『ゴールデンカムイ』テレビアニメ3期のネタバレの詳しいあらすじ(第33~36話) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 実写版『ゴールデンカムイ』の公開前にテレビシリーズ1期を見たらとても面白く、続きはどうなっているのか見たかったので、2・3期も見た。あらすじを紹介する。

 

主な登場人物:読み(声優)役柄

【杉元一行】

杉元 佐一:すぎもと さいち(小林親弘)不死身の杉元と呼ばれる。元大日本帝国陸軍一等卒。

谷垣 源次郎:たにがき げんじろう(細谷佳正)歩兵第27聯隊一等卒。秋田県阿仁出身で元マタギ。

月島 基:つきしま はじめ(竹本英史)軍曹。歩兵第27聯隊。鶴見の側近。

鯉登 音之進:こいと おとのしん(小西克幸宇佐美)少尉。歩兵第27聯隊。薩摩出身。

チカパシ:Cikapasi(渡辺明乃)両親が亡くなり、アシㇼパのコタンの住民たちが育てた男の子。

【アシㇼパ一行】

アシㇼパ:アイヌ語 Asirpa(白石晴香)小樽周辺のコタン出身、10代前半のアイヌの少女。

白石 由竹:しらいし よしたけ(伊藤健太郎)通称「脱獄王」。刺青囚人の一人。

キロランケ:Kiroranke(てらそままさき)アシㇼパの父の友人で、ロシア系少数民族出身のアイヌ。

尾形 百之助:おがた ひゃくのすけ(津田健次郎)元歩兵第27聯隊上等兵。凄腕狙撃手。造反組。

【第七師団】

鶴見 篤四郎:つるみ とくしろう(大塚芳忠)中尉。歩兵第27聯隊所属の小隊長で情報将校。

【刺青囚人】

岩息 舞治:がんそく まいはる(三宅健太)屈強な肉体を持つ。南樺太に逃亡し、スチェンカを始めた。【樺太アイヌ】

エノノカ:Enonoka(市ノ瀬加那)樺太アイヌの少女。祖父と共に犬橇で大泊へ行商に来ていた。

ヨーヤンケ:Yoyanke(杉崎亮)犬橇の所有者。エノノカの祖父でヘンケと呼ばれている。

【ロシア人】

ソフィア・ゴールデンハンド:София Золотая Рука(斉藤貴美子/若い頃:湯屋敦子)パルチザンのリーダー。法廷でつけられた愛称が「黄金の手(ゴールデンハンド) 」

スヴェトラーナ:ロシア語 Светлана(渡辺弥咲)樺太で吹雪に遭った先遣隊が助けられた燈台守夫妻の娘。

【過去の人物】

ウイルク:Wilk(東地宏樹)アシㇼパの父。父はポーランド人、母は樺太アイヌ。アシㇼパ同様深い青色の目を持つ。
長谷川 幸一:はせがわ こういち(中野泰佑)ウラジオストクで長谷川写真館を営む青年。実は日本軍のスパイ。

 

『第33話 革命家』

 アレクサンドロフスクサハリンスキー(亜港)。亜港監獄にはソフィアとスヴェトラーナがいた。

 ウイルタ族の男にアシㇼパの写真を見せると、しばらく前にトナカイを1頭届けに来たと言う。杉元達も亜港監獄にあと少しの所に来ていた。

亜港、二ヴフ民族集落。二ヴフ民族は樺太では最も人口の多い少数民族で、漁猟を中心として樺太アイヌとよく似た生活をしている。

 ソフィアを脱獄させてアシㇼパに引き合わせれば、金塊の暗号を解く何かが分かるかもしれないが、危険に対して収穫が釣り合わないと、白石が言う。キロランケは「亜港監獄には、極東の少数民族を独立させようと戦った、ソフィアの手下が何十人もいるので味方につける」と言う。アシㇼパは「金塊を見つけたら、本当にアイヌのためになるのか?」と聞くと、「アイヌだけでな くウイルタや二ヴフのためにもなる」と答える。

