『ゴールデンカムイ』テレビアニメのネタバレの詳しいあらすじ(第5~8話) | アンパンマン先生の映画講座

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映画の面白さやストーリーの素晴らしさを伝えるため、感想はネタバレで、あらすじは映画を見ながらメモを取って、できるだけ正確に詳しく書いているつもりです。たまに趣味のAKB48のコンサートや握手会なども載せます。どうかご覧ください。

 

 2024年1月19日に実写版『ゴールデンカムイ』が公開されるので、その前にテレビアニメ第1期全12話を見た。掲載字数の制限上、今回は第5~8話のあらすじを紹介する。

 

主な登場人物:読み(声優)役柄

【杉元一味】

杉元 佐一:すぎもと さいち(小林親弘)不死身の杉元と呼ばれる。元大日本帝国陸軍一等卒。

アシㇼパ:アイヌ語 Asirpa(白石晴香)小樽周辺のコタン出身、10代前半のアイヌの少女。

白石 由竹:しらいし よしたけ(伊藤健太郎)通称「脱獄王」。刺青囚人の1人。

【独立勢力】

尾形 百之助:おがた ひゃくのすけ(津田健次郎)歩兵第27聯隊上等兵。スナイパー。造反組の一人。

谷垣 源次郎:たにがき げんじろう(細谷佳正)歩兵第27聯隊一等卒。秋田県阿仁出身で元マタギ。

【土方一味】

土方 歳三:ひじかた としぞう(中田譲治)元新撰組副長の旧幕府軍志士。通称「鬼の副長」。

永倉 新八:ながくら しんぱち(菅生隆之)新撰組元隊士で、新撰組最強剣士と言われた。

牛山 辰馬:うしやま たつうま(乃村健次)刺青の囚人の一人。額の四角いタコと柔道耳が特徴の巨漢。

【第七師団】

鶴見 篤四郎:つるみ とくしろう(大塚芳忠)中尉。歩兵第27聯隊所属の小隊長で情報将校。

二階堂洋平:にかいどう ようへい(杉田智和)歩兵第27聯隊一等卒の双子の弟。

二階堂浩平:にかいどう こうへい(杉田智和)歩兵第27聯隊一等卒の双子の兄、

【刺青の脱獄囚】

二瓶 鉄造;にへい てつぞう(大塚明夫)初老の猟師。1人で過去200頭超の羆を狩った。

辺見 和雄:へんみ かずお(関俊彦)一見温厚な性格の漁師だが、100人以上を殺害した快楽殺人者。

【刺青の脱獄囚の関係者】

渋川 善次郎:しぶかわ ぜんじろう(新垣樽助)最近になって樺戸集治監を出所した盗賊団の頭。

【北海道アイヌ】

マカナックル:Makanakkuru(斧アツシ)アシㇼパの母方の叔父でオソマの父。

 

『第5話 駆ける』

 白石はアシㇼパを第7師団の根城に案内し、手遅れになっているかもしれないと言う。アシㇼパは「あいつは自分から死神にぎりぎりまで近づくことで、生き延びる活路を見出す。だからアイツは不死身の杉元なんだ」と呟く。

 椅子に縛られた杉元が二階堂浩平・洋平に襲い掛かる。洋平が杉元の胸を短剣で刺す。3人が格闘していると、他の兵士が来て止める。鶴見は「2人を杉元に近づけるな」と命令し、杉元を鎖で厳重に縛る。

 白石は2階に杉元が監禁されているのを見つける。白石は杉元を助けるのに協力するので、金塊の分け前を要求し、アシㇼパは了解する。白石は鉄格子を1本曲げ、体にヒグマの油を塗って通りやすくして、杉元が監禁されている部屋に侵入する。

 すると部屋に洋平が杉元を殺しに来て、浩平が部屋の外に見張りに立つ。洋平が持っていた銃剣を杉元が奪い、銃剣で洋平を刺す。

 浩平が扉を開けると、洋平が刺されて死んでおり、杉元もはらわたが出る重傷を負っていた。杉元は「助けろ。刺青人皮でも何でもくれてやる」と死にそうだった。鶴見は部下に杉元を病院に連れて行かせ、治療するように命じる。

 鶴見が傭兵の死体に違和感を覚え、服を脱がせると、はらわたを取った跡があった。

 馬橇で運ばれていた杉本は実は軽傷で、2人の兵士を蹴落として、馬橇で逃げる。すると馬に乗った鶴見が追いかけてくる。アシㇼパが毒矢で馬を射て転倒させ、鶴見は落馬し、杉元を追うのを諦める。

