『ゴールデンカムイ』テレビアニメ3期のネタバレの詳しいあらすじ(第25~28話) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 実写版『ゴールデンカムイ』の公開前にテレビシリーズ1期を見たらとても面白く、続きはどうなっているのか見たかったので、2・3期も見た。あらすじを紹介する。

 

主な登場人物:読み(声優)役柄

【杉元一行】

杉元 佐一:すぎもと さいち(小林親弘)不死身の杉元と呼ばれる。元大日本帝国陸軍一等卒。

谷垣 源次郎:たにがき げんじろう(細谷佳正)歩兵第27聯隊一等卒。秋田県阿仁出身で元マタギ。

月島 基:つきしま はじめ(竹本英史)軍曹。歩兵第27聯隊。鶴見の側近。

鯉登 音之進:こいと おとのしん(小西克幸宇佐美)少尉。歩兵第27聯隊。薩摩出身。

チカパシ:Cikapasi(渡辺明乃)両親が亡くなり、アシㇼパのコタンの住民たちが育てた男の子。

【アシㇼパ一行】

アシㇼパ:アイヌ語 Asirpa(白石晴香)小樽周辺のコタン出身、10代前半のアイヌの少女。

白石 由竹:しらいし よしたけ(伊藤健太郎)通称「脱獄王」。刺青囚人の一人。

キロランケ:Kiroranke(てらそままさき)アシㇼパの父の友人で、ロシア系少数民族出身のアイヌ。

尾形 百之助:おがた ひゃくのすけ(津田健次郎)元歩兵第27聯隊上等兵。凄腕狙撃手。造反組。

【第七師団】

鶴見 篤四郎:つるみ とくしろう(大塚芳忠)中尉。歩兵第27聯隊所属の小隊長で情報将校。

二階堂 浩平:にかいどう こうへい(杉田智和)歩兵第27聯隊一等卒.双子の弟洋平を杉元に殺された。

【鶴見の協力者】

有坂 成蔵:ありさか なりぞう(島田敏)陸軍中将。天才的銃器開発者。

【刺青囚人】

岩息 舞治:がんそく まいはる(三宅健太)屈強な肉体を持つ。南樺太に逃亡し、スチェンカを始めた。

【樺太アイヌ】

エノノカ:Enonoka(市ノ瀬加那)樺太アイヌの少女。祖父と共に犬橇で大泊へ行商に来ていた。

ヨーヤンケ:Yoyanke(杉崎亮)犬橇の所有者。エノノカの祖父でヘンケと呼ばれている。

【曲芸団ヤマダ一座】

山田:やまだ(辻親八)曲芸団「ヤマダ一座」の座長。ハラキリショーを演じる。

長吉:ちょうきち(田村睦心)ヤマダ一座の軽業師の少年。窃盗癖がある。

【その他】

ウイルク:Wilk(東地宏樹)アシㇼパの父。父はポーランド人、母は樺太アイヌ。アシㇼパ同様深い青色の目を持つ。

 

『25話 樺太へ』

 杉元達先遣隊一行が乗った船は樺太に着き、大泊に上陸する。

 日露戦争の後、南樺太は日本領になった。この当時、ロシア領の頃から定住していた魚民に加え、約1万2千人の和人が農地化のために南樺太に暮らしていた。

 大泊は樺太の玄関口なので、アシㇼパを連れ去ったキロランケ達をもここから上陸した可能性が高い。チカパシとアイヌ犬のリュウが荷物に隠れていた。リュウの鼻と、樺太アイヌに聞き込みをする時にチカパシが役に立つかもしれないので、連れて行くことにする。

 杉元達が町で聞き込みをするが、手掛かりはなかった。鯉登少尉は店で樺太の特産品のフレップ(コケモモ)ワインを飲んでいた。女店主は、町まで魚を売りに来るアイヌのお爺さんの犬ぞりに、初めて見るアイヌの女の子が乗っていた、と教える。写真を見せると、アシㇼパだった。