 亜港監獄に白石が忍び込み、囚人の仲間を通してソフィアにニヴフの服を渡す。

 キロランケはアシㇼパに、ウイルクと共に日本に渡る前の出来事について聞かせる。

 (回想)ウラジオストク。長谷川写真館の長谷川に、若き日のソフィア、キロランケ、ウイルクの3人が来て、日本語を教えてほしいと頼む。皇帝暗殺から10年近い逃亡生活をしている3人は、近くの潜伏している民家から通って日本語を習った。束の間の穏やかな時間だった。男2人は、日本語に興味があり、日本語を猛烈な速さで覚えた。

 長谷川は、ソフィアは農民の服を着ているがロシア語の読み書きができ、フランス語も話せるので貴族階級出身だと見抜き、キロランケとウイルクは指名手配されていることも知っていた。

ロシア帝国には農奴がいて、奴隷と農民の中間の身分で、何の権利もなかった。ソフィアたち革命家は農奴に蜂起を迫ったが、応えなかった。彼らの奥深くに入り込んだ信仰が、ロシア皇帝への崇拝に結びついているから変わろうとしないと、革命家たちは考えた。皇帝は神の代理人ではなく単なる人間だと証明するため、行きついたのが皇帝暗殺だった。

 少数民族にもロシアに対する危機感がある。いずれ自分たちも、文句を言わない敬虔な信者にされてしまう。だからキロランケとウイルクはソフィアたち革命家に加担した。ソフィアも極東の少数民族たちと戦おうと考えた。

 長谷川は、大久保利通、木戸孝允、西郷隆盛の維新の三傑(革命を成し遂げる中心な役目を果たした3人)のはたらきで日本かアジアで唯一近代化を進める事が出来た。と話し、3人の記念写真を撮る。

 ある日、長谷川は妻に、子供を連れて実家に行くように指示する。いつものように写真館を訪ねた3人は、長谷川からもうここには来ないようにと告げられる。直後に写真館が秘密警察に包囲される。秘密警察の1人を捕まえて聞くと、標的は3人でなく、日本軍から送り込まれたスパイの長谷川だった。

 ウイルクとソフィアは銃で、キロランケは長谷川が隠し持っていた機関銃で秘密警察を一掃する。ところが、ソフィアが撃った流れ弾によって、3人の手配書を見て戻って来た長谷川の妻と赤ん坊が命を落とす。3人は長谷川と別れて逃亡する。

 ソフィアは自分を責め続けた。極東の地まで手配書が回って来たので、日本に入国するのは難しいと考え、ウイルク達はもっと北上する。

 (現在)キロランケが待っていた流氷がやって来る。もうすぐタタール海峡は氷で覆われ、樺太は大陸と繋がる。キロランケは、ソフィアを脱獄させたら、流氷を渡って大陸に逃げ、大陸にいるソフィアの仲間たちと合流する、と計画を話す。

 (回想)ウイルクは、海峡を覆った流氷の上を歩いて大陸から樺太へ渡ることにする。ウイルクはロシア政府から漏れてきたある情報を確かめに北海道に行くと言う。だが赤ん坊を殺したことが頭から離れないソフィアは、ウイルクを愛するがゆえに、革命家としてこの地で戦うと言う。ウイルクとキロランケはソフィアと別れ、流氷の上を歩く。

 (現在)ソフィアはキロランケからの手紙で、ウイルクの死を知る。

 (回想)長谷川は妻に、本名は鶴見篤四郎だと明かす。鶴見は妻と子供を安置した写真館を燃やす。

 

『第34話 狼においつく』

 アシㇼパたちはアザラシ狩りをする。

 亜港監獄。キロランケと白石は、丸太の塀に、爆薬を仕掛ける穴を掘る。そして、無人の灯台から爆薬を手に入れる。

家でキロランケは、アシㇼパ、白石、尾形に計画を伝える。亜港監獄の正面は警備が厳しいので、反対のタタール海峡に面した塀を4か所、同時に爆破する。決行は明日の夜明け。

 キロランケ達が仕掛けた爆薬は保存状態が悪いためか、爆薬の不発で脱出に使う穴は1か所だけだった。その穴からソフィアたちが脱出しようとすると、穴から獰猛なアムールトラが入って来て囚人を襲う。ソフィアと囚人たちが協力してアムールトラを撃退する。

