実写版『ゴールデンカムイ』ネタバレの詳しいあらすじ | アンパンマン先生の映画講座

アンパンマン先生の映画講座

映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

監督:久保茂昭 2024年

主な登場人物(俳優)役柄

【主人公】

杉元佐一(山﨑賢人)鬼神のごとき戦いぶりから、「不死身の杉元」の異名を持つ元軍人。

アシㇼパ(山田杏奈)自然の中で生きるための豊富な知識を持ち、北海道の過酷な大地で生きるアイヌの少女。

【刺青囚人】

後藤竹千代(マキタスポーツ)北海道に砂金を探しに来た杉元が出会う男。

白石由竹(矢本悠馬)「脱獄王」の異名を持つ天才脱獄犯。

笠原勘次郎(島津健太郎)小樽で刺青囚人の聞き込みをする杉元らの後を白石と共に追う。

牛山辰馬(勝矢)「不敗の牛山」と呼ばれる柔道の達人。大柄で強靭な肉体と石のように硬い頭を持つ。

【大日本帝国陸軍第七師団】

鶴見篤四郎(玉木宏)中尉。情報収集や分析能力に長ける情報将校。日露戦争で前頭部を損傷し、プロテクターで保護している。

尾形百之助(眞栄田郷敦)上等兵。兵士として卓越した才を持つ、凄腕のスナイパー。

月島基(工藤阿須加)軍曹。上司である鶴見中尉の側近。

二階堂浩平/洋平(柳俊太郎)一等卒。外見のみでなく、挙動や性格まで似通っている双子の軍人。

谷垣源次郎(大谷亮平)一等卒。東北マタギの生まれで、山で生きる術を身に着けている。

【土方一派】

土方歳三(舘ひろし)戊辰戦争で戦死したとされていたが、政治犯として幽閉され、生きながらえていた元新選組「鬼の副長」

永倉新八(木場勝己)元新選組二番隊隊長で「新選組最強の剣士」と呼ばれた剣の達人。

【アイヌの一族】

ウイルク(井浦新)アシㇼパのアチャ(父親)5年前に金塊事件で死亡。

ススポ(大方斐紗子)アシㇼパの母方のフチ(祖母)。

マカナックル(秋辺デボ)アシㇼパの母方の大叔父。

オソマ(永尾柚乃)アシㇼパの従妹。病魔除けで汚い言葉の幼名「オソマ(糞)」を命名されている。

【杉元の幼馴染】

寅次(泉澤祐希)杉元の幼馴染。梅子の夫。杉元と同じ二百三高地へ出兵する。

梅子(高畑充希)杉元の幼馴染。寅次の妻。目の病気を持つ。

 

 「カント オロワ ヤク サク ノ アランケブ シネブ カ イサム(天から役目なしに降ろされたものはひとつもない)」

 〔1904年、明治37年。遼東半島旅順二百三高地〕日露戦争で最も過酷な戦闘。日本兵13万人中、死傷者6万人。ロシア兵の死者4万6000人。生きては戻れない地獄の戦場であった。

 日本兵の死体が多数転がっている。塹壕に杉元佐一と寅次が待機していると、突撃命令が下る。塹壕から飛び出し、砲弾が落ちる中、日本兵が突撃するが、ソ連兵による機銃掃射で次々にやられる。杉元佐一は負傷しながらもソ連兵の塹壕に飛び込み、「俺は不死身の杉元」と叫んでソ連兵を次々に殺す。

 (タイトル『GOLDEN KAMUI』)

 〔2年後。北海道〕

 杉元は川で砂金を採っていた。それを見ていた酔った後藤竹千代が、砂金にまつわる面白い話があると言う。

 「昔、北海道の川では砂金がザクザク採れていた。明治になってからも迫害する日本人に抵抗するため、一部のアイヌが密かに軍資金を貯めていた。一人の男がアイヌを皆殺しにして、金塊20貫、80万円(現在の80億円)を奪った。その男は金塊を北海道の何所かに隠し、捕まって網走監獄に入れられた。男は脱獄できないように、片足の腱を斬られた。男は金塊の在りかを外の仲間に知らせるため、同じ房の死刑囚の体に、埋蔵金の在りかを記した暗号の刺青を彫り、「脱獄に成功した奴には金塊を半分やる」と言った。刺青は全員で1つの暗号になっている。噂を聞いた屯田兵が死刑囚を移送中に、囚人が屯田兵を皆殺しにして全員脱走した。その後、誰も捕まっていない」

