20240517台湾の現状維持が日本の国益」 元陸幕長の岩田清文氏が講演 神戸「正論 | 前山和繁Blog

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このごろ、過去に書いた記事の誤っている箇所が気になり始めてきた、直したい箇所もいくつかあるが、なかなかできないでいる。

英語学習の記事も時折書くことにした。

台湾の現状維持が日本の国益」 元陸幕長の岩田清文氏が講演 神戸「正論」懇話会

 

 

 

中台の歴史的な関係のありようについて私は以前から中華人民共和国が台湾に攻め入るということはないと書き続けているし、変更するつもりはない。

 

習近平が何を発言しようとも中華人民共和国が台湾に攻め入るなどということはない。事情をよく知らない人々へのはったりである。

 

結論から書くなら、中国共産党と、そして2024年時点台湾にある国民党、民進党が同じ議会内に所属し答弁や決議ができる状況になったとしたら、それが中国(China)の民主化である。当然のことながらその時には中国大陸内の人々も台湾等の人々も同一の国の国籍を保有し成人なら選挙権を有している。

 

以上のように簡単にChina の民主化について説明している人はどの程度いるだろうか、私は研究者ではないから分からない。

 

中華人民共和国と台湾と、そして冷戦期に存在し1989年に統合された東西ドイツの関係はやや似ているが、その関係性のあり方については、一般に周知されていない。

 

1949年に共産党の下に中華人民共和国が出現し、台湾には大陸から逃げるしかなかった国民党が台湾党内での統治をすることとなった。そして国民党はいつか自分たちが大陸に戻り共産党の支配を終焉させたいという願望を持ち続けているのである。

 

そして台湾党内に居住している大陸からやってきている外省人の人口は2300万人のうち2割まで存在しない。客家語を母語とする客家人と閩南語を母語とする閩南人が台湾島ないの人口の大部分を占めている。

 

そもそもが台湾島内ですら母語の違う社会集団が複数存在しており、旧東西ドイツのようにドイツ語社会が二つに分断されたというものではない。

 

台湾はNATO規格の兵器を使用しているから西側かというと、そういうことではない。かといって旧東側とも全く違う。どこかの時点から清朝までは官僚が台湾島にまで出向いて徴税をしていたという歴史もあり、国民党が外省人のうちの主要な部分として移動してくるまで、大勢は漢民族が作り上げた官僚制の機能していた社会というしかない。

 

もう一度、上に書いた見取り図に戻るなら、中国共産党も、国民党も民進党も同じ議会に所属し同じ国家の有権者が投票によってそれらの党の議員が選ばれ、選ばれた議員が議会で答弁をし決議をするというのがChinaの民主化であるというのは、これまで存在しなかったIQテストのようなものである。私のIQは普通でしかないが、IQが高い人々であれば即座に理解できる構図であろう。しかしその構図はこれまでさほど周知されてこなかったから理解している人々は少ない。

 

米国がどこまで外交で発言できるかは分からないが、民主化要求は中華人民共和国のみでなく台湾に対してもした方が望ましいはず。台湾は国民党と民進党があり他の党もあるから民主主義というものへの感受性はあるが、いつか大陸に反攻したいという願望を持ち続けている厄介な部分がある。

 

大陸の漢民族も台湾の漢民族も同じ普通話を話す漢民族として武器を向け合わずに議会で利害調整をしてくださいという発言が国連から出てほしい。しかし大陸も台湾も漢民族以外の少数民族がいるし、多言語社会でもある。