 杉元達は、丘の上から亜港監獄の爆破を見る。

 キロランケはもう1か所の爆破に成功し、その穴から囚人たちが脱走する。ようやく外に出たソフィアは、ウイルクの子供の頃のアイヌの服を着たアシㇼパの姿に気づく。アシㇼパの瞳がウイルクの瞳と同じ事に気付いたソフィアは、感極まる。太ったソフィアを見て、白石は想像と違うと言うが、キロランケは「めちゃくちゃいい女になった」と喜ぶ。ソフィアはキロランケを殴る。

 看守が脱獄囚を追おうとするが、周りはニヴフの猟師ばかりだった。ソフィアと合流したキロランケたちは、流氷の上を移動して逃亡をするが、誰も追ってこなかった。アシㇼパはソフィアに、ソフィアしか知らない父の事を教えてほしいと頼む。ソフィアは「私は豪華な家に住み、綺麗な服を着て育った。都会の事しか知らないお嬢様だった。革命運動で2人と出会った。私が知らない色んな事を教えてくれた」

 キロランケとウイルクは、ソフィアに樺太アイヌやウイルタ民族、ニヴフ民族、極東に住む少数民族の生活、言葉、神様、食べ物を教える。ウイルクは「アメリカの先住民族は、各部族が対立して殺し合っていたので、白人に負けた。日本の北海道にも樺太アイヌとよく似た民族がいる。それぞれの民族が協力し合えば、きっと樺太、北海道を含めた極東連邦を作ればいい」と言う。

 亜港監獄。キロランケが爆破して囚人を脱獄させた穴に杉元たちがやってきて、アシㇼパ達が近いと感じる。リュウは、アシㇼパたちは流氷を歩いて行ったと臭いをかぐ。穴からアムールトラが顔を出し、杉元と谷垣が撃つ。

 その銃声を聞いた尾形は、古い銃の銃声と聞き分け、まさかと思う。

 白石が小便をしようとすると、流氷が割れて離れる。白石は流氷がくっついているところまで戻って、一向に追いつくと言う。

 杉元達の犬ぞりでは、流氷の上を進むのは難しかった。アシㇼパたちが近いと思った杉元は、リュウと走って追う。

 アシㇼパたちは、流氷の上でオオカミに遭う。ソフィアは「ウイルクは狼が好きだった。ある夜、私たちは秘密警察に追われ、森へ逃げ込んだ。重症の仲間は意識を失い、私たちは足止めになった。追手が近くまで迫りうめき声が届きそうになった時、ウイルクがその仲間を殺した。私たちはかろうじて見つからずにやり過ごせた。ウイルクは答えまで最短距離で動ける人だった」と話す。キロランケも「俺もそんなウイルクを心から信頼し、愛していた」と話す。

 親子のヒグマ狩りでウイルクが幼いアシㇼパに「あの親子は血と肉になって、私たちの命に置き換わる。残酷だからと迷えば、私たちは飢えてしまう。間違った情けや優しさは、弱さにもなる。弱いものは負けて食われる」と話す。

 ソフィアはアシㇼパにウイルクの名前の由来を教える。「ウイルクにまだ名前が付けられていなかった頃、村の近くの森に弱った狼を見つけ、彼は毎日様子を見に行った。暫くすると狼は遠吠えをして、遠吠えが彼に聞こえた。彼はきっと群れに戻りたかった。やがて群れが彼を迎えに来て、彼を殺した。誰かが足を引っ張れば、群れ全体に危険が及ぶ。無駄のない機能的な美しさを、狼たちの生きざまに感じた。あんな生き物になりたくて、屍から剥いだ毛皮を被って走り回った。ポーランド人の父親がそんな姿を見て、彼の名前をウイルク(ポーランド語で狼)に決めた」と語る。

 幼いアシㇼパは、父に母の話を聞く。ウイルクは「お前にそっくりで美しい女だった。小樽で出会った。私の知らない事を全て教えてくれた。今から教える事を決して忘れるな。ウイルクと言う名前が、どうやってついたのか。お前の母親に話したことがある。彼女は、私にアイヌ語の名前を付けてくれた。「ホㇿケウオㇱコニ」狼に追いつくと言う意味だ。狼になりたかったから。この名前を知っているのは、お前の母親と私だけだ。誰にも教えてはいけない」と言った。

