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志田窯の伊万里

 休日となると、月に二度くらいはいけない病気がどうにもならなくて、気付けば馴染みの古道具屋さんに足を運んでしまいます。そしてたまに行くといい具合に自分好みの品物が入荷していて、骨董という商品の特性上そのまま放っておくことができずついつい購入してしまうということが多いんです。こんなことを何年繰り返していることか...


 この日も例にもれずそんな一日でありました。何かあって欲しい気持ち半分、何もない、もしくはあってもあきらめのつく値段であることを願う気持ち半分。


...あった。


 結局今日もしょうもないものを持ち帰り、またいけないループの中に帰っていく自分。

 今日も熱はありません。



購入品の中から


とりあえず志田窯の伊万里二点

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江戸後期の典型的な山水文染付皿。周辺が波型の形状を示すものはこのような中皿にみられ、40cmを超えるような大皿には見られないといわれています。この手は相当量産されたらしく、生産効率を上げるために山水図はかなり簡略化され、パターン化されています。最も多くみられる意匠のひとつ。


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こちらは明治期に入ってからのもの。二本松が描かれた意匠もまた志田窯の伝統的なもののひとつに数えられています。この頃になると呉須もいわゆる「ベロ藍」に置き換わり、志田窯の魅力ともいえるやわらかな呉須ダミの発色はもはや失われています。



折角なんで私物からも


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江戸後期~幕末期の「大根ねずみ(大黒ねずみ)」 これも志田窯を代表するデザインのひとつ。こうした吉祥が描かれたものが多いのも志田窯の特徴。実はこの手は長年にわたり広島県の江波焼と誤認されていたらしいです。窯跡の発掘調査や文献調査で誤認がとかれたのは割に最近とのこと。実際、かなり前に出版された書籍にはこれが江波焼と紹介されていました。江波焼の窯の規模というのは幻とされる姫谷の同程度とされ、資料もほとんど無く謎が多いとのこと。志田窯の伊万里は江戸後期から幕末期にかけて存在した伊万里の34基の窯のうち5基がそれにあたり、窯も大きかったので当時伊万里焼として生産されていたもののおよそ20%を占めていたとも推算されるようです。確かに骨董店でもそれくらいの割合で見かけるような気はします。


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幕末期の松竹梅文染付大皿。当時の鍋島焼にこれと酷似したものがあるとのこと。絵付け、呉須ダミの発色ともになかなのものです。これは数年前に更埴の旧家から出たもの。鉄道が無かった時代に遠く佐賀県からこれが人の手によって遠く長野まで運ばれてきたことを考えると、いろんなことが気になります。輸送方法、どんな道を通ってきたのか、何日くらいかかったのか、安全を確保するための工夫、宿代や人件費を含めた輸送コスト...

そして苦労をして、お金をかけて届けられたお皿は一体どれくらいの値段で取引されていたのか?

気になって仕方が無い。


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よく見かける山水文なます皿。これも典型的な志田窯の製品。縁周りに「口紅」。江戸後期。

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これも簡略化された山水をモチーフとした中皿。幕末期。縁周りにはいくつかのパターンが存在しますが、これは雷文。この手は値段も安く普段使いにはもってこいです。


志田窯の製品の見分け方のポイント

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意匠や、呉須ダミで多くのものはすぐにそれとわかりますが、それ以上に簡単に判別できる手がかりは「エンゴベー」の有無。「エンゴベー」とは陶肌をより美しく見せるため、表面のみに掛けられた白釉のこと。元々使用していた陶石は鉄分を含み、それがそれが表面に出てしまうと赤褐色の斑となってしまうのでそれを隠すためのもののようです。写真では分かりにくいですが器を裏返すとその境界や釉が線状に観察できます。白釉の施されていない裏側には鉄分による斑も見られます。こうした特徴は志田窯の製品のみにみられるもので、他の伊万里の窯の製品と区別して扱わなければいけない大きな理由でもあります。

「おひさま」の安曇野へ

第58回信州書芸展が6月17日~19日まで安曇野市穂高会館で開催されました。私は今回で4回目の出品です。昨年に続き、漢代の木簡隷の臨書作を出させていただきました。会場入りした午前10過ぎには、観覧する一般の方々の姿はまばらでした。


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展覧会場の様子

熟達し巧妙たる諸先輩方の作品の並びの中に稚拙な私の作品が有ると思うと、自分の作品と向かい合うのも辛い心地がするものです。しかしながら自分の未熟さをよくよく実感できるという点においては実際に足を運んで自分の書いたものと対峙することは大切なことのひとつと言えましょう。