 鶴見が第7師団の根城に戻ると、火事になっていた。鶴見は1枚上手な杉元一味に刺青一皮を集めさせた方が良いと思う。第7師団が今まで集めた刺青人皮は、鶴見が着ていて無事だった。

 杉元は出て行ったことをアシㇼパに謝ると、アシㇼパが杉元を殴る。

 土方は、元新選組最強の剣士と言われた永倉新八から武器を調達する。それを見た刺青の囚人・牛山辰馬が「お前たち、ただの金塊目当てではないな」と尋ねる。

 杉元が盗んだ馬橇の馬は目立ち、レタㇻの餌も必要なので、白石が射殺し「さくら鍋」にすると言い、卵を調達に行く。杉元は「アシㇼパに何かあったら、祖母や皆に申し訳が立たない」と言う。アシㇼパは短剣で馬を解体し、「馬肉には晴を引かせる効果がある」と言って、馬肉を顔に貼るように言う。アシㇼパは「杉元と一緒なら目的が果たせるかもしれない、と自分で判断したから協力すると決めたんだ。私を子ども扱いして、一人で軽率に行動して捕まったのは、お前じゃないか」と責める。

 レタㇻは馬肉の餌にありつく。白石は卵の他にキャベツとゴボウ、砂糖、醤油、酒も手に入れた。アシㇼパの小屋で白石がさくら鍋を作る。杉元は旨さに感激する。味噌がウンコだと思っているアシㇼパが怖がりながら食べると、美味しさに驚く。

 土方は牛山や部下を従え、盗賊団の頭領・渋川善次郎を襲撃に馬橇で向かう。昼間に使者を送ったが戻っていなかった。土方は渋川の根城に入り、使いの者を聞くと、渋川は「痛めつけたら、アイヌの埋蔵金の事を話した」と言う。土方は外にいた見張りの生首を見せ「協力するか、殺し合うか、どちらか選べ」と迫る。渋川は殺し合いを選ぶ。土方は渋川と手下を銃で撃ち「皆殺しだ、一人もここから逃がすな」と指示する。牛山は「これが新選組鬼の副長の顔か」と感心する。

永倉新八が土方に「人は死するべき時に死ななければ、死に勝る恥があると言います。この年になって戦争を起こそうなんて、正気の沙汰とは思えません。あなたは死に場所がほしいのではありませんか?」と聞かれ、土方は「私はあと100年生きるつもりだ」と返事する。

 帰りの馬橇で牛山が土方に「あんた本気で新選組を作る気か。悪いが俺は金塊にしか興味ない。北海道占領なんて夢物語を誰が信じる」と話しかける。土方は「蝦夷地区を独立させたい人間は大勢いる。はるか昔からこの地に住んでいる」と答える。

 アシㇼパはエゾシカの足跡を見つけ、杉元と追う。杉元が水を飲みたいと言うので、アシㇼパはサルナシのツルを切り、樹液を吸わせる。アシㇼパはサルナシのツルで杉元のカンジキを作る。

 アシㇼパはオスジカが角研ぎをして、縄張りを主張した木を見つけ、その木を棒で叩く。シカがやってきて杉元が銃で撃つが、急所を外し、シカが逃げる。シカの足跡を探すと、アシㇼパは犬が1頭と男2人、その内1人は大柄で右足を怪我している足跡を見つける。

 猟師の二瓶鉄造は、行き倒れの谷垣を助けていた。右足を怪我した谷垣と猟師の二瓶鉄造はヒグマの巣穴を見つけ、猟犬のアイヌ犬リュウをけしかける。二瓶は出てきたヒグマを猟銃の1発で仕留める。谷垣と二瓶は白いオオカミを狙っていた。

 

『第6話 猟師の魂』

 二瓶はヒグマを解体しながら谷垣に「今まで仕留めたヒグマは200頭を越えたが、個性はすべて違うと言う。しかし共通の習性があり、習性を知り尽くせばこちらの有利に働く」と言う。二瓶はオオカミと勝負がしたいと言う。

 アシㇼパは杉元が撃ったシカの足跡をたどり、トドマツの下に潜んでいるのを見つける。アシㇼパがシカを追い立てるが、杉元がシカを逃がす。もうすぐ暗くなるので、アシㇼパは倒れた木で簡単な小屋を作る。杉元はシカを仕留められなかったことを公開する。

