実写版『ゴールデンカムイ』の公開前にテレビシリーズ1期を見たらとても面白かったので、2期も見た。あらすじを紹介する。
主な登場人物:読み(声優)役柄
【杉元一行】
杉元 佐一:すぎもと さいち(小林親弘)不死身の杉元と呼ばれる。元大日本帝国陸軍一等卒。
アシㇼパ:アイヌ語 Asirpa(白石晴香)小樽周辺のコタン出身、10代前半のアイヌの少女。
白石 由竹:しらいし よしたけ(伊藤健太郎)通称「脱獄王」。刺青囚人の一人。
キロランケ:Kiroranke(てらそままさき)アシㇼパの父の友人で、ロシア系少数民族出身のアイヌ。
尾形 百之助:おがた ひゃくのすけ(津田健次郎)元歩兵第27聯隊上等兵。凄腕狙撃手。造反組。
【谷垣一行】
谷垣 源次郎:たにがき げんじろう(細谷佳正)歩兵第27聯隊一等卒。秋田県阿仁出身で元マタギ。
インカㇻマッ: Inkarmat(能登麻美子)当たると評判の占い師の女。
チカパシ:Cikapasi(渡辺明乃)両親が亡くなり、アシㇼパのコタンの住民たちが育てた男の子。
【土方一味】
土方 歳三:ひじかた としぞう(中田譲治)刺青囚人の一人。元新撰組副長。通称「鬼の副長」。
永倉 新八:ながくら しんぱち(菅生隆之)刺青囚人の一人。新撰組元隊士で、新撰組最強剣士。
牛山 辰馬:うしやま たつうま(乃村健次)刺青の囚人の一人。額の四角いタコと柔道耳が特徴の巨漢。
家永 カノ:いえなが かの(大原さやか)刺青の囚人の一人。若いホテルの女将に見える天才外科医。
門倉 利運:かどくら としゆき(安原義人)網走監獄の看守部長。
【第七師団】
鶴見 篤四郎:つるみ とくしろう(大塚芳忠)中尉。歩兵第27聯隊所属の小隊長で情報将校。
月島 基:つきしま はじめ(竹本英史)軍曹。歩兵第27聯隊。鶴見の側近。
二階堂 浩平:にかいどう こうへい(杉田智和)歩兵第27聯隊一等卒.双子の弟洋平を杉元に殺された。
鯉登 音之進:こいと おとのしん(小西克幸宇佐美)少尉。歩兵第27聯隊。薩摩藩の出身。
宇佐美 時重:うさみ ときしげ(松岡禎丞)上等兵。歩兵第27聯隊。網走監獄に新人看守として潜入。
【網走監獄】
犬童 四郎助:いぬどう しろすけ(土師孝也)網走監獄の典獄(監獄長)。
【鶴見の協力者】
鯉登 平二:こいと へいじ(大川透)海軍少将。大湊要港部司令官。鯉登音之進の父。薩摩藩の出身。【盗賊団】
都丹 庵士:とに あんじ(水島裕)硫黄山での硫黄採掘によって失明。舌を鳴らして反響した音を拾う。
【その他】
ウイルク:Wilk(東地宏樹)アシㇼパの父。父はポーランド人、母は樺太アイヌ。アシㇼパ同様深い青色の目を持つ。
『21話 奇襲の音』
屈斜路湖。杉元達は、湖畔にあるコタンを訪れた。アシㇼパは冬の保存食になるヒシの実をたくさん採っていた。村人のフチの11番目の妹の息子が「このごろ盲目の盗賊団が付近で暴れている。親玉の体には、奇妙な刺青がある」と話す。
白石は「硫黄山で苦役させられた囚人の生き残りで、都丹庵士に間違いない。硫黄山に派遣された囚人は、戻ってこないと言われていた。硫黄は火薬の原料に使われる。亜硫酸ガスで失明する者が続出し、半年で閉山されるまでに42人もガスで死んだ。最近密かに再開され、犬童典獄が囚人を貸し出している噂だ。殺される前に逃げだしたのが、都丹の手下だろう」と話す。
村人のフチの11番目の妹の息子が「奴らが集団で村を襲うときは、必ず月の出ない新月に襲う」と教える。杉元達は新月の前に、近くの温泉宿で情報を集める事にする。