 酔いが覚めた後藤は、口封じに杉元を銃で襲うが、失敗して逃げる。杉元が追うと、ヒグマに殺された後藤を見つけ、身体に彫られた刺青を発見する。後藤の話が真実だと確信した杉元は、後藤の死体を背負って逃げる。途中で杉本は巣穴から出て来たヒグマに襲われ、絶体絶命になる。アイヌの少女アシㇼパが毒矢でヒグマを倒す。

 アシㇼパは、後藤を襲ったのは、マタカリプ(冬を徘徊するもの)と言う冬ごもりしそこなった凶暴なヒグマで、食いかけの獲物の後藤を追いかけてくる。後藤の死体を置いて行けと言う。杉元は後藤の刺青を見せ、彼から聞いた話をして「話が本当なら、後藤の死体をヒグマに食われるわけにいかない。力を貸してくれ」と頼む。アシㇼパは「信じる。殺されたアイヌの中にアチャ(父親)もいた」と話す。

 アシㇼパは焚火の明かりで、後藤の死体を囮にしてヒグマを撃つと言う。アシㇼパは後藤の刺青を見て、殺して皮を剥ぐのが前提で彫られたと言う。アシㇼパは後藤の皮を剥ぐ時間がないので、自分達でヒグマを殺すしかないと言う。

 ふいにヒグマが杉元襲ってきて、杉元はヒグマの腹にしがみ付く。焚火が消え、アシㇼパは暗闇で矢を放つがはじかれる。ヒグマはアシㇼパに向かう。白いエゾオオカミのレタㇻがヒグマに噛みついてアシㇼパを助ける。その隙に杉元が銃でヒグマを撃つ。ヒグマは杉元に向かってくると、ヒグマの体重を利用して銃剣で刺し殺す。杉元は生きていた。アシㇼパは「捨て身の作戦だ。和人にしてはやるな」と褒める。

 アシㇼパは「5年前、父と男7人は、金塊を移動させている道中に殺された。遺体はバラバラだった。犯人が網走刑務所に入れられていた事は知らない」と話す。

 アシㇼパはヒグマを解体し「殺した杉元の物だ」と熊の胆嚢を杉元に挙げる。「アイヌは、人を殺したヒグマはウェンカムイ(悪い神)なので肉は食べない。人を殺すとテイネポクナモシリ(地獄)に落ちる。弱い物は殺される。私も人を殺したくない」と言う。杉元は「それなら俺は特等席だ」と言う。

 杉元は後藤の皮を剥ぎながら「この刺青の囚人が生きていたので、まだ金塊は見つかっていない。犯人は金塊が発見されるまで死刑執行しないはずで、犯人は生きている。金塊が見つかれば、その男は死刑執行になり、あんたの父親の敵討ちになる」と言う。そこで「手を汚すのは俺がやる。アシㇼパは知恵を貸してくれ。2人で手を組めば、鬼に金棒だ。俺と組んで金塊を見つけよう。分け前を貰えたら、金塊を返す」と誘う。アシㇼパは「1つだけ約束しろ。人殺しは無しだ」と同意する。

 アシㇼパはリスの餌場のエゾ松にくくり罠を仕掛け、「リスは木の実しか食わないので肉が美味しい」と教える。

 杉元は「脱走した囚人達が金塊を探しているなら、内地に逃げず、北海道のどこかにいる。小さな町だと目立つので、大きな町で人に紛れているはず」と考える。

 〔小樽〕

 小樽は港湾都市として栄え、北のウォール街とも呼ばれ、金融街も栄えていた。

 杉元は銭湯で常連客に、変わった刺青の男に見ないか聞くが、手がかりなし。常連客は杉元の傷を見て「よく生きていたな」と拝む。

 アシㇼパと杉元が私娼窟街で変わった刺青の男を探すと、同じ事を聞いてきた男がいると知る。

 アシㇼパと杉元が街で刺青男を聞きまわっていると、笠原勘次郎と白石由竹が追ってきて、2人ともアシㇼパが仕掛けたくくり罠にかかる。2人の身体にも刺青があった。杉元は「他の囚人はどこにいる」と聞くと、笠原は「囚人同士が殺し合いになった。逃げ出して、俺たちは潜んでいた」と答える。杉元は「誰かが気付いた、その刺青は殺して皮を剥ぐ必要があると。元々金塊を山分けする気はなかった」と教える。