 小屋で二瓶が谷垣に、熊の心臓、血の腸詰、をふるまう。二瓶は谷垣に、どうしてマタギに戻らないのか聞く。谷垣は「ある目的があって軍に残った。山に入ったら、毒のようなものが抜けていくのを感じた」と言う。二瓶は「軍にも故郷にも戻れず、お前の漁師魂は北海道の森を彷徨っている。オオカミを獲ったら、毛皮を手土産に故郷へ帰れ」と言う。

 杉元は203高地の突撃の悪夢を見る。

 アシㇼパはシカが雪穴から出て行った後を見つけ、杉元と追う。シカが潜んでいると思われる杉を見つけ、杉元は風下に向かう。アシㇼパが追い立てると、シカは杉元の所に向かう。杉元はシカに自分の死の影を見つけて撃てなかった。レタㇻがシカをしとめる。血が氷柱になっていたのに懸命に生きようとするシカににらまれたら、杉元は動けず、「こいつは俺だ」と思ったのだ。アシㇼパハシカを解体する。

 アシㇼパは「最後まで責任を持てないなら、最初から撃つな」と責める。アシㇼパは杉元に、切ったシカの腹に手を入れさせ「シカは死んで杉元を温めた。シカの体温がお前に移って、お前を生かす。私たちや動物が動物を食べ、残りは木や草や大地の命に移り変わる。シカが生き抜いた価値は消えたりしない」と教える。

 二瓶は谷垣に、狼をおびき寄せる餌にシカを狩ると言う。猟犬のリュウが怯えるので、二瓶はオオカミの縄張りにいると言う。銃声が聞こえ、谷垣は日本兵の30年式小銃だと気づく。

 レタㇻは人の気配を感じ、シカの肉の分け前をもらって去る。杉元は脳みそを食うため、シカの頭を持たせられる。

 二瓶はシカの死体と大物のオオカミの足跡を見つける。谷垣は30年式小銃と長靴、シカ側の靴を履いた子供の足跡から、杉元とアシㇼパだと確信する。二瓶は肉をオオカミが食べに来るかもしれないと考える。

 二瓶と谷垣が追ってこないので、杉元とアシㇼパは小屋に戻る。小屋には白石がいて、酒を持っていた。皆でシカの肉を食べる。2人が肉を残すとアシㇼパは「シカが生きた証だ。全部食って全部忘れろ。それが獲物に対する責任の取り方だ」と言う。杉元は「もし俺が死んだら、アシㇼパさんだけは俺を忘れないでいてくれるかい」と言う。アシㇼパは「死ぬな、杉元」と泣く。杉元は「俺は不死身だ」と叫ぶ。

 白石は町で、金塊の暗号を彫られた囚人の情報を掴んだと言う。毛皮商人が、数年前に3人を殺して捕まったはずの男が、小樽に現れたと言っていた。めっぽう腕の立つ猟師で、「冬眠中の熊もうなされる悪夢の熊撃ち、二瓶鉄造」と呼ばれている。アシㇼパは二瓶鉄造の名前を聞いたことがあると言う。

 水浴びをした二瓶の体に暗号の刺青があるのを見て、谷垣は銃を構える。二瓶は「俺を撃ち、皮を剥ぎ、軍に戻るか?マタギの谷垣か、兵隊の谷垣か、今のお前さんはどっちなんだ」と聞く。

 昔猟師を殺して獲物を奪う悪い奴らがいて、ある日、二瓶を狙った。二瓶は3日かけて1人ずつ追いつめ、撲殺した。最後の一人で山狩りの警察に先を越された。二瓶は猟師の首を折って捕まる。二瓶は網走監獄へ収監されるが、山で死にたいから脱獄した。

 杉元は、昼間見たアイヌ犬を連れた男が二瓶だと悟る。白石は、二瓶が毛皮商人に「もし白いオオカミの毛皮が手に入ったら、いくらで買う?」と言っていたと話す。それを聞いたアシㇼパは驚く。

 二瓶と谷垣はシカの死体のそばで、レタㇻを待っていた。朝、シカの死体にオオカミの糞があった。谷垣は「送りオオカミ。オオカミは人間を追跡し、観察すると聞いた。最初に俺たちが来た時から、つけられていた」と言う。二瓶はオオカミの糞を燃やして、のろしを上げる。