アシㇼパは聞いたことがない音が森からしたので、外で様子を見る。
杉元達は温泉宿に行く。杉元をマッサージした按摩が「こんなに柔らかい筋肉は初めてだ。体中の深い傷跡で、どうして生きていられるのか」と感心する。杉元は「俺の魂を抜くには、もっとデカい傷が必要だ」と言う。アシㇼパは「杉元が傷を負っても死なないのは、この世での役目がまだ残っていると言う事だ」と言う。
杉元達は露天風呂に入る。杉元は「按摩の話では、昔はもっと温泉宿があったが、閉山で倒産し廃屋になっている旅館が森の中に点在している」と教える。白石は「盗賊の隠れ家にもってこいなので、夜が明けたら探しに行こう」と言う。
按摩は帰りがけにアシㇼパとインカㇻマッに「夜の舌の音に気を付けろ。盗賊が舌を鳴らした音の反響でものを見る」と言う。按摩が実演した音を聞いたアシㇼパは、昨夜聞いた音がそれで、盗賊達がずっと杉元達を見張っていたことに気付く。アシㇼパは弓矢を持って露天風呂に向かう。
風呂に入っていた杉元達は、都丹庵士が率いる盗賊団に囲まれる。ランプが壊され、真っ暗で何も見えない。リュウが都丹庵士を襲い、その隙に杉元達は丸裸で森に逃げる。尾形だけが銃を持ってきていた。
白石が盗賊団に捕まり、杉元も槍で刺されて怪我するが、素手で反撃する。都丹庵士が銃を撃つ。アシㇼパが松明を持って露天風呂にやって来る。その明かりでアシㇼパに近づいた盗賊を尾形が撃ち殺す。松明が消え、都丹庵士が尾形に向かって銃を撃ってくる。尾形は真っ暗で撃ち返せない。
アシㇼパと杉元が合流する。杉元は、夜が明けたら反撃すると言う。杉元の血の匂いを嗅いだ都丹がやって来る。
(回想)帰る少女のインカㇻマッにウイルクが母の形見の着物をあげる。インカㇻマッはウイルクに、顔を見る事は二度とないと占いに出ていると言う。
インカㇻマッが明かりを持って森に来て、谷垣とキロランケを見つける。都丹はその明かりの方へ行く。キロランケが小舟を見つけ、湖を渡って旅館に戻ると言う。泳げないインカㇻマッは、悪い予感がするとためらう。
谷垣とインカㇻマッが小舟に乗り、キロランケが漕ぐ。すると都丹は小舟に向かって銃を撃ち、谷垣に当たる。小舟が転覆し、3人が投げ出される。
インカㇻマッは、占いの通りにウイルクと再会できずに死ぬ運命だと観念する。すると谷垣がインカㇻマッを助ける。インカㇻマッは谷垣に感謝し、運命は変えられると悟る。
夜が明け始め、尾形が盗賊団に銃を撃つ。盗賊団は廃業した温泉宿に逃げる。尾形、杉元、アシㇼパが中に入ると、中は真っ暗だった。都丹は銃を撃ってくるので、3人は逃げる。盗賊の一人はアシㇼパが撒いたヒシの実を踏んで悲鳴を上げ、杉元は奪った金棒でその盗賊を殴る。
都丹と杉元が格闘になる。そこに土方が来て2人を止める。牛山、白石、チカパシ、リュウも来る。土方は、都丹庵士がここに潜伏している情報を掴んでいたので来たと言う。都丹庵士の処遇は任せてほしいと言う土方に、杉元は刺青を写させるのを条件に了承する。
アシㇼパは都丹「こんな暗い所で隠れて暮らして、悪さをするため外に出るのは、夜になってから。これではいつまでたっても、お前の人生は闇から抜け出せない」と諭す。
旭川。宇佐美は鶴見中尉に「犬童典獄は囚人を硫黄山で働かせ、武器購入の資金にして、マキシム機関銃まで持っていた」と報告する。鶴見は、潜入がすぐバレた罰として、宇佐美の顔の両頬の黒子に落書きする。
北見。土方は杉元にキロランケとインカㇻマッの写真を撮って、知り合いに身辺調査させると言う。そこで、アシㇼパの写真をフチに送ると言う名目で、写真館で思い出にみんなの記念写真を撮る。