アシㇼパは刺青の感じを聞き、杉元は「迂回」の「迂」だと教える。アシㇼパは刺青の漢字を思い出し、暗号を解く鍵に気付く。

 アシㇼパの一行に追いつこうとしていた白石は、流氷から滑り落ちそうになったところを杉元に助けられる。

 

『第35話 罪穢れ』

 白石は杉元との再会を喜び、アシㇼパはこの先に尾形、キロランケと一緒にいると教える。白石は「尾形は、杉元が死んでいると確認したとアシㇼパ達に言っていた」と教える。杉元は「尾形が自分を撃ち、アシㇼパの父をキロランケと結託して撃った」と教える。2人はアシㇼパを取り戻しに行く。

 アシㇼパが、父が忘れてはいけないと言っていた父のアイヌ名という重要な事を忘れていたのは、父の名前をできるだけ考えないように、頭の隅に追いやっていたからだった。

 アシㇼパの変化を、尾形は見逃さなかった。アシㇼパ一行は風が強くなったのでやり過ごすために、氷を積んで風よけにし、流木を燃やす。尾形はアシㇼパを流木拾いに誘い「さっき何か重要なことを思い出した。刺青の暗号を解くカギがわかったんじゃないか。俺に教えてほしい。命を張った報酬がほしい。金塊を独り占めすると、自分が新たな争奪戦の中心になりかねない。暗号の説き方を教えれば、アシㇼパもこの殺し合いから上がりだ。コタンに帰って祖母ちゃんに元気な姿を見せてやれ」と聞く。

 谷垣たちが杉元の足跡を追っていると、月島は灯台守の娘スヴェトラーナを見つける。月島が「灯台守の両親に、ロシア兵に誘拐された娘を探してくれと頼まれた」と教える。スヴェトラーナは「何もない退屈な島の生活から逃げ出したかった」と言う。月島が「犬ぞりで家に帰ろう」と言うと、スヴェトラーナは「都会を見てみたい」と断る。月島は「生きている事くらい伝えろ」と言うと、スヴェトラーナ「男と強盗して捕まったなんて、親に知られたくなかった」と教える。

 谷垣と鯉登は、2人の脱獄囚人に襲われる。囚人は谷垣の銃を奪って撃つ。

尾形は「アイヌの事はキロランケやソフィアに任せたら良い。教えてくれ」と言う。アシㇼパは「どうしてキロランケから離れた所で聞き出そうとするんだ」と聞き返す。銃声が聞こえ、尾形が双眼鏡で探すと、杉元を見つける。尾形は銃を構える。

 杉元、白石、リュウは流氷に乗って漂う。

 キロランケは銃声を調べに行く。ソフィアはアシㇼパの名前を呼ぶ。

 ソフィアの声を聴いたアシㇼパが戻ろうと言うと、尾形は「網走監獄で杉元とのっぺら坊が撃たれたとき、キロランケがどこかに合図していた」と教え、アシㇼパを連れて行く。「アシㇼパがのっぺら坊が自分の父親だと確認するのを待って、誰かに狙撃させた。ウイルクと金塊の用途でもめていたのだろう」と言う。アシㇼパは「何でそれを今まで私に黙っていた」と聞く。尾形は「お前が暗号を解く鍵を思い出したからだ。それ気はキロランケの協力が必要なので、黙って様子を見ていた。これ以上キロランケと組むのは危険だ。お前も暗号を聞き出せば、消されるかもしれない」と答える。

 鯉登と谷垣は、2人の脱獄囚人を倒す。月島がいないのに気付いた鯉登が探すと、スヴェトラーナと一緒の月島を見つける。

 キロランケを見つけた谷垣は、鬼の形相で襲いかかる。死闘の末、谷垣は、インカㇻマッを刺したマキリ(小刀)をキロランケに刺し「網走監獄の忘れ物を返しに来たぞ」と言う。

