先にこちらをお読みください⬇️




☆*:.。. o(≧刺青和彫≦)o .。.:*☆





side O☆*:.。. o





だらりと伸びた足の間を


きつく搾った手拭いで綺麗にしてやると


身を捩って「イヤイヤ」をする。




ずくん・・・




再び大きくなる節操のない俺。


ダメだ。


こんなにも・・・痛そうなのに・・・




和「・・・智兄・・・あのね?」


智「ん?なんだ?」


和「お願いがあるの」





お願い?


なんだって聞いてやるぞ。





智「・・・何?・・・」





和也が俺を熱く見つめる。




もしかして


もう一度、抱いて・・・とか?




いや・・・傷が治ってから・・・///




和「あのね・・・智兄の、ここ・・・」




和也の可愛い手が伸びてきたのは


俺の刺青の菫(すみれ)だった。




和「これ・・・欲しいの・・・」


智「・・・え・・・」





これは・・・和也だよ・・・





和「結ばれた証に・・・


これ・・・ここに・・・彫って欲しい」


智「・・・え・・・」


和「智兄のもの、っていう証に・・・」





証文が欲しい・・・ってことか・・・





智「刺青は・・・痛いし・・・」




お前の綺麗な肌に


刀を入れるなんて・・・




和「・・・お願い・・・」




智「特に、そこは痛いところで・・・」




和「・・・お願い・・・」




真っ直ぐに見つめられて


俺はジリジリと追い詰められた。







たじろぐ俺に


クスリと誰か笑ったような気がした。





振り返ると


月夜に浮かんだ壁の美しい人が


人生の苦しみも哀しみも


全て知っている慈愛の目を向けて


俺らふたりを


その美しい琥珀の瞳で


見つめてくれていた・・・




*赤ずきんさんの絵です*




千葉の画伯が描いたという


生涯の伴侶となった花魁の絵。


模して作った俺の版画が


暗い影を落とした床に転がっている。





俺はハッとしてそれらを交互に見た。






ー・・・模するだけではいけない・・ー


 



・・・と、いうことか。





紙が撚れて絵の具が混じり


濃い陰を作った版画は


和也の寂しさが浮き上がっていた。


こうして結ばれたように


俺の息吹を注いで


幸せにしてやりたくなった。





描きたい・・・という欲が疼く。


模するだけでなく


自分の魂を注ぐ、ということ・・・





それを花魁と和也に教えられた。





俺は・・・


自分の唯一無二を


この手で彫る。


野の菫(すみれ)も神の造形物だけど


他ならぬこの愛しい人に・・・


俺の息吹を注いだ菫(すみれ)を


一筆一筆、刻んでいく・・・






それは


彫り師としての俺の原点となった。





*ララァさんのお写真です*







(智side終わり)





この場面に続きます。







次は6時17分蓮ちゃんエピローグ






智サイドは終了ですが


蓮ちゃんのエピローグ(明日)に続きます。


後書きは明日の20時に


ふたつのお部屋同時にUPいたします。


最後までお付き合いのほど


どうぞ宜しくお願いします🙇‍♀️