クリストファー•ノーラン「インターステラー」(2014) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?





【特別予告編 ワーナーブラザース公式チャンネル 2020/8/21公開:2分22秒】



スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」(1968)以来、と言っても過言ではない、骨太のハードSF映画。ワームホールやブラックホール、相対性理論や時間•空間•重力•多次元等々の最新の物理学理論にがっぷり四つに組んでいる。製作総指揮に名を連ねるキップ•ソーンはノーベル賞受賞の物理学者。
製作のリンダ•オプストは、カール・セーガン原作、ロバート•ゼメキス監督、ジョディ•フォスター主演のハードSF映画「コンタクト」(1997)の製作に携わった人物だ。

また、Wikipediaによれば、クリストファー・ノーラン監督は、この映画の製作時点で、相当「2001年宇宙の旅」を意識していたらしい。映画に登場する人口知能ロボットTARSとCASE(人類に反乱は起こさないが)や、ワームホールを抜けて、他の銀河系に行き、地球に帰還するというストーリーは「スペース・オデッセイ(「2001年宇宙の旅」の原題)」そのものと言える。

異常気象により穀物が死に絶え、滅亡に向かいつつある地球のシークエンスにかなりの時間が費やされているのかと思ったが、それは意外に短い。

父クーパー(マシュー・マコノヒー)と娘マーフ(マッケンジィ・フォイ~ジェシカ・チャスティン~~エレン・バーステイン)の物語はこの映画の重要な核だ。映画は父の冒険物語の様だが、実は、それに横糸の様に絡まる
娘の物語でもある。



ワームホールを超えた別の銀河系に、人類の移住可能な惑星を探すべく、旅立った、クーパーを含む、4名のクルーを乗せた宇宙船エンデュランス号。




しかし、先発隊が発見した2つの惑星の内、1つは海面に覆われた惑星、もう1つは氷とアンモニアを含む大気を持った惑星であり、人類の生存には適していなかった。




氷の惑星を発見した、先発隊のマン博士(演じているのはアメリカで人気絶大のマット•デイモン)の裏切りや、このプロジェクトの推進者で、クーパーと一緒に探索旅行に出掛けるアメリア•ブランド博士(アン•ハサウェイ)の父であるブランド教授(マイケル•ケイン)の大いなる嘘。



移住可能な星も見つからず、地球に残った人々を救えるのは、成長して物理学者となり、NASAに勤務するクーパーの娘マーフ(ジェシカ•チャスティン)なのだ。
【注意】この映画について何か語る為には、どうしても物語の核心に触れざるを得ないので、この映画を観る予定がおありの方は、映画をご覧戴いてから、以下の赤字部分(ネタバレあり)をお読み戴く様、強くお薦め致します。




ブラックホールの事象の地平線で、クーパーが、自分を最後はアメリアの乗った宇宙船から切り離し、彼女をもう1つの移住可能かもしれない、彼女の恋人であるエドマンズ博士の発見した惑星に送り出す。自分の命を捨てる覚悟で、引換えに得たブラックホールの貴重なデータ。




5次元空間に囚われたクーパーが、そのデータを、かつて地球を離れるときに、娘に餞別として送った腕時計を介してマーフに伝える。




娘は、それを元にやがて土星軌道上に、重力をコントロールした巨大な円筒型の宇宙ステーションを建造。地球を逃れた人々はその円筒の内側に暮らし、人類は滅亡を免れたのだ。

そして土星軌道を漂流しているところを奇跡的に救われたクーパーは、相対論効果で自分は数歳しか歳を取っていないのに、人類を救い孫たちに囲まれ最期のときを待つ娘マーフ(100歳超)に再会。
娘に別れを告げたクーパーは、ひとりエドマンズ博士の星に取り残されているアメリア・ブランド博士を助けるべく、再びワームホールの中に入って行く。


このハードSFにリアリティをもたらしているのは、映画冒頭のクーパー一家の日常の描写。クーパーとマーフの父と娘、アメリアとブランド教授という父と娘が重層的に描かれるドラマの構造。ハードSFの前提となる人間のドラマが、細かくリアルに描かれているところも私の好み。

また、この映画は「2001年宇宙の旅」の様に、その解釈や科学的考証の正確さについて、人と議論を交わしたくなる映画だ。事実、特に英語圏のネットでは「インターステラー」の謎解きや、科学的考証についての記事が多数見られる。

【スタッフ•キャスト等】

監督:クリストファー•ノーラン
脚本:ジョナサン•ノーラン(クリストファー•ノーランの弟)、クリストファー•ノーラン
製作:リンダ•オプストエマ•トーマス(クリストファー•ノーランの妻)、クリストファー•ノーラン
製作総指揮:キップ•ソーン(物理学者)、他
撮影:ホイテ•ヴァン•ホイテマ
美術:ネイサン•クロウリー
音楽:ハンス•ジマー
衣装:メアリー•ゾフレス
視覚効果:ポール•フランクリン
特殊効果:スコット•フィッシャー
キャスト:
クーパー (マシュー•マコノヒー)
アメリア•ブランド博士 (アン•ハサウェイ)
マーフ「クーパーの娘」(ジェシカ•チャスティン、幼少期 マッケンジィ•フォイ、老年期 エレナ•バースティン)
ブランド教授「アメリアの父」(マイケル•ケイン)
マン博士 (マット•デイモン)
ドナルド「クーパーの父」(ジョン•リスゴー)
トム「クーパーの息子、マーフィーの兄」(ケイシー•アフレック、幼少期 ティモシー•シャラメ)

上映時間:2時間49分
米国公開:2014年11月7日
日本公開:2014年11月22日
第87回アカデミー賞:視覚効果賞
第88回キネマ旬報外国映画ベストテン:第6位
初回鑑賞日:2014年12月12日
場所:ユナイテッドシネマ豊島園IMAXシアター

今回鑑賞日:2020年9月8日
場所:TOHOシネマズ新宿スクリーン10(IMAXレーザー)I列19番

《この記事は、2014年12月16日の記事を加筆•修正したものです》



【スペシャル映像 ワーナーブラザース公式チャンネル 2014/11/21公開:13分54秒】






No.10901    Day 4082





【9月9日】