 月島はロシア語でロシア人に聞くと、ついさっきアイヌの女の子を見掛けたと言うので、一行が足跡を追いかける。それはアシㇼパではなく樺太アイヌの女の子で、祖父の犬ぞりから落ちたと言う。女の子は、北海道から来たアイヌの女の子に会ったと言う。

 イタチ科最大級の猛獣クズリが、鯉登少尉や一向に襲いかかる。月島が銃を撃つが、グズリの動きが機敏で当たらない。そこに少女のヘンケ(祖父)が犬ぞりで駆けつけ、一行は犬ぞりに乗り込んで難を逃れる。ヘンケが重いと言うので、杉元が谷垣をそりから落とす。

 網走。宇津美が鶴見に、土方達は見つからないと報告する。

 土方、牛山、都丹、門倉は、永倉と会う。土方は囚人の情報を掴むため、釧路に向かう。門倉は「看守も囚人もみんな殺された。金塊欲しさにここまでしなきゃならなかったのか」と言うと、土方は「欲しいのは金塊ではない。その向こうにあるものだ」と言う。

 アイヌは文化的に大きく3つに分けられる。千島アイヌ。北海道アイヌ。樺太アイヌ。当時の樺太アイヌは南樺太の海岸や川沿いなどに定住し、漁業を中心として生活していた。樺太は北海道よりもさらに北に位置するため、この地方に定住していたアイヌは、祖の過酷な自然環境に適応した独自の生活環境を形成していた。

 少女とヘンケの家に一行が世話になる。鯉登少尉はヘンケから傷の手当てをしてもらう。エノノカ(フレップ)と言う名前のアイヌの女の子に写真を見せると、アシㇼパに間違いないと言う。キロランケ達2人の男と一緒で、北に向かった。アシㇼパは元気がなかったが、フレップの塩漬けを出したら食べて元気になり「ヒンナ」と言った、と教える。杉元はアシㇼパだと確信する。3人の男は、この先にあるロシア人の村へ向かったという。

 翌日、鯉登少尉はエノノカとヘンケに報酬を交渉して、犬ぞりで村まで運んでもらう。

 一行はロシア人の村に着く。月島は「油断するな。南樺太にはロシア人の監獄がいくつかあったが、日露戦争で日本領になると閉鎖された。囚人はほとんどが逃げた」と教える。

 一行は酒場に行く。月島はキロランケの写真を見せ、ロシア語で見なかったが聞くが手掛かりなし。酔っ払いが喧嘩を吹っ掛け、杉元が殴り倒す。

 エノノカが先頭の犬を盗まれたと教える。盗んだ男は杉元達を酒場に連れて行き、店主が杉元達に「犬を返してほしかったら、スチェンカに出ろ」と言う。杉元が倒した男はチェンカの選手で、店主は大金を賭けているので代わりに出ろと言うのだ。

 店主は「お前たちが探している男は、北海道から来た刺青の男を探していた。スチェンカには刺青の男も来るかもしれない」と教える。

 店主は杉元達をスチェンカの会場に連れて行く。スチェンカとは裸の男たちが数名で向かい合い、殴り合う、ロシアの伝統的行事。ある時、奇妙な刺青を持つ日本人が来て、賭けの対象にしたそうだ。刺青の男は、強い相手としか戦わないと言う。

 店主に「お前ら日本人だけではロシア人に勝てない」と言われ、怒った杉元、谷垣、月島、鯉登の4人ともスチェンカに出る。4人は見事な勝利を収める。

 

「26話 スチェンカ」

 杉元は、スチェンカ会場で見かけた大柄な日本人に声をかける。岩息舞治と名乗った男と杉元は握手を交わし、その瞬間に互いの強さを本能的に感じる。

 酒場の店主は「日本兵の噂は広まり、刺青の男は今夜のスチェンカに出る。お前たちがわざと負ければ大儲けできる。八百長が終わったら犬を返す」という。怒った杉元は店主をねじ伏せる。店主は、杉元達が刺青男を追っていると、相手にばらすと言う。