 杉元が2人の皮を剥ごうとすると、アシㇼパは「殺すなら協力しない」と止める。杉元は脅して話を聞き出すつもりなので、演技してくれと頼む。

 2人を裸にして縛り、アシㇼパは2人の刺青を模写する。笠原は刺青を彫った男を「のっぺら坊」と呼ぶ。

 すると笠原が尾形百之助上等兵に狙撃される。

 

アシㇼパは生木を燃やして煙幕を張り、アシㇼパと杉元、白石が逃げる。尾形が足跡を追うと、アシㇼパの罠で銃剣を取られる。尾形は最強の陸軍第七師団の日本兵だった。尾形は「不死身の杉元」の名前を知っていた。尾形は杉元の銃の遊鉄を取り、2人は格闘になる。逃げる尾形に杉元が銃を投げると、尾形は倒れて崖から川に落ちる。

 アシㇼパに「不死身の杉元」の意味を聞かれた杉元は「死なない方法は、殺される前に殺す事だ。弱い物は殺される」と答える。

 白石は「脱獄王」の異名を持ち、口の中に隠した剃刀で縄を斬り、逃げ出す。それを見た杉元は白石を追うが、白石は雪を滑って逃げ、2人とも川に落ちる。川から出た杉元は、凍死を防ぐため火を起こそうとマッチを擦るが、湿って点かない。杉元は川に入って落とした弾薬を拾おうとし、白石にも手伝うように頼む。白石は手伝ったら逃すように取引し、杉元は了解する。白石は口の中から弾薬を出す。

 杉元は弾薬を銃剣で叩いて火薬を発火させて種火を起こし、焚火を作る。焚火に温まり、服を乾かしながら白石は「刺青の囚人は24人。脱獄の指示をした囚人の親玉は、奪った剣で屯田兵をあっと言う間に切り捨てた。新選組の副長・土方歳三と言われている」と教える。杉元は「死んだはず」と驚く。白石は「俺達はのっぺら坊に、小樽へ行けと指示されていた」と教える。

 杉元は白石に「刺青を狙っているのは囚人やのっぺら坊の仲間だけでなく、第7師団も追っている。逃げた方が良い」と忠告する。乾いた服を着た白石は「俺は脱獄王だ。捕まってもいつでも逃げ出せる」と言って去る。

 刺青の囚人・牛山辰馬が売春宿で女を抱いていると、土方歳三がやって来る。牛山は「お前が売ったな」と、女を放り投げる。土方は刀を牛山の額に当てると、牛山は「刀で俺の頭を斬れると思うか」と凄む。土方は刺青を書き写した油紙を見せ「殺し合わずに協力しろ。いずれ第7師団とやり合い、刺青人皮を奪い取る」と誘う。牛山が「時代遅れの刀を振り回すのか?」と言うと、土方は「男はいくつになっても、刀を振り回すのが好きだ」と言う。

 アシㇼパはクチャ(狩猟小屋)で、罠で捕らえたリスの肉と骨を刃物で叩いてチタタプ(我々が刻むものの意味のひき肉)にする。アシㇼパは杉元にも「チタタプ」と言いながら刃物で叩くように言う。アシㇼパは杉元が食べやすいように、オハウ(肉のスミレ汁)を作る。アシㇼパは狩猟を父に教わったと言う。アシㇼパと杉元は「ヒンナ」と感謝しながら食べる。

 杉元は持っていた味噌を入れたら合うと言うが、味噌を見たアシㇼパは「私にウンコを食わせるつもりか。絶対に食べない」と拒否する。

 第7師団の兵士が川岸で尾形上等兵を救助する。第七師団の情報将校・鶴見篤四郎中尉が来て、尾形に「誰にやられた?」と聞く。尾形は手で「フジミ」と伝える。

 2人は雪原でヒグマの巣穴を見つける。アシㇼパは、ヒグマは巣穴に入って来た人間を襲わないので、父は毒矢を持って巣穴に入り、ヒグマを仕留めたと言う。

 アシㇼパは山の上に反射光を見つける。杉元は双眼鏡だと教え、2人は急いで逃げる。スキーに乗った第7師団の兵士4人が、2人をスキーで追跡する。アシㇼパは足跡を見えなくするため、笹薮を通って逃げるように指示する。逃げ切れないと思った杉元は、2手に分かれ、アシㇼパに後藤の刺青人皮を託し、「捕まったら抵抗せずに渡せ」と指示する。アシㇼパも杉元に「戦うなんて思うなよ」と忠告する。