 杉元たち3人は、のろしを見つけ、向かう。3人は、二瓶がレタㇻを狙っているのを見つける。アシㇼパは矢を撃ってレタㇻに危険を知らせ、レタㇻは逃げる。杉元は二瓶に銃を向ける。リュウが杉元を襲い、その隙に二瓶が斧で杉元を襲う。杉元は銃剣で二瓶を刺す。

 

『第7話 錯綜』

 杉元と二瓶が死闘を繰り広げ、白石は二瓶の猟銃を拾って二瓶に向ける。すると、谷垣がアシㇼパを盾にして、白石に銃を捨てるように言う。杉元は白石に降参するように言い「その子に見せるな。遠くに連れて行ってくれ」と頼む。

 二瓶はロープで杉元と白石を木に縛り、谷垣がアシㇼパを悲鳴が聞こえないくらい遠くに連れて行く。すると、杉元と脱獄王の白石は、ロープを切って逃げる。二瓶は2人が逃げたと谷垣に叫ぶ。

 谷垣はアシㇼパを連れて逃げると、アイヌの仕掛け弓の毒矢に足を撃たれる。縄をほどいてもらったアシㇼパが、毒が回るのを防ぐため、谷垣の足の肉をえぐり取る。

 二瓶が来て、レタㇻをおびき寄せるためにアシㇼパを人質にとる。アシㇼパは「ケチな金のために誇り高いカムイを絶滅させるのか?」と言うと、二瓶は「金などどうでもいい。俺はエゾオオカミが最後に見る猟師になりたいのだ」と言う。二瓶はアシㇼパを木に縛る。

 レタㇻがやって来て、二瓶に襲い掛かる。二瓶が銃を撃とうとすると、雌のエゾオオカミが二瓶に噛みつく。二瓶は満足して死ぬ。

 杉元と白石が来て、アシㇼパを木から降ろす。子供のオオカミもいた。谷垣も来る。

 杉元は二瓶の皮を剥ぐ。白石は荷車に谷垣を乗せて運ぶ。アシㇼパはコタンに3人を連れて行く。谷垣は治療を受ける。杉元と白石はシカの肉の料理をご馳走になる。アシㇼパは味噌を入れるようにせがむ。鮭を凍らせた肉(ルイペ)も美味しい。

 アシㇼパのフチ(祖母)は「ある日、鮭が上ってこなくなった。男達が砂金を採って川を汚したせいだ」と話す。アシㇼパは「同じ事が日高、釧路、白老、あちこちで起こった。砂金は1か所に集められた。それが何年か続いたので鮭は獲れなくなり、生活は苦しくなった。アイヌは話し合い、砂金を採るのをやめた。争いの素となる砂金はそのまま隠され、話すことを禁じられた。やがてみんな年老いて、金塊の在りかを知る者は、この村の年寄り1人だけになった」と訳す。

 谷垣は、鶴見の話では金塊の量は20貫ではなく、2万貫はあると言う。白石は、鶴見が金塊を第7師団を乗っ取るために使うのを疑問に思う。杉元は「旅順攻囲戦だろう」と言う。谷垣は「勝利はしたが第7師団の将兵は、203高地を陥落させた頃には半分以下になった。花沢参謀長は手柄を立てようと正面突破に固執し、多数の将兵を戦死させたと揶揄されて自害。陸軍の中では部下達の落ち度とされて、報奨金は出ず、第7師団は格下げされた。だが鶴見は「軍事政権を作り、私が上に立って導く者となる。金塊を資源として、武器工場を北海道に置け」と命令する。

 外国の武器商人が「金塊で工場を造るなら早い方がいい。私が買い付けて世界中に売る。戦争はもうかる」と話す。

 鶴見は「父親を亡くした息子達などに仕事を与えろ。凍てつく大地を開墾し、日々の食糧の確保さえままならない生活から救い出す。それが死んでいった戦友たちへのはなむけである」と兵士に演説する。

 杉元は白石に「相棒との約束を守るだけだ」と話す。

 牛山は稽古しながら「女!」と叫ぶ。土方と牛山、永倉たちは町に行く。白石は遊女に聞き込みに行くと、牛山に鉢合わせし、慌てて逃げる。白石は出会った遊郭の男に、「他の店で娼婦をぶん投げて怪我させた奴はあいつだ」と教える。遊郭の男はあっという間に殴り飛ばされる。白石は雪の塔を倒すが、牛山は平気だった。白石は馬橇の馬を叩いて暴走させるが、牛山は馬をひねり倒す。白石は道で出会った7師団の浩平達に「変な刺青をした男に追われている」と訴える。兵士達は牛山に銃を向ける。