 鯉登少尉は「犬を返すまで店主の指を切り落とす。こいつを裏庭に埋めた後、スチェンカの会場に行き、刺青の男を確認する。スチェンカはやらず、囚人を拉致して森へ連行し、射殺する」と脅す。店主は「お前たちが持っている写真の男の情報がまだある」と言う。

 杉元達は試合に出ることになる。対戦相手の一人の岩息は刺青の脱獄囚だった。

 岩息は、人生のほとんどを監獄で過ごしたが、居心地が良かった。監獄には暴力が溢れ、岩息が看守を殴るとみんな喜んだ。岩息を素手で止められるのは牛山だけだった。犬童は岩息が暴れるたびに牛山を呼び、戦えるので嬉しかった。殴り合いだけなら牛山に勝ったこともあった。

 杉山は「犬を取り戻し、アシㇼパの情報を手に入れ、全部丸く収める妙案があるから、全力で殴り合え」と3人に指示する。

 岩息の強さは凄まじく、杉元が苦戦する。他の3人がロシア人を全員倒し、4人で岩息と戦うが、岩息は4人を殴り飛ばす。正気を失った杉元は岩息に蹴りを入れて倒す。止めようとした3人を杉元が殴る。怒った観客がリングに乱入してくるが、杉元は観客も殴る。老人は「人の殴り合いをただ見ているのはスチェンカじゃない。これこそがスチェンカだ」と喜ぶ。

 頭から脳汁が染み出し、正気を失った杉元は鎌と金槌をもって岩息を襲う。杉元たちの狙いが刺青だと知った岩息は、会場から逃げる。正気を失った杉元を置いて、3人が岩息を追う。

森に逃げた岩息はグズリに襲われる。刺青が食われないように3人が岩息を助け、4人は近くの小屋に逃げる。小屋はロシア式蒸し風呂バーニャの小屋だった。

 バーニャの小屋の外にはグズリがいて出られない。男たちは暑さに参る。岩息は白樺の葉で3人を叩き、血行を良くする。3人は白樺の葉を奪い、岩息を叩く。

 チカパシとエノノカは、犬を盗んだロシア人の一人がスチェンカに出ていないので、犬を見張っていると気づき、男の後を追う。2人は男を気絶させ、犬を取り返す。

 犬の奪還したチカパシとエノノカが犬ぞりで進んでいると、グズリに襲われる。そりから落ちたチカパシがグズリを谷垣の銃で防ぐと、リュウがグズリに噛みつく。そこに正気を失った杉元が来て、グズリと戦う。チカパシが銃に弾をなかなか込められずにいると、谷垣が手伝う。チカパシは銃を撃ち、グズリを仕留める。

 岩息と杉元が殴り合う。3人が岩息と杉元を止めると、足元の氷が割れ5人とも湖に落ちろ。5人は急いでバーニャに行って温まる。正気になった杉元は、妙案とは何だったか覚えていなかった。一行は岩息を殺さずに、刺青の写しだけを入手して見逃す。

 岩息は、アシㇼパの連れが刺青の囚人(白石)だったと教える。酒場で白石が「ここまで追ってこないのは、ひょっとしたら」と話すと、アシㇼパは「何言っているんだ。あいつは不死身の杉元だぞ」と言っていた。

 尾形、キロランケ、アシㇼパ、はトド猟をしていた。夏場に樺太で繁殖したトドは、越冬するため北海道に南下する。トドの脂身は珍味だった。

 

『27話 いご草』

 尾形、キロランケ、アシㇼパ、白石は、トドの肉を買ってくれる「樺太養狐株式会社・飼育場」へ行く。毛皮の高級品のギンギツネを飼っていた。キロランケは飼育員に尋ねると、20・30年前にこの場所にアイヌの村があったと言う。キロランケはアシㇼパに、父ウイルクが生まれた村だと教える