 7師団の兵士も分かれ、東北マタギ出身の谷垣源次郎一等卒がアシㇼパを追跡する。谷垣は足跡が途中で途切れる止め足に気づき、近くの木の上にアシㇼパがいるのを見つける。下りてきたアシㇼパは、刺青人皮の包みを落として谷垣の注意を引き、後ろから襲おうとするが気づかれ、武装解除される。谷垣はエゾオオカミのレタㇻに襲われ、足を負傷する。

 杉元は、第7師団の玉井芳蔵伍長ら3人に見つかり、銃を向けられる。杉元は「アイヌの娘に案内させてシカを密猟していたので逃げた」と言い訳する。しかし、兵士の一人が「不死身の杉元」を見た事があり、尾形が「不死身」にやられたと言っていたと話す。

 杉元は背後にあったヒグマの巣穴に飛び込む。玉井は巣穴に向かって銃を撃つが、出て来たヒグマに顔面をえぐり取られる。一人はヒグマに投げ飛ばされ、もう一人は銃を撃つがヒグマに倒される。

 杉元が巣穴から出てくると、3人の兵士はヒグマに殺され、ヒグマも死んでいた。杉元は残された子グマをアシㇼパに食われないように、自分で育てる事にして懐に入れる。アシㇼパが来て「巣穴に入るのは、父以外は初めてだ」と感心する。アシㇼパは「アイヌは子グマをコタン(集落)で大切に育てる」と教える。

 アシㇼパと杉元は、彼女のコタンを訪れる。アイヌの子供達が杉元に寄って来て、アシㇼパは「アイヌ人は好奇心旺盛だ」と杉元に教える。アシㇼパはチセ(家)から出て来た母方のフチ(祖母)に杉元を「私の友人だ」と教える。フチは「初めてアシㇼパが連れて来た客だ。大切にもてなす」とアイヌ語で言う。

 アシㇼパの従妹のオソマが来る。アシㇼパは「幼い時は病魔除けに汚い名前を付けるので、オサマ(ウンコ)と言う名だ」と教える。アシㇼパの幼名も「ウンコの腐った塊」だと言う。

フチが「アシㇼパは父に連れられて山に入ってばかりなので、編み物ができない。この娘を嫁に貰ってくれ」とアイヌ語で杉元に頼む。杉元は何と言ったか聞くと、アシㇼパは「ウンコは食べないと言った」と誤魔化す。

 アシㇼパはカワウソのオハウ(汁物)を造り、一番美味しい頭を杉元に挙げる。食べる時、フチは首の後ろにいるトレンペ(自分の守り神)にお供えする。杉元はアシㇼパがやるのを見た事がないと言うと、アシㇼパは「私はアイヌの新しい女だから」と言う。

 杉元が「味噌を入れるともっと美味しくなる」と、フチに味噌を挙げる。アシㇼパは「ウンコを婆ちゃんにあげるのか」と怒って、ストウ(制裁棒)で杉元を殴る。

 その夜、アシㇼパとオソマが寝ていると、アシㇼパの大伯父が来て杉元に「アシㇼパが懐いているので、杉元は悪い奴じゃない」と言い、「あの砂金は魔物が付いている、呪われたものだ。砂金を追うのは止めた方が良い」と話す。

 オオカミの遠吠えが聞こえる。杉元が「白いオオカミを見た」と話すと、大伯父は「親がヒグマに襲われて一人ぼっちの白オオカミの子をアシㇼパが拾って来て、白いの意味のレタㇻと名付けた。アシㇼパはレタㇻといつも一緒に狩りに行った。しかし、2人がすむ世界は違った」と言う。

