クリストファー•ノーラン「ダンケルク」(2017) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、旅行、モータースポーツ観戦、読書、映画·演劇·音楽·絵画鑑賞と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【特別予告 ワーナー ブラザース公式チャンネル 2020/7/19公開:1分34秒】





【イントロダクション:映画.comよりの引用】

「ダークナイト」「インターステラー」のクリストファー・ノーラン監督が、初めて実話をもとに描く戦争映画。史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。

ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていく。

この事態に危機感を抱いたイギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じ、1940年5月26日、軍艦はもとより、民間の船舶も総動員したダイナモ作戦が発動。戦局は奇跡的な展開を迎えることとなる。

出演は、今作が映画デビュー作となる新人のフィオン・ホワイトヘッドのほか、ノーラン作品常連のトム・ハーディやキリアン・マーフィ、「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランス、ケネス・ブラナー、「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズらが顔をそろえた。

第90回アカデミー賞では作品賞ほか8部門で候補にあがり、編集、音響編集、録音の3部門で受賞している。


【あらすじ(ネタバレ無し):2017年9月21日の記事より転載】

第二次世界大戦初期の1940年5月26日から6月4日、英国、ベルギー、カナダ、フランスから成る連合軍兵は、フランス北部のダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され、撤退を余儀なくされていた。

英国陸軍兵士トミー2等兵 (フィン・ホワイトヘッド)は、ダンケルク市街の戦闘で自身が属する分隊がドイツ軍の銃撃で全滅し、ダンケルクの砂浜に命からがら逃げて来たところ、友軍の兵士を砂浜に埋葬していたギブソン (アイナリン・バーナード)という無口な兵士と出会い、行動を共にする様になる。

ダンケルクに取り残された英国軍兵士の救助のため自身の小型船徴用の国命を受けた民間人のドーソン (マーク・ライランス)は、息子のピーター (トム・グリン=カーニー)、ピーターの知り合いのジョージ(バリー・コーガン)と共に、英国海岸から対岸のフランス ダンケルクに向けて出港する。

英国空軍戦闘機隊のファリア (トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ロウデン)はスピットファイアを駆り、ダンケルクでの撤退行動を攻撃するドイツ空軍を阻止するためにダンケルクに赴く。

トミー達は、ドイツ空軍の攻撃にさらされながらも、母国英国に帰るべく、わずかな数の救助船に乗ろうと奮闘する。


【結末までのネタバレありのあらすじをお読みになりたい方は映画ウォッチ(下矢印)をご参照下さい】



【感想2017年9月21日の記事より転載】


監督自ら、これは戦争映画ではないと言っている。ただ観客に、ダンケルクの海岸から逃げることの擬似体験をさせたかったと。

ある意味、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」(1968)と同じく、言葉に寄らない映像体験を試みた実験的映画で、セリフが極端に少ない。登場人物がどういう理由でダンケルクに来たのか、居たのか、過去は何をしていたか、といった説明的場面やセリフは、一切無い。


あらすじに書いた様に、ダンケルク大撤退(軍事上はダイナモ作戦と呼ばれ、実に30万人以上の兵が脱出した)を実話を、この映画は3つのエピソードで描いている。

ダンケルクの「桟橋」から何とか脱出しようとするトミー2等兵らのエピソード、それらの海岸に取り残された英国兵を対岸の英国側から救援に向かうドーソン (マーク・ライランス)らの「海」のエピソード、そしてダンケルクから脱出する将兵をドイツ空軍の攻撃から守るべく出撃した英空軍スピットファイア戦闘機の操縦士2名を描く「空」のエピソードだ。

「桟橋」と「海」と「空」の3つの物語の時間の流れ、一直線ではなく前後して描かれるのだが、字幕等は全く出ないので、映画を観ている途中で観客は「あっ、先程起きたことの前の時点に、時間は戻ったのだな」と気づく仕組みだ。

キリアン・マーフィ演じる英軍士官は「海」のエピソードでドーソンらの小型船に助けられるのだが、その後に「桟橋」のエピソードで、船がドイツ軍の攻撃で沈没し海を漂流するトミーを、その士官は救命ボートに乗せようとするが、定員オーバーなので「今乗せている兵隊たちを海岸に送り届けたら、また引き返して救助に来る」と言って去って行くので、あれっと思う。

また、スピットファイア一機が海に不時着水するシーンは「空」のエピソードで先に描かれるが、今度は「海」のエピソードに場面が転じると、時間が少し前に戻り、ドーソンたちの上空でスピットファイアとドイツ空軍が空中戦を演じて、被弾したスピットファイアが小型船の近くに着水したのを、ドーソンたちが助けに行くことになる。

この時間軸が3つのエピソード間で交錯し絡みあう感じがとても面白い。


クリストファー・ノーラン監督はCGは出来るだけ使わず、実写を好むことでも知られている。

前作「インターステラー」でも、ワームホールやブラックホールのシーンではさすがにCGを使用しているものの、宇宙船のシーンは専ら実物大のセットや模型を使って撮影していたが、今回の「ダンケルク」では、実際の海に船を浮かべ、本物の戦闘機を飛ばして、操縦士役の俳優も飛行機に乗せて撮影しており、リアリズムもここに極まれりである。

実写による美しい場面は多数あるのだが、例えば、ダンケルクの砂浜に不時着せんとするスピットファイア戦闘機の映像などは、息を飲む様な美しさだ。



【スタッフ•キャスト等】

製作:クリストファー・ノーランエマ・トーマス「ノーランの妻」
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
美術:ネイサン・クロウリー
衣装:ジェフリー・カーランド
音楽:ハンス・ジマー
視覚効果:アンドリュー・ジャクソン
キャスト:
トミー「英国陸軍2等兵」(フィン・ホワイトヘッド)
ピーター「ドーソンの息子」(トム・グリン=カーニー)
コリンズ「英国空軍 スピットファイアの操縦士」(ジャック・ロウデン)
アレックス「英国陸軍高地連隊2等兵」(ハリー・スタイルズ)
ギブソン「トミーと行動を共にする無口な兵士」(アイナリン・バーナード)
ヴィナント「英国陸軍大佐」(ジェームズ・ダーシー)
ジョージ「ドーソンに同行する青年」(バリー・コーガン)
ボルトン 「英国海軍中佐」(ケネス・ブラナー)
ドーソンに救出される英国兵(キリアン・マーフィ)
ドーソン「小型船の船長 ピーターの父」(マーク・ライランス)
ファリア「英国空軍 スピットファイアの操縦士」(トム・ハーディ)
英国空軍スピットファイア戦闘機隊 コリンズとファリアの隊長の声(マイケル・ケイン)

上映時間:1時間46分
米国アメリカ•英国イギリス公開:2017年7月21日
日本日本公開:2017年9月9日
第90回アカデミー賞:編集賞、録音賞、音響編集賞
前回鑑賞日:2017年9月11日
場所:TOHOシネマズ新宿スクリーン10(IMAX)
今回鑑賞日:2020年9月20日
場所:TOHOシネマズ立川立飛スクリーン1(IMAX)I列16番



【クリストファー•ノーラン監督作品リスト】

① フォロウィング(1998)
② メメント (2000)
③ インソムニア (2002)
④ バットマン ビギンズ(2005)
⑤ プレステージ(2006)
⑥ ダークナイト (2008)
⑦ インセプション (2010)
題名が太字の⑤⑥⑦⑨⑩は、鑑賞済の作品。





No.10931    Day 4096





【9月23日】