写真館の店主が土方に、土方の若い頃の写真を渡す。都丹が「杉元は若いころの土方にそっくりだ」と言っていたのを思い出す。
『22話 新月の夜に』
アシㇼパは、今頃フチが穀物を収穫し、鮭が川を上って来るのを思い浮かべる。アシㇼパと杉元は、サルナシの実を食べる。アシㇼパは野イチゴの実が赤くなると鮭が上ってくると杉元に教える。木の幹にヒグマの爪の跡も見つける。アシㇼパは、全部アチャ(父親)が教えてくれたと言う。
網走監獄に一行が着く。アシㇼパは、アイヌを殺して金塊を奪ったのっぺら坊が、本当に父だったらと思うと不安になる。
網走監獄は周囲が山に囲まれ、数十か所で武装した看守が見張っている。白石は、警備の手薄な網走川に面した塀が侵入経路として良いと言う。トンネルの入口を、鮭を獲る小屋で偽装する。
看守部長の門倉が小屋を撤去するように言う。看守へ賄賂を鮭3匹から5匹に増やすことで妥協する。
一行は、フチの13番目の妹のコタンに滞在する。アシㇼパは「昔、鮭はアイヌの主食だった。鮭1匹を余すことなく利用する」と説明する。皆でチタタプを作り、お粥やジャガイモにイクラを混ぜたもの、串焼きなどを食べる。
チカパシが、谷垣が半分食べた器をインカㇻマッに渡す。アシㇼパは「女が男の家に行ってご飯を作り、男が半分食った器を女に渡し、女が残りを食べたら婚姻が成立する」と教える。インカㇻマッはためらい、谷垣は外に出る。
谷垣は追ってきたインカㇻマッに「のっぺら坊がウイルクかどうか心配なので、網走まで来たのでは?」と聞く。インカㇻマッは「その通りだ。しかし占いでは、彼と会う事は二度とない。会いたい思いが募った。そんな時、ウイルクの死を耳にした。私が彼と会えなくなる理由は、私が死ぬからと占いが告げた。彼の死を調べて行くうちに、遺留品を持つと言う鶴見中尉に会った。ウイルクは殺され、監獄にいるのっぺら坊はキロランケの仲間と言っていた。湖で溺れた時、私は死ぬ運命だと感じた。谷垣が救ってくれたので、運命は変えられると思い直した。ウイルクに会うのは、過去にとらわれていた自分にけりを付けたいから。私は谷垣と未来に進みたい」と話す。
谷垣は「俺にもまだ、アシㇼパを無事にフチの元に帰す役目が残っている。時が来たら。俺が半分食べた飯の器をインカㇻマッに渡す」と告げる。
数日後、杉元とキロランケは土方が指定した距離まで掘り、出口から顔を出すと、門脇看守長の宿舎だった。土方と密かに通じていた門倉は、杉元、アシㇼパ、白石、土方、キロランケに、毎日独房を移されているのっぺら坊の、次の新月の移動先を教える。侵入してアシㇼパをのっぺら坊に引き合わせ、無事脱出できれば大成功だ。のっぺら坊は片足の腱を切られているので、連れ出すのは困難だが不可能ではない。アシㇼパは「父が本当にのっぺら坊なら、危険を冒してまで連れ出す必要はない」と言う。
その様子を穴から尾形も聞いていた。
白石が聞くと、インカㇻマッの占いでは「ずっと「いいえ」。のっぺら坊はアシㇼパの父ではないだったが、最近は1000回中500回が、はい」だった。
新月の夜。インカㇻマッとチカパシ、永倉、家永はコタンで待機。尾形は山から狙撃で援護。谷垣は川の丸木舟で待機。キロランケ、牛山、土方は宿舎で待機。杉山、白石、アシㇼパがのっぺら坊がいる舎房に侵入する。先導は都丹庵士。
門倉の宿舎を出るとすぐ2人の看守に見つかり、杉元、都丹が倒す。4人は「五翼放射状平屋舎房」に着く。中央には「中央見張り所」がある。鉄格子のない天窓から杉元達、白石、アシㇼパが侵入する。「中央見張り所」に門倉が行き、看守の目を逸らし、白石が牢の鍵を開ける。
