月灯りの読書館と物語をつむぐ少女
読書館の奥の奥――誰も入ったことがないという「月の間」へと、私は招かれた。そこには、天井まで届く大きな本棚と、中央にぽつんと置かれた一冊の古びた本。「これが“書きかけの物語”……?」私は、そっとその本を開いた。🖋まだ書かれていないページページのほとんどは白紙だった。ただ、ところどころに短い文章が浮かび上がってくる。「少女は選ばれた」「物語を綴る者にして、運命を動かす者」不思議なことに、本に触れていると、頭の中に「言葉」が浮かんでくる。その言葉を心で思うだけで、ページに淡い光のインクで綴られていく。それはまるで、私 自身が物語の中の主人公になっていくようだった。🌙月の図書司書そんな私の前に、静かに現れたのは「月の司書」を名乗る女性。髪は銀色に揺れ、瞳は夜空のような深い青。「この本は、あなたの心が物語になる“写し鏡”」「どんな言葉も、どんな気持ちも、この場所なら物語に変わっていくのです」彼女はそう言って、ページの余白に小さな羽根のしおりを挟んだ。「でも気をつけて。書いた言葉は、現実になるかもしれませんよ」🌓終わらない物語私はページに、こう書いた。「少女は、この世界の秘密を知る旅に出ることにした。」その瞬間、読書館の窓が開き、月光の中から一本の階段が浮かび上がる。階段の先には、まだ誰も読んでいない「次の章」が待っている。私は、本を抱えてそっと立ち上がった。物語は、まだ終わらない。次の世界へと――また、新しい冒険が始まる。