 キロランケたちが「昔樺太は、どちらの国の物でもなかった。約30年前、千島を日本領にする代わりに、樺太をロシア領にする条約が結ばれた。樺太にいた和人は急いで撤退した。ウイルクの村にいた大半のアイヌも和人の船に乗って北海道に渡っていった。だが、母親は樺太アイヌだったが、父親がポーランド系だったため船に乗れず、ウイルクは両親と樺太に残った。北海道に渡ったアイヌの中に伝染病が流行り、半数近くが亡くなった。その後、生き残りのアイヌは樺太に帰還したものの、自分の村には誰一人戻ってこなかった。日本とロシアの勝手な都合に翻弄された結果が、これだ。北海道のアイヌもいずれこうなる。だが、ウイルクは光をお前の中に見ていた」と話す。

 アシㇼパは「どうしてアチャはアイヌを裏切って殺した?なぜ金塊を奪って私に託そうとしたのだ」と聞く。キロランケは「その答えは、この樺太の旅で見つかるはずだ。お前の知らない父親の足跡をたどっていけば、必ず」と言う。

 尾形はキロランケに「ウイルクは娘にしか解けない暗号を残した。と言う事は今アシㇼパの頭の中には、暗号を解く鍵があるはず。刺青人皮が全て集められても、あの子さえこちらの手の中にあれば、誰にも金塊は見つけられない。今のうちにその鍵を聞き出しておけば、もっと有利になる」と囁く。キロランケは「無理に聞き出すのは良い手でない。この樺太が彼女を成長させれば、アシㇼパの方から鍵を教えてくれるはずだ」と言う。

 網走。第七師団では二階堂が、鶴見から杉元が死んだと聞かされてから、ずっと食事をしていなかった。心配した鶴見が、食べたら褒美にモルヒネをやると言う。二階堂は右手が吹き飛ばされていた。

 有坂が、二階堂に義手を持って来た。義手は箸入れになっていた。

 岩息は杉元達4人の元から去る。鯉登は「鶴見中尉の判断を仰がずに逃がしてよかったのか」と聞くが、月島は「すべて私に任されている」と答える。また杉本にも、また正気を失ったら殺すと伝える。

 〔明治29年陸軍監獄〕月島は、いご草から作る新潟の郷土料理のいご練りを鶴見にご馳走する。

 月島は佐渡の島で育った少年時代に、いご草のような髪の娘に好きだと伝える。月島は悪童、悪ガキ、人殺しの息子と呼ばれていた。新発田の第2師団に入隊すると、日清戦争が始まった。月島は、戦争が終わったらその娘と駆け落ちをする約束をする。だが、佐渡に帰ると、月島が戦死したというデマを父が流していた。娘は自殺していた。月島は激昂して父を殺害し、死刑囚となった。

 鶴見少尉は月島に面会し「娘は生きていると伝える。佐渡鉱山を買い取った幹部が娘を気に入って、息子の嫁にしたいと言う。娘は断る。娘の両親は月島の父に金を渡して、息子が戦死したと吹聴させた。月島が奪い返しに来ないように、娘の自殺を偽装した。娘は東京で結婚し、両親も東京に移住した。

 娘は月島が生きていることを知らないが、月島の条件であると知ってこれを渡してきた」と言って、娘の髪の毛の束を渡す。「月島の墓があったら、月島の骨と一緒に埋めてほしい」と。月島は生への執着が芽生える。

 鶴見は「もうすぐロシアと開戦するので、ロシア語が堪能な人間には恩情が与えられる。私は第七師団に情報将校として転属になるので、通訳と月島を連れて行くので、死んだ気になって勉強しろ」と言う。

 9年後、日露戦争、奉天。鶴見中尉の下で日露戦争に出征した月島は、奉天の戦場で同郷の佐渡の兵士から、娘の遺体が実家の床下から発見されたと知らされる。月島は鶴見中尉に怒りをぶつけるが、鶴見は、優秀で同郷で信頼できる部下で戦友の月島を、どうしても助けたかったからだと言う。

