森永卓郎氏『ザイム真理教』が示唆する「アベノミクス失敗」の本質 「財政均衡主義」という“根本教義”が「二本目の矢を止めた」
今になってようやく気づいたこと。リバタリアンというような人々は国民として国家に対して義務を果たすつもりがない人々という評価もできる。リバタリアンが投票をしているかどうかすらもあやふやである。
それはリバタリアン経済学者が政府による社会保障の拡充を望んだことなどなく、ベーシックインカムを導入するのと引き換えに行政サービス及び公務員を極力削減しなければならないという主張を以前からしていたのだから、気づかなかった言い換えに気づいただけである。
国民でありながら国家に対して無責任というのがリバタリアン。しかし以前、私は、リバタリアンは場合によってはディアスポラの境遇の人々の中にもいるのだから、国家に対して義務など果たすはずがないというようなことは書いた。
国家に対しての義務を果たすというある意味当然の発想をするのがリベラリストと保守主義者という通常対立し合う立場であるが、リバタリアンは異質なのである。
リバタリアンがなぜ緊縮を望むのかというと社会保障の財源確保というようなマクロ的には的外れな意図はなく、NY市場を注視しなければならない都合上、円高でなければならないという単純で厄介な意図があるからである。
米国株の注文数量を多くしたいから円高が望ましいなどという発想は、大部分の日本人には無意味なのである。
社会保障の財源確保のために消費税が必要と信じている人がいるとしたら、旧民主党との三党合意があったとはいえ自公政権に感謝してしまうことになる。だから無知無理解というのは非常に厄介なのである。
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2024年1月を過ぎてドル高により原油価格の上値が抑えられている。だからドル高円安でも原油価格は度を越して高くならない。
一時期目立った円安で資源高、原油高というコメントは事実ではないからまず見られなくなった。
結局、米ドルにしても円にしても通貨の価値が高くて自国にいいことは、さほどない。
Fedが利上げから利下げに転じれば米国の原油掘削リグの稼働率が上がり原油高にもなり米国経済の生産性が上がる。しかしロシアへの経済制裁をしなければならない以上Fedは政策金利を高めに維持している。米国にとって自国通貨であるドルを高くする利点は産油国への経済制裁ができるということ。これが重要な場面もある。
2024年2月時点で原油価格はさほどでなくてもFedが将来利下げ人転じた時に原油価格は急騰するだろうから、トリガー条項凍結解除はしなければならない。