こんにちは。
“脚折り洞窟” から大慌てで逃げてきた、
ニャン吉です。
まったく、エラい目に会いました。
「だけどな、ニャン吉」
な、なんだよ。
「これから行くリフテン。この街があるリフト地方はフロストバイト・スパイダーが多い地方なんだぞ」
・・・・・・。
遠距離で気づかれてなければ大丈夫さ!!
草の陰からちょっと見えてるだけなら、ちゃんと狙いをつけて矢を射ることができる!!
「なんと消極的な・・・」
だって嫌いだから・・・。
「あ」
え?何?
「直立不動で全然動かないな」
う~ん・・・、ちょっと近づいてみてくれないか。
「分かった」
帝国兵じゃないか。
「もう一人、ボロボロのチュニックにボロボロのズボン、足にフットラップを巻いたヤツがいるな」
「こんばんは。ところでそこの猫」
はい?
「訂正するならば、こんばん “わ” ではなく、こんばん “は” が正しい」
あ!!ほんとだ!!
こんばん “わ” って言ってる!!
こんにち “は” はちゃんと “は” って言ってるのに!!
恥ずかしいニャ!!
「まあ、意味は通じるからいいとして、言いたいことはそれではない」
え?挨拶しただけじゃん!!
理不尽!!
しかも直訳チック!!
「“ストームクロークでは入隊希望者を募集中だ” と」
まあ、伝えるだけなら引き受けますが、ひとつ指摘してもよろしいでしょうか?
「なんだ?この服のことなら、俺のじゃないぞ。俺のカッコいいストームクローク装備は没収されちゃったんだ」
いや、指摘したいのはそこではなくて、貴方手首を縛られてましたよね?
「おう、おかげで背中が掻けなくて困ってるぜ」
うん、それは困りましたね。
でも、
「あ、ほんとだ!!」
自分がビックリしてどうする。
いや、気づけよ。
「それよりどうしよう、いきなり自由になってしまった。これはひょっとして逃げるべきか?」
俺に聞くなよ。
「大人しくしてれば食事にハチミツ酒を一杯つけてやる」
「ほんとか!?早く行こうぜ!!」
「違うのか?」
違わない。
なので俺にもハチミツ酒を一杯ください。
「すまん、今公務中でな。持ってない」
・・・・・・チッ、仕方ない。
手持ちのハチミツ酒で我慢するか。
もっと積みたかったのに!!
モーちゃんが “重い” って言うから!!
「ハチミツ酒の他に、アルトワインやエールも同じくらい積んでたな」
「酒好きはこれだから・・・」
モーちゃん、行くよ!!
早くリフテンに到着して、タレン・ジェイさん特製のカクテルを飲むんだから!!
「ハイハイ、じゃあ乗れ」
フフフ・・・タレンさんのカクテルは美味しいからな。
楽しみだなぁ。