 ある夜、オオカミの遠吠えを聞いたレタㇻは出て行った。アシㇼパは「私を一人にするのか」と泣く。

「それ以来、アシㇼパは笑顔を見せなくなった。でも、最近は明るい。あんたのお陰だ」と感謝し、大伯父は寝ているオソマを連れて帰る。

フチは杉元に「いつまでもアシㇼパと一緒にいてください」とアイヌ語で頼む。杉元は意味を察する。

 夜中、杉元は黙ってコタンを出て行く。

 朝、アシㇼパが目を覚ますと。杉元はいなかった。

 鶴見中尉は「谷垣は東北マタギ。3人も雪の行動は知っている。4人が遭難したとは考えにくい」と考える。そこに和田光示大尉が来て鶴見に「部下が1名重体、4名行方不明とはどういう事だ」と責める。鶴見の額から脳の汁がしに出す。鶴見は自分を指差した和田大尉の指を噛み千切り「戦争で脳を負傷した。カッとなりやすい以外は健康だ」と言う。和田が月島軍曹に撃つように指示すると、月島は和田を射殺する。

 白石は女郎宿に行くと、牛山に鉢合わせし、慌てて逃げる。白石は道で出会った第7師団の兵士達に「変な刺青をした男に追われている」と訴える。兵士達は牛山に銃を向ける。牛山は兵士を投げ飛ばす。土方の部下が牛山を援護して兵士にダイナマイトを投げ、爆発が起こる。

 爆発音と銃声を聞いた鶴見に、兵士が「刺青の男がいたと報告があった」と伝える。土方が現場にやって来ると、もう一度爆発が起こる。金融街で爆発したと聞いた鶴見は、陽動作戦だと気付く。

 鶴見が銀行へ行くと、金庫の外の壁が爆破され、持ち出された後だった。土方が金庫には何があったか行員に尋ねると、現金や有価証券、宝石、絵画や刀剣と答える。

 土方は愛刀の和泉守兼定を金庫から盗み出していた。鶴見が銀行の2階の窓から、馬に乗っている土方を銃で撃つが、帽子に当たり、土方は逃げる。鶴見は「この世に恨みを残した悪霊めが」と呟く。

 杉元がニシンそばを食べていると、店の女が通報して、双子の兵士の二階堂浩平・洋平一等卒と第7師団の兵士達に捕まる。二階堂洋平が杉元を殺そうとするが、鶴見が止める。

 第7師団の根城で鶴見は杉元に「お前の寿命の蝋燭は、いつでも消せる」と脅す。鶴見は杉元に団子を食べさせる。杉元は名前を誤魔化そうとするが、鶴見は「旅順の二百三高地で杉元を見た。尾形をやったのはお前だ」と言う。鶴見は「刺青をどこに隠した」と迫る。杉元がとぼけると、鶴見は団子の櫛を杉元の頬から反対の頬まで突き刺す。

 鶴見は「生き残る道は唯一つ、我々の手に付く事。金塊でアヘンを栽培して設け、武器を買い、第7師団を乗っ取り、北海道に軍事政権を作る」と言う。鶴見は金貨を見せ「アイヌの殺人現場で見つけた。金塊は本当にある。一緒に手を組まないか」と誘う。杉元は拒否する。鶴見は「蝋燭、ボリボリしようか」と言う。

 アシㇼパは、杉元が忘れた靴下の匂いをレタㇻに嗅がせ、小樽で杉元を探す。ところがレタㇻがある家で見つけたのは白石だった。服を乾かした時、杉元は間違って白石の靴下を履いたらしい。白石は、昨日、杉元が第7師団の根城に連れ去られたと教える。アシㇼパはそこへ連れて行くように白石に頼むと、白石は「どうせ手遅れになっている」と断る。アシㇼパは毒矢で脅し、白石は渋々連れて行く。

 第7師団の根城の部屋で、椅子に縛られた杉元を、二階堂浩平・洋平が「自白するまで指を1本ずつ切り落とそうか」といたぶる。椅子に縛られた杉元が二階堂浩平・洋平に襲い掛かる。洋平が杉元の胸を短剣で刺す。騒ぎを聞いた、他の兵士が来て止める。

 白石はアシㇼパを第7師団の根城に案内し、2階の窓から覗うと、杉元を見つける。アシㇼパは「あいつは自分から死神にぎりぎりまで近づくことで、生き延びる活路を見出す。だからアイツは不死身の杉元なんだ」と言う。白石は杉元を助けるのに協力するので、金塊の分け前を要求し、アシㇼパは了解する。白石は石鹸を持っていないか聞くと、アシㇼパはヒグマの油ならあると言う。

 体に油を塗った白石は、鉄格子の間をすり抜けて杉元が監禁されている部屋に侵入する。すると浩平が部屋の外に見張りに立ち、部屋に洋平が杉元を殺しに来る。洋平が持っていた銃剣を杉元が奪って洋平を刺す。

