blog No.473
 
友人とキュビスム展に行ってきました。
 
行った日 : 240104 木
展覧会名 :  キュビスム展 : 美の革命 : パリポンピドゥーセンター
行った場所 : 国立西洋美術館(東京都台東区上野公園)
会期 : ~1/28
 
キュビスムって??
知っていそうで知らない展覧会に行ってきました。
そういえば、今回ほとんどの作品を出陳している、パリのポンピドゥーセンターも知っていそうで知りません。(ポンピドゥセンターは後述します)
さてさて・・・。
 
キュビスムとは?
20世紀初めに、フランスを中心に興った美術運動。対象を複数の角度から幾何学的面に分解し、再構成する技法を創出。現代抽象美術に大きな影響を与えた。ピカソ・ブラックらが代表。立体派。キュービズム。(デジタル大辞泉による)
 
だそうで。
なんだかよく分からない……
 
取り敢えず観てみよう!
撮影はごく一部を除いて「可」でした。
 
会場は14のパートに別れていました。全部で112点の出陳です。


1. キュビスム以前(11点)

 

海辺に立つブルターニュの少女たち(ポール・ゴーガン)(松方コレクション)

 

2. プリミティヴィスム(5点)

 

女性の胸像(パブロ・ピカソ)

 

3. キュビスムの誕生(5点)

 

レスタックの高架橋(ジョルジュ・ブラック)

 

楽器(ブラック)

 

4. ブラックとピカソ : ザイルで結ばれた結ばれた二人(16点)

 

肘掛椅子に座る女性(ピカソ)

 

円卓(ブラック)

 

果物皿とトランプ(ブラック)

 

ギターを持つ女性(ブラック)

 

ギターを持つ男性(ブラック)

 

5. フェルナン・レジェとフアン・グリス(7点)

 

ギター(フアン・グリス)

 

6.サロンにおけるキュビスム(5点)

 

 

7.同時代主義とオルフィスム : ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー(6点)

 

バル・ビュリエ(ソニア・ドローネー)

 

シベリア横断鉄道とフランスの小さなジャンヌのための散文詩(ソニア・ドローネー)

 

 

8.デュシャン兄弟とピュート・グループ(9点)


マギー(レイモン・デュシャン=ヴィヨン)

 

恋人たちⅡ(ヴィヨン)

 

恋人たちⅢ(ヴィヨン)

 

座る女性(ヴィヨン)

 

挨拶(フランティシェク・クプカ)



9.メゾン・キュビスト(2点)


(メゾンの様子:写真)

 

10.芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」(14点)

 

左:眠れるミューズ、右:プロメテウス(いずれもコンスタンティン・ブランクーシ)

 

ロシアとロバとその他のもとに(マルク・シャガール)

 

婚礼(シャガール)

 

キュビスムの風景(シャガール)

 

女性の頭部(アメデオ・モディリアーニ)

 

女性の頭部とテーブル(アレクサンダー・アーキペンコ)


11.東欧からきたパリの芸術家たち(5点)

 

カップのある静物(レオポルド・シュルヴァージュ)

 

エッティンゲン男爵夫人(シュルヴァージュ)

 

12.立体未来主義(6点)


春(ミハイル・ラリオーノフ)

 

理髪師(ジャン・プーニー)

 

13.キュビスムと第一次世界大戦(7点)


大きな馬(レイモン・デュシャン=ヴィヨン)

 

戦争の歌(アルベール・グレーズ)

 

輪を持つ子供(マリア・ブランシャール)

 

14.キュビスム以後(11点)

 

輪を持つ少女(ピカソ)

 

ギターを持つピエロ(フアン・グリス)

 

タグボートの甲板(フェルナン・レジェ)

 

静物(ル・コルビュジエ)

 

水差しとコップ(コルビュジエ)

 

※パリポンピドゥセンター ↑↑↑

ポンピドゥ大統領によって構想され、1977年開館した複合文化施設。パリの中核を占める国立近代美術館・産業文化センター(世界屈指の近現代美術をコレクションを誇る)。キュビスムの優品を数多く所蔵する。建屋の外側にエスカレーターを配置しているのも話題。

 

 

う~~~む

多種多様な作品に圧倒されました。

それは確かなことですが、だからどうした、といった「何か」を掴むことは出来ませんでした。大枚を叩いてパリへ飛び、ポンピドゥーセンターに行けば解決するかもしれませんが、ここ西洋美術館のなかで「キュビスム」を体感することは、最後までできませんでした。それが素直な感想です。私にセンスが無いだけのことだろうとは思います。思いますが、全体として「食傷気味」とでも言える感覚に包まれたのもまた事実です。

 

「良い体験をした」

というのが鑑賞後の感想となりましょうか?

また、シュルレアリスムを好む私には、キュビスムがそれに通ずる「何か」である気がしてなりませんでした。

 

 

今回も

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
 
今後ともよろしくお願いします。
blog No.472
 
能面展に行ってきました。
 
行った日 : 240106 土
展覧会名 :  国法雪松図と能面‪‪✕‬能の意匠展
行った場所 : 三井記念美術館(東京都中央区)
会期 : ~1/27

私は、お能には詳しくありません。能楽堂にも行きません。

けれど「能面」だけは昔から大好きで、今回も押っ取り刀で出かけてきました。





三井記念美術館は上品な小さな美術館。好きな美術館のひとつです。
展示室が7つあり、全部で88点が展示されていました。
内訳は、能面が32、能装束が15、楽器が10、茶道具が4、それに剪綵(せんさい)が、それぞれ展示されていました。
 