のっぺら坊にアシㇼパが話しかけるが、反応がない。白石がマッチを点けるとのっぺら坊が叫び出す。目を見たアシㇼパは、父でないと確信する。
侵入がバレ、杉元は「中央見張り所」に銃を撃つ。門倉は杉元に銃を撃つ。看守の銃は使えなかった。アシㇼパは都丹が引き上げて天窓から脱出。都丹はアシㇼパを連れ「本者に会わせる」と言う。
川で待機していた谷垣の所にインカㇻマッが来て、巻き込まれるので逃げるように言う。インカㇻマッは「谷垣から小樽へ偽名の電報が届くと、彼らに教えていた」と言う。
犬童典獄に、侵入の知らせが届く。網走川対岸に無数の明かりがあった。犬童典獄は、監獄を防衛するために、対岸へと渡る橋の爆破を命令する。
鶴見中尉の第7師団が来ていた。鶴見を乗せた「雷(いかずち)型駆逐艦」が爆破された橋の残骸を通過し、監獄に迫る。大湊要港部司令官・鯉登平二海軍少将(鯉登少尉の父)がいた。鶴見は部下に「のっぺら坊とアシㇼパ」を確保せよ」と命令する。
『23話 蹂躙(じゅうりん)』
爆破された橋の残骸を「雷(いかずち)型駆逐艦」が通過する。
インカㇻマッは鶴見に内通しており、谷垣に「杉元は失敗した。のっぺら坊とアシㇼパを無事にここから連れ出せるのは、鶴見中尉だけだ」と言う。谷垣が「アイヌの金塊は第七師団に渡る。お前はそれでいいのか?」と聞くと、インカㇻマッは「金塊を誰が手にいれようが、関係のない話だ」と答える。
犬童は正門にマキシム機関中を配備し、門を破って突入してきた兵士を撃つ準備をする。
駆逐艦がやって来たので、谷垣とインカㇻマッはトンネルに逃げる。駆逐艦は塀に大砲を撃つ。牛山とキロランケは逃げる。
鶴見は中央へ「道東沿岸を北上するバッタの大軍を駆除するため、青森の大湊要港部司令官、鯉登少将に協力を要請。網走に寄港中、網走監獄で暴動が発生。駆け付けた我々が事態を収束させた」と報告すると言う。月島が「監獄側の誰かが証言したら、成立しない」と言う。
多数の第七師団の兵士が網走監獄に侵入し、看守を殺して舎房に急ぐ。犬童は舎房前に看守を集めて迎え撃つ。
崩れたトンネルの柱の下敷きになったインカㇻマッを、谷垣が助ける。2人が小屋の外に出ると塀が崩れるが、牛山が防ぐ。
艦隊が照明弾を打ち上げる。看守がマキシム機関銃を、第七師団の兵士に連射する。月島が手榴弾を投げ、第七師団が突撃する。
白石はのっぺら坊の独房の床を切り、床下の通気場所ら脱出しようとする。舎房に火の粉が入って、布団が燃え始める。
都丹はアシㇼパに「俺たちが脱獄した後、犬童典獄によってのっぺら坊が密かにすり替えられた。門倉部長はすり替わったと気づいていた」と教える。アシㇼパが「知っていて杉元達をあそこに送り込んだのか?」と聞く。そこに土方が来て、付いて来いと言う。アシㇼパは「杉元が一緒じゃないと行かない」と言う。土方は「娘の姿を確認すれば、のっぺら坊は金塊の在りかを話すはず。杉元も自分の身よりそのことを望むはずだ」と言う。
「五翼放射状平屋舎房」に鶴見達第七師団の兵士が突入すると、廊下でのっぺら坊に杉元が銃を向けていた。二階堂が撃った弾がのっぺら坊に当たる。
門倉部長を宇佐美が撃つ。傷を負った門倉は一斉開放装置を作動させ、700人の凶悪犯を開放する。凶悪犯達と第七師団の兵士が戦う。