 一方、アシㇼパを連れ出した尾形は、杉元に追いつかれる前に暗号の鍵を聞き出そうとしていた。尾形は「網走監獄で撃たれた杉元に近づいたとき、まだ意識があった。杉元は、旅順で死んだ親友の嫁さんに目の手術を受けさせるため、金塊を少しで良いから分けてくれと頼んだ」と作り話をする。アシㇼパは「見に行った時に死んでいたと言ったじゃないか」と疑問を言うと、尾形は「こんな話をアシㇼパは聞きたかったか」。アシㇼパが「その人の名前は?最後に何か食べたいとか言っていなかったか?」と聞く。尾形は「その人の名前はトメ(尾形の母親)ときこえた。アンコウ鍋(尾形の母の得意料理)が食べたかった」と答える。アシㇼパは「杉元なら、干し柿と答えたはずだ」と、嘘を見破る。

 アシㇼパは矢を向け「お前は何一つ信用できない」と言う。尾形は「この金塊争奪戦で、不殺の誓いを立てて清いままでいようとしているアシㇼパに、ずっと違和感がった。あの父親から殺しの心得までは教わらなかったのか。アイヌの偶像も清い必要があるのか。俺を殺してみろ。お前の父親を殺したのは俺だ」と挑発する。アシㇼパは「私は殺さない」と誓う。尾形はアシㇼパに銃を向ける。

 そこに現れた杉元が「尾形!」と叫び、その怒声に驚いてアシㇼパが放った矢が尾形の目に命中する。杉元は矢が刺さった尾形の眼球を取り出し、血を吸い出して「あの子を人殺しにさせない」と応急処置をする。アシㇼパは「やっぱり生きていた」と杉元と再会の喜び、杉元は「言ったろ。不死身だって」と応える。杉元の金属のボタンにくっついたアシㇼパの瞼を、白石が小便を掛けて取る。

 数分前。キロランケにやられて怪我をして倒れている谷垣を月島、鯉登、スヴェトラーナが見つける。月島、鯉登は血の跡を追う。鯉登が落ちていた谷垣の銃を拾うと、キロランケが仕掛けた爆薬が爆発する。月島が重傷を負い、鯉登がキロランケを追う。銃で狙おうとしたキロランケに鯉登が剣で斬り掛かる。キロランケは鯉登をマキリで刺す。

 

『第36話 生きる』

 杉元が尾形を担ぎ、アシㇼパ、白石、リュウが流氷の上を進む。杉元はアシㇼパに「尾形が網走監獄で自分とウイルク撃ち、その合図を出したのはキロランケだとインカㇻマッが見ていた。インカㇻマッは何でウイルクを殺したのか、キロランケに聞くと『あいつが変わってしまったからだ。金塊の情報を古い仲間たちに伝えるはずだったのに』と言った」と伝える。アシㇼパ「あの時ソフィアが怒っていたのも、ソフィアが全部知っているかも」と言う。

 キロランケと鯉登が戦い、キロランケが鯉登の腕にナイフを刺す。鯉登は「よくも私の部下たちを」と、短剣をキロランケの喉に刺す。キロランケは鯉登の腕を貫いた短剣をさらに押して、鯉登の胸に刺す。すると追いついた月島と谷垣が、銃でキロランケを撃つ。キロランケが倒れ、鯉登が日本刀でとどめを刺そうとする。キロランケが手投げ弾を鯉登に向かって投げるが、鯉登は爆弾を日本刀で斬る。

 谷垣が銃でキロランケにとどめをさそうとすると、杉元たちと共に駆けつけたアシㇼパが谷垣を止め、「聞かなきゃならない事がある」と言う。

 遠くから双眼鏡でその様子を見ていたソフィアは、顔を水面に付けて泣き叫ぶ。

 瀕死のキロランケはアシㇼパに「ここにいてはだめだ。逃げるんだ。お前の中に大切な鍵が」と言う。アシㇼパは「さっき全部思い出した。やっぱりアチャが教えてくれた事だった。ありがとう。思い出させてくれて」とキロランケの耳元に囁く。キロランケは「良かった。この旅は無駄ではなかった。後は頼んだぞ、アシㇼパ。俺たちのために、ソフィアと…」と言ってこと切れる。アシㇼパが「キロランケがアチャを殺したのは本当か?」と尋ねるが、キロランケはすでに死んでいた。