 そこにロシア軍の砲弾が飛来して爆発。月島は腹に、鶴見は額に重傷を負う。野戦病院に運ばれた鶴見は月島に「月島を裁判なしに監獄から出すための工作として、島の連中の前で実家の床下から遺骨を掘り出して見せた。月島が戦争にいている間に、父親に婚約者が自殺に見せかけて殺され、逆上して殴った末の過失致死、と言うのが中央の信じた筋書きだ。私が九年前に佐渡で残した工作を島の人間は信じ続けていた。偶然、九年後に佐渡の人間がお前に伝えた。娘が東京に嫁いだのは本当だ」と教える。そして「戦争が終われば、アイヌの例の計画を実行に移す。汚れ仕事を行う覚悟を持った人間が必要だ」と言う。月島は、残りの命を鶴見中尉のために捧げることを誓う。

 小樽。月島は娘の髪を海に投げ捨てる。鶴見はホウロウで作った額当てをつける。

 

『第28話 不死身の杉元ハラキリショー』

 ジャコウジカを尾形が撃ち、キロランケが解体し「オスのジャコウ腺と言う分泌液を出す部分を乾燥させると、ジャッコウと言う漢方薬になる。薄めると香水として異性を引き付ける効果がある」と教える。

 キロランケは、ウイルクが初めての狩りでジャコウジカを倒し、前髪に付けたホホチリ(小さなガラス球を繋げた三角の飾り)を切り落とした話をする。アシㇼパも父に言われてホホチリを付けていたことを思い出し、忘れていたアチャの事を1つ思い出す。

豊原(現在のユジノサハリンスク)、樺太における政治、経済、文化、政治の中心地に谷垣と、ホホチリをつけたチカタプがいた。

 杉元達は少年から置き引きに遭い、鯉登が屋根や塀を越えて追跡する。鯉登が追い付くと、少年は「曲芸団ヤマダ一座」の団員の長吉だった。座長の山田が杉元達に非礼を詫び、少年を日本刀で切りつけるが、日本刀は「ハラキリショー」の小道具で、偽の血が出る仕掛があった。杉元は自分がハラキリショーに出て名前を広め、アシㇼパに自分の存在を伝えることを思いつく。

 杉元だけでなく、全員が出演することになる。鯉登は軽業の才能があった。月島と谷垣は曲芸の才能がないので、脇で踊る少女団と踊りの練習をするが、谷垣は旨く踊れず、踊りの指導者にけなされ落ち込む。団長がハラキリショーの実演を見せる。

 樺太公演が始まる。まずは鯉登が軽業を披露する。綱渡りでは綱に置いてあった鶴見少尉の写真を取ろうとして、見事な軽業を見せ、観客に大いに受ける。谷垣と月島も踊りの役目をこなす。綱に写真を置いたのは、鯉登が目立たないようにするための月島の仕業だった。

 大トリの杉元のハラキリショーが始まった。写真を置いたのは杉元だと思った鯉登は、仕返しのために手品用の刀を真剣へすり替えていた。杉元は腕を切ると真剣だと知って驚くが、アシㇼパを見つけるにはやり遂げるしかなく、杉元が意を決して腹に刀を当てる。

 そのとき、舞台に3名のロシア人が乱入し、杉元に銃を向ける。杉元は相手の腕を刀で斬り落とし、もう一人に刀を刺して殺し、もう一人は月島が殴り倒す。ショーと勘違いした観客から喝采が巻き起こる。終演の挨拶をしている間に遺体を回収する。

 捕虜にしたロシア人から、標的がハラキリ芸をする座長だったことが判明する。座長はスパイで、ロシア国内を巡業しながら情報を集めていた。そのロシア人も踊りの指導者が撃ち殺し、3人の死体を埋める。

 明朝、曲芸団は立ち去る。新聞には公演の記事が載っていたが、杉元についてはたった2行で「不死身」は「不痔身」の誤植だった。それでもアシㇼパの目に留まることを期待する。団長は鯉登に、曲芸団に残るように頼むが、鯉登は「鶴見中佐に叱られる」と断る。

 月島がパルチザンの情報を団長に尋ねると、北のロシア領の港町に樺太最大のアレクサンドロフスカヤ監獄に、捕まった少数民族が多数移送させられたと言う。杉元達は、キロランケ達の目的地が亜港(アレクサンドロフスク)の監獄だと突き止める。