 

『第8話 殺人鬼の目』

 土方歳三は永倉新八に「2万貫の金塊がこの北海道のどこかに隠されている。日本の国家予算の3分の1程度だが、国外に持ち出せば相場は跳ね上がる。本当に国が作れる気がしてきただろう」と話す。

 牛山は白石を捕まえて振り回す。第7師団の二階堂浩平が牛山を銃で撃つ。土方の部下が兵士にダイナマイトを投げ、爆発が起こる。馬に乗った土方の部下が来て、牛山を逃がす。

 爆発音と銃声を聞いた鶴見と兵士が現場にやって来る。兵士が「1名射殺。馬で逃げた2名を追跡中。1人は刺青の脱獄囚ではないか」と鶴見に報告する。

 土方は銀行の壁を爆破し、貸金庫から宝石、現金を盗む。永倉は土方の日本刀を見つける。

 鶴見が銀行へ行くと、土方が愛刀の和泉守兼定を貸金庫から奪還したのを見つける。鶴見が馬に乗った土方を銃で撃つが外れ、逃げられる。鶴見は「この世に恨みを残した悪霊めが」と呟く。

 白石は遊郭に行き、頼んでおいた刺青の男の交換した着物を貰う。白石はアシㇼパにレタㇻを貸してくれと頼むが、断られる。

白石はリュウに着物の臭いをかがせ、牛山が潜んでいる新選組の根城を見つける。牛山は白石を捕まえ「土方は刺青を写させれば殺さないので手を組め」と交渉する。土方は仲間がいるか聞くと、白石は「不死身の杉元」と言う子分がいると話す。土方は、誰かの刺青人皮を持っているかと聞き、白石は持っていないと答える。土方は「協力するか殺し合うか、どちらかを選べ」と聞き、白石は協力すると言う。土方は白石に、辺見和雄の刺青人皮を入手するよう命じる。

白石は杉元に「やん衆(ニシン漁のために雇われた季節労働者)の中に脱獄囚が潜伏している。最近あちこちの漁場でやん衆が殺されている。犯人は辺見に間違いない。死体の背中に共通した文字が刻まれていた」と教える。

監獄で辺見が白石に「幼い弟が大きなイノシシに食われた。僕は隠れて見ているだけだった。絶望して光を失っていく弟の目を思い出すと、誰でも良いから殺したくなる」と話す。

白石は死体に「目」の文字が刻まれていたと話す。アシㇼパは「伯父達が海岸で、ニシンを追って来たクジラを捕まえている。その囚人に狙われないか心配だ。クジラを食べに海に行こう」と言う。

アシㇼパ、杉元、白石は海に行く。アシㇼパの叔父マカナックルが3人に、別のコタンの船がクジラに銛を打ち込んだが、昨日からずっと沿岸を引きずり回されているので加勢すると言う。

 その船を見つけ、マカナックル、杉元、白石がクジラに縄が付いた銛を打ち込む。クジラは縄で三隻の船を引いて逃げ、ニシン漁の船に突っ込み、一人の漁師が海に投げ出される。杉元は縄を切って、落ちた漁師の所に向かい、助ける。低体温症で死ぬのを防ぐため、船で急いで岸に向かう。

 漁師は岸のニシン加工用の火に当たる。杉元が「服を脱いで乾かした方が良い」と勧めると、漁師は「人前で服を脱ぐのが恥ずかしい」と言う。漁師は辺見だった。杉元は辺見に毛布を与える。

 体が乾いた辺見は、番屋で着替える。すると番屋で寝ていた漁師が辺見を見て、珍しい刺青だと言う。辺見は草鞋の縄でその漁師の首を絞めて殺す。

 辺見は杉元とアシㇼパをニシンの干場と、油を搾ったカスを見せる。辺見は杉元に殺されたいと思いながら、カス玉を切断する玉切り包丁を見せる。アシㇼパが帰ろうと言うと、辺見は白米の食事に誘う。アシㇼパと杉元は、白米とニシンの美味しさに感激する。

 アシㇼパが便所に行く。辺見は杉元に「旅順では何人殺しましたか?」と聞く。杉元は「顔も覚えている。せめて忘れないでやるのが、俺の償いさ。俺には殺さなければならない道理があった。その代わり俺がくたばるときは、安らかに死なせてもらおうと言うつもりはない」と話す。辺見は「この人に殺されたい。この人を殺そう」と思う。

(写真は「公式ホームページ」より)