダの鍵を開けていたのだ。恭一は哲雄の罪を暴露すると決心する。

 零花は、恭一から言われた「両親が隠し事をしている」とは、恭一がストーカーだと推理する。

 恭一は麻取義辰に電話し「俺は延人を殺していない。殺したのは鳥栖哲雄だ。殺害現場は鳥栖零花のマンション。あいつが俺に全部罪を被せた。ALSライトで調べると、血痕が出るはずだ。窪と組織は期限まで犯人が見つからなかったら、誰でもいいから犯人に仕立てて、あんたに引き渡す予定だった。延人捜索の成功報酬を奪い取ろうとしていた」と話す。義辰は「君と鳥栖哲雄のどちらが犯人か、私が判断して殺す。そして犯人の家族を窪に殺してもらう」と伝える。恭一は負けたと自覚する。

 義辰は窪を呼び出す。延人の裏切りを聞かれた窪は「延人が組織を裏切っていたのは本当だった」と答える。義辰は哲雄の写真を見て、バーにいた男だと知り、窪にALSライトを手に入れるように頼む。

 零花の部屋にいた哲雄に、零花から「聞いた、ありがとう」とメールが来る。哲雄が帰ろうとすると、ドアの鍵を義辰が窪の手下にピッキングさせていた。義辰は手下を帰し、ALSライトを持って一人で部屋に入る。

 哲雄はクローゼットに隠れていた。義辰はALSライトで床を照らすと、血痕を見つけ、延人がここで殺されたと悟って泣き叫ぶ。クローゼットから出てきた哲雄は、義辰に「全て僕がやりました」と告白する。

 

10

零花の部屋に侵入した麻取義辰は、ALSライトで床を照らして血痕を見つけ、延人がここで死んだと知って泣き叫ぶ。クローゼットから出てきた哲雄は、義辰に「全て僕がやりました。自首します」と告白する。義辰は「警察なんか、呼ぶ訳ないだろう。窪君たちに殺してもらう。君の家族全員」と叫ぶ。

哲雄は「妻と娘は関係ない」と言う。義辰は窪に電話しようとし、哲雄は電話を奪って壊す。義辰からの電話がすぐに切れたのを不審に思った窪は、車で待機していた手下に、部屋の様子を見に行くように指示する。

哲雄と義辰は取っ組み合いになる。義辰はコードで哲雄の首を絞める。

(回想)義辰は自分で選択することがなかった。父が勧めた一流企業に就職し、母が選んだ女性と結婚し、延人が生まれた。義辰はどう接したらいいかわからず、延人の生活は荒れ、少年院に行った。妻と離婚し、仕事を辞めた。窪が義辰に「間野会会長の篠が義辰に任せたい仕事がある。仕事を引き受ければ、篠が息子の面倒も見る。2人そろって第2の人生」と持ち掛ける。義辰は特殊詐欺を行う。延人が出所し、一緒に働く。

義辰は、第2の人生も終わったと思う。哲雄はコードを振りほどく。義辰は「下に人を待たせている。僕が戻らなかったらこの部屋に来る。窪が、本当は誰が延人を殺したか気づく。君と家族も破滅」と言う。義辰は包丁を取り出し「終わりだ。延人を殺され、僕が人間になれる日はもう来ない。僕たちは無力だ」と言うと、自分の腹を刺す。

 哲雄は「延人を僕が殺してしまったから、彼にはもう何もないんだ」と悟る。義辰は、延人が死んだ場所で死ぬ。哲雄は「僕はずっと、あの日に縛られ続けている」と思う。

 部屋に窪の手下が入って来る。義辰の靴がないと気づいて、手下は慌てて帰る。手下は「麻取は帰ったようだ」と窪に電話する。窪は「近くにいるはずだ。探せ」と指示する。

 哲雄は義辰の死体をトランクに入れて運び出す。歌仙から電話があり、何かあったか尋ねる。哲雄は「僕は君たちを守る。母さんは零花の傍にいて。あと少しだから」と答える。

 歌仙は零花に「父さんは、ストーカーの後処理で遅くなる」と伝える。零花は「父さんに助けられたのは、小さい時に海水浴で溺れそうになった時に助けてくれた以来、2度目。いつも私を守ってくれた気がする。今度は私が守らなければ」と母に話す。

 哲雄は軽トラックでトランクを「御後山」の山中に運ぶ。穴を掘り、トランクを埋めながら哲雄は「これで終わりだ。零花も無事で、全てが終わるんだ」と呟く。でも「本当だろうか。僕のせいで延人も、その父親も死に、恭一も。嘘の連鎖、罪の連鎖から僕は逃れられるのか」と自問し、叫ぶ。「いつか総てが許される日が来るだろうか?」

 朝、哲雄が帰ってくると、歌仙が家の前で待っていた。歌仙は哲雄の頬を叩き「たった1人で、何やっていたの」と聞く。哲雄は「本当にもう終わったから。大丈夫」と答える。歌仙は「あなたがいなくなってしまうかと思った」と言って泣く。哲雄は「歌仙は強い人だと思っていた。僕たちはみんな一緒。愛する者を失うのが怖い。弱いから怖いんだ。弱いから強いんだ」と思う。

 半年後。零花が家に帰ってくる。「これから先、どんな未来が待っていようと、今の零花、今の母さん、そしてこの幸せが今の僕の全てだ」と思う。

 朝のテレビニュースで「台風の豪雨の影響で、御後山で土砂崩れが起きた」と報じていた。土砂崩れで、山中に埋めた義辰の白骨死体が現れていた。