スーツ姿の大人の水谷雫(土屋太鳳)が、折り紙を切った輪をつないで鎖を作っている。高校時代を回想し、「あの頃、私たちはみんな独りぼっちだった。私たちの世界を変えたのは、あの怪物だった」。机の上に仲間たちの写真がある。(タイトル『となりの怪物くん』)4月。松楊高校の入学式当日。吉田春(菅田将暉)は、2階の屋上から飛び降りると、数人の上級生の男子生徒を殴り飛ばす。その暴力事件後、春は登校しなくなる。同級生で勉強しか興味のない雫は先生に頼まれて、春の家にプリントを届けに行く。家はバッティングセンターで、春の従兄で店長の三沢満善(速水もこみち)に雫はプリントを渡す。雫は満善に勧められて、バッターボックスに立つが、さっぱり打てなかった。その帰り道、春がいきなり雫を押し倒して「学校の回し者か?」と聞く。雫がプリントを届けに来たと言うと、春は、皆怖がってプリントを届けに来てくれたのは雫が初めてだと言い、勝手に友達だと決める。1か月後、先生は再びプリントを春に届けるように雫に頼む。雫がバッティングセンターにプリントを届けると、春がいて、雫を誘ってカフェで食事する。すると数人の高校生が春に、友達だから金を貸せと言う。春は気前よく金を渡す。雫は、金をせびるのは本当の友達じゃないと、高校生を叱る。雫を送った春は歩道橋の上で、皆怖がって、優しくしてくれたのは雫が初めてだとうれし泣きする。雫は春を抱きしめながら、「いまに春の周りはたくさんの人で一杯になる」と言う。春は雫がいるなら学校へ行くと言い、「俺、雫の事好きかも」と告白する。次の朝、雫が登校すると校門に春が待っていて、一緒に校舎に入る。廊下で女生徒が春を怖がり、春が威嚇するので、雫は春をなだめる。春が教室に初めて来たので、中学の同級生の佐々原宗平(佐野岳)達同級生が驚く。春は雫にトイレまで付きまとう。放課後、春が料理店に連れて行けと言うと、雫は勉強が大事と断る。宗平は春と中学校が同じだった。野球部でいじめがあり、宗平は何もできなかったが、いじめていた生徒を春が殴ったと、雫に教える。入学式の日の暴力事件も、春がいじめを止めたのでは雫は思い出す。雫に勉強を教えてほしいと頼みに、美少女の夏目あさ子(池田エライザ)が来る。次の試験で赤点だと落第すると言う。雫は断るが、春が勉強を教えると言う。予備校のテストで、雫が紙の辞書を使っていると、隣の席で電子辞書を使っていた山口賢二(山田裕貴)が雫をからかう。期末テストの順位が発表になり、赤点を免れたあさ子は人生で最高の得点だと喜ぶ。2位は雫。1位は春だった。教室に春が鶏を連れてくる。皆で飼うことにする。バッティングセンターで、雫、あさ子、宗平たちが鶏飼育委員会を開き、鶏小屋を作ることになる。ホームセンターに材料を買いに行くと、春に金をせびっていた高校生たちがいて、賢二はこいつらが謝ると言う。小学校の頃、春をいじめると兄の優山が仕返しに来たと言う。鶏小屋が完成し、鶏を小屋に入れて飼う。満善から「優山が来た」とメールが春に届く。春は家に帰らず、雫の家に行く。家には雫の弟と父親がいて、父親は事業に失敗して、母親が遠くに仕事に出ていると言う。雫が料理を作ってご馳走する。雫が勉強していると、春は「お前が大事な物は、俺も大事」と言う。雫は子供の頃、母親に金魚を買いに行く約束をするが、行けなかった。それ以来勉強は裏切らない、頑張った分だけ返って来る、と勉強を頑張るようになった。春が家に帰ると、満善が「優山が会いたがっていた」と言う。春は「伯母さんの葬式に来なかったくせに」と兄を嫌う。体育のバスケットボールの試合で、春がロングシュートを決めるが、ゴールが逆だった。そんな春を雫達の隣のクラスの委員長の大島千づる(浜辺美波)が優しく見つめる。3か月後、夏休み。春は公園で子供たちとラジオ体操をする。雫はその脇で勉強している。春と雫がかき氷を食べて、雫が腕に落としたかき氷を春が舐め、雫はドキッとする。雫は少しずつハルへの恋心を自覚する。予備校の夏期講習で、雫はまた賢二と一緒になる。バッティングセンターの屋上で、みんなで花火をする。バーベキューをしていると、あさ子が火傷して、満善が手当てをしてくれ、あさ子は満善に好意を持つ。雫が帰ろうとすると、優山が店の前で待っていて、春が学校へ行くようになったお礼を言う。優山は、父が厳しくて春を追い出したと言う。やって来た春は、優山を追い返す。文化祭の準備で、千づるが春に話しかける。「大島は良い奴だ」と言う春に、雫は焼きもちを焼く。文化祭当日、春や雫たちの1年B組はお化け屋敷「ゾンビハウス」を開き、春は鮮血男爵、雫はナース風のゾンビに変身する。あさ子はちょっとした事で雫と口論になる。