二階堂がのっぺらぼうの独房に行くと、のっぺらぼうの死体があるが、杉元達の姿はなかった。杉元と白石は、床下の通気場所を這っていた。2人は、土方が仕組み、都丹庵士もグルだと気づく。白石は「俺達を偽ののっぺら坊がいる舎房に侵入させて、騒ぎを起こせば、不安に駆られた犬童は本物ののっぺら坊の隠し場所に向かうはず。最初からそれが土方の狙いだった」と知る。「門倉が俺達を舎房で釘づけにしている間に、アシㇼパを父親に引き合わせ、金塊の在りかを聞き出して脱出。この機会にアシㇼパを俺から引き離すつもりだ」と悟る。
床下の通気口から両肩を外して白石が出るが、杉元は出られない。杉元は白石に、アシㇼパを探して確保したら正門で待て、と頼む。
犬童は教誨堂へ入るのを、茂みから土方、アシㇼパ、都丹が見ていた。犬童が訓練で毎日教誨堂へ出入するので怪しいと思っていたが、門倉はのっぺら坊の隠し部屋を見つけられなかった。
アシㇼパがのっぺら坊の居場所を杉元に知らせに、圡方から逃げる。その途中でキロランケと合流し、白石も会う。キロランケが杉元を助けに行く。アシㇼパは杉元を教誨堂に連れてくるように頼み、のっぺら坊に会って、アチャかどうか確かめると言う。白石は「杉元に、アシㇼパを正門に連れ来るように言われた。アシㇼパは土方の所に戻ってはダメだ。土方はアシㇼパを杉元から引き離そうとしている」と伝える。キロランケは、杉元を助けたら教誨堂に行き、何とかのっぺら坊を正門まで連れて行く、と約束する。アシㇼパはキロランケに、自分のマキリ(小刀)を杉元に渡すように頼む。
舎房では第七師団の兵士と凶悪囚人が戦っていた。
キロランケは通気口の壁を爆弾で爆破して、杉元を助ける。偽のっぺら坊の独房にいた二階堂は、爆風で床に穴を見つける。キロランケは杉元にアシㇼパのマキリを渡し、教誨堂に行ってのっぺら坊に見せるように伝える。杉元はキロランケに、正門に行ってアシㇼパに、のっぺらぼうを連れてくると伝えるように頼む。
犬童が教誨堂の地下牢からのっぺら坊を連れ出す。都丹が地下室を探して扉を開けると、犬童が投げた鉄球が頭を直撃する。都丹が銃を撃つ。土方が向かうと都丹は死んでおり、のっぺら坊がいた。犬童は自分の手と土方の手首を鎖で繋ぎ、2人は刀で斬り合う。
二階堂が杉元を襲う。杉元は短剣を口に刺される。杉元は二階堂の義足の仕込み銃で足を撃たれる。杉元は二階堂の右手を銃で撃つ。第七師団の兵士がやって来るので、杉元は逃げる。
白石とアシㇼパは、キロランケと牛山、インカㇻマッに合流する。キロランケは「杉元は一人で教誨堂に行き、のっぺら坊をアシㇼパに会わせると言った。土方と犬童も教会堂にいるらしい」と伝える。牛山も教誨堂に向かう。
大怪我を負いながら教誨堂に向かった杉元は、青い目をしたのっぺら坊を見つける。
『24話 呼応』
杉元はアシㇼパのマキリ(小刀)を見せると、のっぺら坊は娘の物だと気づく。杉元が連れて行こうとすると、のっぺら坊は「金塊の在り処を知りたければアシㇼパを連れてこい。娘にしか話さない」と要求する。
監獄内では犬童と土方が死闘を繰り広げ、土方が犬童を斬る。
杉元は「アシㇼパは、アイヌを殺して金塊を奪ったのっぺら坊が、本当の父親だったらと脅えていた。どうして和名を土方に教えた。どうしてアシㇼパを巻き込んだ」と尋ねる。のっぺら坊は「未来を託すためだ。アシㇼパは山で潜伏してゲリラとなって戦えるように仕込んだ。私の娘はアイヌを導く存在となる」と話す。杉元は「アイヌの独立運動に、アシㇼパを利用するつもりか。あの子を人殺しにさせるつもりか」と怒る。
屋根に上ったインカㇻマッが、杉元とのっぺら坊を見つける。屋根に上ったアシㇼパは双眼鏡で、のっぺら坊がアチャ(父)だと確認する。
(回想)幼いアシㇼパは父ウイルクに言われて、一人でヒグマを倒す。