 報告を受けた鶴見がやって来ると、浩平が泣き叫び、部屋の中では洋平が刺されて死んでいた。杉元も腸が出て「助けろ。刺青人皮でも何でもくれてやる」と死にそうだった。鶴見は部下に「病院に連れて行って、町一番の医者に診せろ。死ぬ前に刺青人皮のありかを聞き出せ」と命じる。

 鶴見は、洋平の死体が怪我した手で銃剣を持っていたのに違和感を覚え、服を脱がせると、腸を取った跡があった。

 馬橇で運ばれていた杉本は軽傷で、1人の兵士を蹴落とし、もう1人の兵士と橇の上で格闘する。兵士と杉元は橇から落ち、縄に掴まったまま引きずられる。するとアシㇼパが橇に飛び乗り、手を伸ばして杉元を助け、縄を切って兵士を振り切る。

 馬に乗った二階堂浩平が追いかけてくる。アシㇼパが馬の手綱を取り、橇の上で杉元と白石が戦う。アシㇼパが急カーブで浩平を振り落とす。

 すると馬に乗った鶴見がやって来る。アシㇼパが毒矢で馬を射て転倒させ、鶴見は落馬する。鶴見は走って追いかけ、銃で杉元を狙うが「今日の所は辞めておこう」と諦める。

 白石は第7師団の根城に火を点け、刺青人皮を探すが見つからない。鶴見が燃える根城に戻ってくる。鶴見は1枚上手な杉元一味に刺青一皮を集めさせた方が良いと思う。第7師団が持っている刺青人皮は、鶴見が着ていて無事だった。兵士に紛れていた白石は呆れる。

 杉元は刺青人皮を狩猟小屋に隠していた。杉元が「黙って出て行った事をアシㇼパに謝ると、アシㇼパはが杉元を殴る。「私は父を殺された。危険を覚悟だが、杉元と一緒なら目的が果たせるかもしれない、と自分で判断したから協力すると決めたんだ。私を子ども扱いして、一人で軽率に行動して捕まったのは、お前じゃないか」と責める。杉元は、どうしても金が必要だと言う。

 杉元の家は3人も肺病で死んだ。幼馴染の梅子は杉元を好きだったが、母親は杉元に近づくのを禁止する。杉元は父の遺体を寝せた家に火をつける。1年たって発症しなかったら戻って来る決心で、杉元は村を出て行く。杉元が戻って来ると、梅子は寅次と結婚していた。

 二百三高地で、杉元と寅次は一種になる。寅次はロシア兵の攻撃から杉元を守って犠牲になる。瀕死の寅次は「戦争が終わったら、一緒に北海道に行って砂金を採ろう。梅子の目を腕のいい医者に診せてやりたい。梅子を頼む」と言い残して亡くなる。

 杉元は寅次の遺品を持って、寅次の家に訪れる。目が殆ど見えない梅子は、寅次だと分からなかった。

 杉元はアシㇼパに「寅次との約束を果たして、梅子の目を治したい。だから金が必要だ」と話す。アシㇼパは、アチャ(父親)が好きだったアイヌの諺「天から役目なしに降ろされたものはひとつもない」を教え、「お前は生き残った。それには意味がある。私はアチャが殺された真相を探る。私達で金塊を見つけるぞ」と宣言し、杉元も同意する。

 (エンドクレジット。タイトル『ゴールデンカムイ』)

 土方は、元新選組最強の剣士と言われた永倉新八から武器を調達する。牛山は「まさか新選組で蝦夷共和国を作る気か。金塊200貫で夢見過ぎだ」と言う。土方は「のっぺら坊が教えた。金塊は2万貫(現在の8000億円)だ。国が造れる気がするだろう」と教える。永倉は「鶴見は情報将校なので、正確な額を把握している」と言う。土方は「北海道は戦場になる」と話す。

 キロランケ、インカㇻマッ、家永カノなどの姿が一瞬映る。

 アシㇼパの狩猟小屋で、白石が馬肉でさくら鍋を作る。杉元はアシㇼパに、味噌が愛っていると教える。味噌をオソマ(ウンコ)だと思っているアシㇼパが恐る恐る食べると、美味しさに驚き、お替りする。

 (エンドクレジット)

 北海道の雪原を歩く杉元とアシㇼパ。

 網走監獄にはのっぺら坊がいた。

(写真は「映画com」より)