 白石は、キロランケの故郷のアムール川の水が凍った流氷で、キロランケを覆って墓を作る。

 アシㇼパは「どうしてアチャが死ななければならなかったのか、本人から聞きたかった。アチャがアイヌを殺して、金塊を奪ったから?」と言うと、杉元は「のっぺら坊は撃たれる直前に、アイヌを殺したのは自分じゃないと言った」と伝える。

 アシㇼパと杉元が双眼鏡でソフィアを探すと、灯台守の娘スヴェトラーナを見つける。もう一人の人影を見に行くと、岩息が脱獄囚人と戦っていた。

杉元が尾形を担ぎ、岩息が重症の月島を抱え、アシㇼパ、白石、鯉登、谷垣、スヴェトラーナ達は亜港に向かう。杉元はアシㇼパのマキリをアシㇼパに返す。杉元は「さあ、北海道に帰ろう」と言う。

 白石が造ったキロランケの墓にソフィアが来て、キロランケのマキリを置き、杉元達を追う。

 亜港、ニヴフ民族集落に一行が着く。チカパシは、ニヴフはウイルタと同じように犬を沢山飼っていると感心し、アシㇼパはニヴフの服はウイルタと似ている事に気づき、「私たちはちょっと違って、ちょっと似ている。北海道に居たら知らなかった」と感心する。

 ニヴフの家で谷垣は、尾形がどうしてキロランケと組んでいたのか、問に思う。月島はスヴェトラーナに「岩息について行って大陸に渡れ。だが必ず手紙を書け。俺が届ける」と提案する。スヴェトラーナは約束し「金持ちになって、両親を呼び寄せる」と言う。

 岩息とスヴェトラーナは、この後大陸で大冒険を繰り広げる。

 ニヴフの女性が、魚の皮を使った伝統料理「モス」を作ってくれる。鯉登は父を思い出し、アシㇼパを奪還して、先遣隊として良い結果を出せた事を父に報告できるのが嬉しいと言う。月島は「鶴見中尉も喜ぶだろう」と言うと、鯉登が喜ぶ。ニヴフの女性が傷の薬を作るが、尾形は薬では治せないと言う。密入国者で日本兵の一行は、医者を呼べない。杉元は「皆でニヴフの格好をすればバレない」と言う。

 ニヴフの服を着た一行が病院に行くと、日露戦争に行った医者は、日本語を話す杉元を日本人だと見抜く。杉元は医師を銃で脅して、ニヴフの集落に連れて行く。

医師は尾形を診て「彼は重傷だから、私の病院で手術しないとだめだ」と言う。杉元は「尾形には色々ろ聞くことがある。まだ死なせない」と、尾形を犬ぞりで病院に運ぶ。

 病院で手術をするが、医者は杉元達に「できる限りの事はしたが、明日の朝まで持たないだろう」と伝える。杉元が病室に行くと、尾形は医者を殴り倒して窓から逃げた後だった。杉元はアシㇼパを守って警戒する。

 鯉登が病室に行くと、尾形は看護婦を人質にして隠れていた。尾形は医師に鯉登を殴らせ、鯉登に銃を向けるが、白石と杉元の声がしたので、尾形は馬を奪って逃走する。

 杉元はアシㇼパを、土方よりましと思われる鶴見に届けると言う。アシㇼパは「金塊を見つける事で、誰がアイヌを殺したのか。アチャに何が起こったのか。まだ埋まっていない空白を埋められるかもしれない」と言う。杉元は「俺は鶴見中尉に協力する代わりに、金塊の分け前を要求している。網走監獄であの夜何が起こったのか。アシㇼパにもう一度会って伝えるには、それしか思いつかなかった。従うつもりはないが、刺青人皮は全部取られたし、現状で金塊に一番近いのは鶴見中尉だ。まずは金塊を見つけてやる」と言う。アシㇼパは「金が要るんだな。じゃあ、私たち、道が同じだな」と言う。

 杉元はアシㇼパに、相棒の契約更新を申し出る。

 杉元一行は、2台の犬ぞりで出発する。杉元は「金塊を見つけて全て終わらせる。アシㇼパをこの金塊争奪戦から解放する」と心に誓う。

(写真は「公式ホームページ」より)