あさ子が「もう終わりだ」と落ち込んでいると、満善がそんなことはないと慰める。学園祭に来て校内で迷ったと言う賢二を、雫が校内を案内することになる。雫が「春といると苦しい」と言うと、賢二は「春に期待しているからだ」と答える。二人が一緒にいるのを見た春が、焼きもちを焼く。千づるが春に「雫を女として好き?」と尋ねる。屋上であさ子が落ち込んでいると、雫が謝りに来る。二人は抱き合う。夜、グラウンドでみんながフォークダンスを踊る。クリスマス。あさ子はある男子に告白されるが、断る。満善はあさ子に「良い恋愛は人を丸くする」と教える。あさ子は満善に「みっちゃんさんと丸くなれますか?」と尋ねる。あさ子は雫に、満善が好きだと告白する。雫は、年齢差は関係ないと応援する。雫の誕生日、2月14日。雫は自分で誕生ケーキを作り、部屋の飾りつけも自分でやる。千づるはチョコレートを春にプレゼントしようと呼び出す。現れた春は千づるに、雫への誕生プレゼントは何が良いか尋ねる。千づるは「雫がもらって喜ぶ物にすると良い」とアドバイスする。春は思いついて買いに行く。千づるは春にチョコレートを渡すのを諦める。あさ子は満善にチョコレートを渡そうとするが、満善は断り、諦めるように言う。雫の家では、父親と弟が雫の誕生日を祝うが、母親は仕事で来ない。雫は窓の外に春がいるのに気づく。春は、こっそりと雫の部屋にプレゼントを置こうとしていたのだった。春は雫にペンをプレゼントする。春も雫の誕生会に入ってお祝いする。帰り道、春は雫に、母親に電話するように言う。雫は春の携帯で電話すると、母親は「仕事中なので、ゆっくり話したいので1時間後に掛け直す」と言う。雫は「春が好き。分かった?」と告白する。1時間後、母からの電話を雫は受け取り、「好きな人ができたの」と母親に教える。高校2年の新学期。春と雫、千づる、あさ子は同じクラスになる。放課後の屋上で、春の膝の上で雫が昼寝をしている。春と雫はバッティングセンターに行く。春と雫は夏休みのラジオ体操に行く。バッティングセンターで雫はスイカ割りをする。皆で記念写真を撮る。高校の担任の部屋で春が寝ている。雫は春を起こすとキスする。先生が来て、雫に「吉田は進学しないで、マグロ漁船に乗ると言っている」と教える。バッティングセンターに優山が来て、春に「今度の日曜の僕の誕生会に来てくれ。父が待っている。おねがいだ」と言う。春は断るが、雫は行くように勧める。優山は雫も一緒に来るように誘う。春は「これで最後だ。これ以上俺の世界を壊すな」と行くことを承諾する。日曜日、春と雫は、優山の誕生パーティーの会場のホテルに連れてこられていた。雫はドレスに着替えさせられる。会場の大広間に行くと沢山の人がいた。春は研究所に来てくれと誘われる。優山に雫がプレゼントのメモ帳を渡す。優山は「春を連れて来てありがとう」と礼を言う。春の父親の吉田泰造(佐野史郎)は大物政治家で、ステージで優山の誕生パーティーにたくさんの人が来てくれたお礼を言い、次男の春を後見人にしたいと言う。春は断り、雫が引き止めるが、春は会場から出て行く。雫が川辺でぼんやりしていると、パーティーに来ていた賢二が雫に「春より俺の方が合っている。」と言う。雫は、いつもと変わらない日常が始まるのを期待して学校へ行くが、その日以来春は学校に来なかった。バッティングセンターにもいない。雫は冬期講習を受け、賢二と一緒に勉強する。電子辞書を貸し借りする仲になる。卒業式で、卒業生代表の挨拶を雫が行う。春は卒業式にも来なかった。教室でみんなと写真を撮る。雫は担任の先生から、春の荷物を持って行くように言われる。鳥の被り物など、段ボール箱いっぱいに思い出の品物が入っていて、雫は思い出して泣く。そこに賢二が来て、雫に「好きだ」と言う。雫は「私は賢二に助けられた」と言うが、「春は疲れる。でも楽しい」と賢二を断る。賢二は「後悔するな。俺ほどの男は一生現れない」と負け惜しみを言う。雫は、バッティングセンターの満善に荷物を届けると、満善はバッティングしていくように誘う。雫は、なかなかボールを打てなかったが、ついにホームランを打つ。すると、傍に春がいた。雫は、うれしすぎて反応に困る。春はメキシコ湾で研究船に乗っていたと言う。雫は「もう何もいらない。会いたかった」と春にジャンプして抱きつき、キスする。数年後、スーツ姿の雫が、折り紙の輪をつないで鎖を作り、バッティングセンターに飾りつける。仲間たちが来て、春と雫の結婚パーティーが始まる。雫は春に「大好き」と言う。優山もやって来る。(エンドクレジット)(写真は『Yahoo!映画』『公式ホームページ』から転用)
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