「風の歌を聴け」(1980)、「1973年のピンボール」(1982)()に続く僕(と鼠)の物語。
【5月15日の記事】
【5月22日の記事】
【作品紹介:「講談社BOOK倶楽部」より引用】
1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月――北海道発
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。
美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという1頭の羊と<鼠>の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。
1982年秋、僕たちの旅は終わる。すべてを失った僕の、ラスト・アドベンチャー。村上春樹の「青春3部作」完結編。野間文芸新人賞受賞作。
【感想】
「風の歌を聴け」()は、まあ普通の青春小説、「1973年のピンボール」でピンボール マシン コレクターというちょっと不思議な村上春樹ワールドが展開して、本作では、いるかホテル🐬、そして羊男🐑といよいよ村上ワールドが花開く🤗
但し、読んでいて途中からそうだろうとは思ったけれど、それらの不思議ワールドが何故現出したのかという謎が、物語の最後すっきり明かされることはない。作者の興味はそこにはないからだ。
当時の大日本帝国の満州及び大陸進出が背景にある牧羊(羊毛産業)及び羊男は邪悪であるものの象徴、右翼の大物のモデルは、明らかにロッキード事件にも関与した児玉誉志夫であり、不思議な物語を通して日本🇯🇵の近代化とその闇を描いているのだろう。
著者:村上春樹
題名:羊をめぐる冒険
単行本発行日:1982年12月13日
文庫本発行日:1985年10月8日
発行元:講談社(講談社文庫)
読了日:2021年5月20日
No.11407 Day 4391