まず、撮影は展示室4以外は撮影禁止です。
エントランスでは、大きな「剪綵」(せんさい:色糸や絹布などで作った造花などの細工物)が出迎えてくれました。
↓↓↓
 
展示室1には能面が13点(すべて重文)あり、裏側を見ることができるので貴重です。
中でも8点がココロに刺さりました。
・翁(伝春日作)

 

・大飛出(おおとびで:伝赤鶴作)

 

・シカミ(伝赤鶴作)

 

・景清(出満照作)(平景清が晩年、盲目となった姿を描いているそうです)

 

・瘦男(伝日氷作)

 

・中将(鼻まがり)(伝福来作)(在原業平を描いた作品です。鼻が曲がっています)

 

・老女(伝日氷作)(小野小町の晩年のさまを描いているそうです)

 

展示室2には1面のみ展示(おそらく所蔵中代表作なのでしょう)
・孫次郎(ヲモカゲ)(伝孫次郎作)

 

展示室3には能にまつわる茶道具が4点。
 
展示室4には当館自慢の国宝と能装束が展示されていました(撮影可)
・雪松図屏風(国宝:ゆきまつずびょうぶ)(円山応挙筆)

 

 

 

↓↓は展示室4の様子(中央奥が国宝)

 

展示室5には能面(18点、すべて重文:裏面は見えない展示)のほか、楽器が3点。なかでも「般若」が目を引きました。
・般若(伝龍右衛門作)

 

展示室6には7点の楽器がありました。
 
最後の展示室7には、このたび能面作家の橋岡一路氏より当館に110点の作品(能面)が寄贈されたそうで、その中から25点が展示されていました。殆どが橋本氏の力作です。
 
いやぁ、間近で能面と対峙していると、不思議とココロが洗われます。
また、館内も土曜というのに、さほど混雑しておらず、じっくりと鑑賞することができました。
 
ミュージアムショップに図録が見当たらないので、係の方に尋ねたところ、今回、図録は作っていないが2008年に製作した『三井記念美術館所蔵 能面』に展示品がすべて載っているとのこと。カフェは無いのですが、ショップの一隅に飲料の自販機があり、それを飲む席があります。飲みながら『能面』の見本をパラパラと。うーむ。どうしようかな。購入すれば、家でいつでも観られるな、でも値段がな・・・、などと拙いことを考えながらしばし考えた末に、「雪松図屏風チケットホルダー」と共に購入したのでした。
購入して正解でした。自宅でもパラパラと能面と睨めっこしております。
 
ところで、
実は、この2日前、友人と国立西洋美術館の「キュビスム展」を観たばかりでした。ブログも時系列からいけば、そちらを先にアップするのが筋ですが、今回は能面に操られ、日にちが前後しますが、こちらを先にアップすることとしました。キュビスム展のブログはあとでアップいたします。
 
なお、当ブログの画像ですが、エントランスの「剪綵」と展示室4以外は、すべて図録を撮影したものです。
 

今回も

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
 
今後ともよろしくお願いします。
blog No.471
 
あまりやらない展覧会に行ってきました。
 
行った日 : 231115 水
展覧会名 :  インド細密画展 : はじめましてインド : 宮廷絵画120点との対話
行った場所 : 府中市美術館(東京都府中市)
会期 : ~11/26
 
府中市美術館とは、全く無縁のワタクシ。
だって遠いんだもん。
出し物はインド画。
興味津々で行ってきましたよ。
撮影はオールNGでした。
 

 

新宿から京王電車に揺られて25分、東府中へ。1時間に2本の「ちゅうばす」(ふちゅうのばす、の意)というコミュニティバス(100円均一)で5分ほど乗車。駅から歩くと遠いから便利。

 

老人のグループがとても多く、会期末でもないのに混雑していました。学芸員に聞けば、NHKのアートシーン(日曜朝放送)で放映されてから混み始めたとのこと。


↓エントランス




インド画なんて、滅多に実物を目にしない。
なんでも、16世紀後半から19世紀ころまでインド各地の宮廷で盛んに生み出された、小さな小さな手のひらサイズの画面に描かれた宝石のような「インド細密画」の数々(120点と謳っているが、実際は127点。更に前後期に別れているので、私が観た後期は108点の展示でした)に一気に魅了されました。

展示目録(4頁)








 
撮影がNGでしたので、「美術館だより」を撮影して、数葉だけご紹介したいと思います。(本当に小さいんですよ!)






敢えて小さな画面にしたのは、「絵とは一対一で対話するもの」という絵画観があったからだそうで、同じころ西欧では、聖書や神話の物語を大画面に壮大に描き出された絵こそが「芸術」だとされていましたね。それは作品から発せられる強大な力を浴びるように鑑賞するものでした。対して、インド細密画は心静かにじっくり味わう絵画群でした。そこには、神話の神々や英雄、豪華な衣装の王や、しなやかなポーズの女性たちが、美しい線と鮮やかな色によって描き出されていました。インドの文化や美術に親しみのない多くの日本人にとっては見慣れぬ神々の姿や、日本にも西洋にも、あるいは東洋にも無い、未知の世界が広がっていました。大いに気分転換ができました。

主催は、美術館・日経新聞・東京新聞でした。東京新聞が紹介されていました↓。


常設展も、なかなか見応えがありました↓


帰りも「ちゅうばす」で、今度は府中に出て、帰路につきました。多くのメジャー作品が出陳される上野の森と違い、良い意味で、大きなカルチャーショックを受けて、充実した水曜の午後となりました。またインド画、観たいな・・・。
 

 

今回も

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
 
今後ともよろしくお願いします。