のっぺら坊も双眼鏡でアシㇼパを確認し、杉元に「アイヌを殺したのは私でなない。アシㇼパに伝えろ、金塊…」と言いかけた時、尾形に頭を狙撃される。杉元も頭を撃たれる。
インカㇻマッがアシㇼパに「逃げなさい。金塊の謎を解く鍵はあなたの中だけになり、みんながあなたを巡って殺し合いになる」と言う。
森の中で、家永が第七師団の兵士に捕まる。
キロランケはアシㇼパを屋根から降ろす。谷垣は白石に、アシㇼパを連れて予備の船で待つように指示し、杉元の所へ向かう。
谷垣は尾形に腕を撃たれるが、杉元とのっぺら坊を尾形から見えない建物の陰に引っ張る。谷垣が杉元とのっぺら坊を担いで網走監獄の正門から外に出ると、インカㇻマッが倒れていた。
インカㇻマッは腹をキロランケのマキリで刺されていた。インカㇻマッは谷垣に「ウイルクが撃たれたとき、キロランケがどこかに合図していた」と教える。谷垣達は鶴見に捕まる。
白石とアシㇼパが予備の船で待つと、キロランケが来て「我々の動きが第七師団に筒抜けだったのは、インカㇻマッのせいだ」と言う。尾形も「谷垣は鶴見中尉に捕まった。アシㇼパの父と杉元は死んだ」と知らせる。
翌日、鶴見中尉の元で杉元が目を覚ますと、名医の家永が治療していた。家永は杉元の脳実をつまみ食いしていた。インカㇻマッは危険な状態で谷垣と鶴見に「キロランケたちは樺太へ向かったはず」と教える。杉元は、狙撃したのは尾形だと感じる。
キロランケが「杉元まで撃つ必要があったのか?」と聞くと、尾形が「のっぺら坊に杉元が言葉を交わした。金塊かアシㇼパしか知らない暗号を解く鍵か。あんたの事か」と話す。
杉元は「尾形もキロランケもぶっ殺してやる」と怒り狂う。鶴見は辺見と二瓶の刺青人皮を手に入れた事を感心する。
監獄の正門の外に出た時、インカㇻマッはキロランケに合図の事を聞くと、キロランケは白石とアシㇼパを先に行かせる。キロランケはマキリでインカㇻマッを脅し、2人がもつれて倒れた時に、マキリがインカㇻマッの腹に刺さる。インカㇻマッが「なぜウイルクを殺したの?」と聞くと、キロランケは「あいつは変わってしまった。金塊の情報を古い仲間に伝えに行くはずだったのに」と答える。
鶴見は杉元と谷垣に「のっぺら坊は7人のアイヌを殺した後、金塊を少量持って樺太へ向かう途中で捕まった。確かな情報を持って行き、本体を動かすつもりだった。アシㇼパと言う重要な鍵を手に入れ、キロランケはかつて極東でゲリラ活動をしていた仲間と合流する可能性が高い。パルチザンにアシㇼパが確保されると厄介だ」と話す。樺太に向かう杉元と谷垣に、鶴見は月島軍曹と鯉登少尉を先遣隊として同行させる。
永倉が捕まらずに、山から監獄を偵察していた。
教誨堂の地下室に土方、牛山、門倉、都丹が隠れていた。土方と牛山は、犬童が集めていた脱獄囚の情報を見つける。土方は南に向かうと言う。
船の上で杉元が鯉登将軍に「息子は死んで帰ってくるかもしれない」と話すと、鯉登将軍は「指揮官には若い命を預かる責任がある。息子にはそれにふさわしい人間になってほしい。我が子可愛さに危険から遠ざけるのは、戦死した子供の親たちに申し訳が立たない。のっぺらぼうも、アイヌに戦って死ねと促すのなら、我が子供を先頭に立たせるのが筋だと思ったのだろう」と話す。
アシㇼパは、杉元が「父に会わせられなかった。約束を守れなくて済まない」と謝る夢を見る。杉元は「待っていてくれ。必ず迎えに行くから」と言う。
アシㇼパが目覚めると、白石に夢の話をして「あいつは死ぬわけない。あいつは不死身の杉元だ」と言う。