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時間に余裕がありましたんで、展覧会場から3-4km離れたところに位置する安曇野高橋節郎記念美術館にも連れて行っていただきました。


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漆芸家 高橋節郎先生(1914-2007)


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展覧会のパーティー会場が穂高神社の敷地内だったので、しっかりお参りもしてきました。写真中央に高くそそり立つのは樹齢500年とも言われる孝養松。穂高神社は近年パワースポットとして注目されているところのひとつですよね。


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パーティーが終わった後、地元安曇野の書家 望月守谿さん にご案内いただき穂高神社から程近い妙法寺にある井上秋濤先生(1914-1953)の作品を拝観させていただきました。恥ずかしながら井上秋濤先生については全く知りませんでした。お寺の中にお邪魔する前、「井出君もきっと今日は衝撃を受けるはずだよ。」と守谿兄。玄関に入れさせて頂くとすぐ正面には一つの作品が飾られていました。それは書歴が浅い私にさえ普通じゃないなこれはと感じさせる書でした。玄関を上がってすぐの広間にはさらに2点。現代の人たちは持ち合わせないであろう非凡なるフィーリングで心の赴くままに一気に書き上げたであろうそれは自由さと堂々たる存在感が感じられました。望月さん、しっかり衝撃受けましたよ。ほんとにいいものを見させていただきました。

実は上の写真の2冊の遺墨集はお寺を出るときに、望月さんが私にプレゼントしてくれたものなんです。家に帰ってからじっくり見させていただきましたが、かつて安曇野にこんな天才が暮らしていたのかと、改めて驚きました。38歳で夭逝しながらも数多くの傑作を残した井上秋濤という人物の非凡さを語り継ぐ貴重な資料であるばかりでなく、私たちが創作する際のヒントがたくさん詰まったものでもあると感じました。また、この遺墨集に目を通してみて、臨書との関わりという部分で今後さらに良く考えていかなければいけないと思ったりもしました。

望月さんありがとうございました。同世代の人物のがんばりを感じることは自分にとってかなりの励みや刺激になりますよね。今後もお互いを高めていけるような働きかけができることを期待します。

もじゃもじゃ頭にさようなら

 今日の休みを逃すと今度髪を切に行けるのはいつになるんだろうか?鏡に映った自分の頭とカレンダーを見ると今日しか無いじゃん、ということになり、いつもお世話になっているところの開店を待ってさっそくTEL。


 何とか14時に予約が取れ、ひとまずセーフ。


 前回カットしたのは5月8日。実は一カ月ちょいしか経っていません。最近は天パのくせに髪をいつもよりかなり長めにしてるんで、いろんな方向に髪が巻いてエラいことになっちゃってました。この時期は湿気の影響もありますからね。


 今日はかなりの軽量化。とはいってもいつものこの時期に比べたらかなり長めです。非常にどうでもいいことなんですが...



 いつもと同じ感じを維持しようというのも悪いとは思いません。でもたまに突如湧いてくる、ちょっと変えてみようかという気持ちを大切にしたいものです。




そういえばこんなの持ってた


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 昔懐かしのバリカン。刃の部分は鉄製でそれ以外の部分はアルミでできているのでとても軽いです。数年前までは古道具屋でたびたびこのタイプを見かけましたが最近はあまり見かけません。実際に使うわけでも飾るわけでもありませんが、どういうわけか手にとってカシャカシャやっていると妙に手にフィットするなぁとか、使えもしないのに、これ結構使いやすいなぁ、なかなか良いねぇなんて感心してみたり...兎に角しょうもないことを考えた揚句、。値段も高くないし、場所を取るようなものでもないから、とりあえず買っとけみたいなノリになっちゃうわけです。


 これまたどうでもいい話なんですが、「バリカン」ってのが自分には大した理由もなく時々ツボなんです。バリカンというものには生まれ持っての愛すべきギャグ的要素が含まれていると言いますか、くだらない理由で笑かしてくれるんです。まずそのネーミングが何となく可笑しかったり、これで刈ったら確かに虎刈りにもなりますわなとか、時々上手く髪が切れずに「痛ッっ!!」とかなっちゃうんだろうなとか、衝動的に隣人のプードルを丸刈りにしてみましたとか...しょうもないけどfunnyなイメージが浮かんで来るわけですよ。


...ホントくだらなくてスミマセン。今日も熱はありません。