「えっ、なによそれっ」
「だって、ミサトちゃんあの頃、軽音部の話と部員の話ばっかでさ、特にナッちゃんの話、すんげぇー多かった。だから俺、少し嫉妬してたんだ」
また、そう言うことさらりと言う・・・。
だからって、なんで私と夏川君なのよ。
あるわけないでしょ、そんなこと。
「だから、俺が監視しようと思って、うまくもぐりこんだって訳」
「まったくー、しょうがないんだから。ありえないわよ、そんなこと」
すると、彼は急に私にキスしてきた。
あまりに突然のことに驚いていると、彼は急に真面目な顔をして言った。
「そうでもないよ。ミサトちゃんが気づいてないだけ。だから俺、ミサトちゃんと付き合ってるって告白したんだ。これなら誰もミサトちゃんに近づけないからな」
「そう、そう、本当にあの時は驚いたわ」
「まあいいじゃん。俺のこと、みんな知らないんだし」
彼は部室の奥に行くと、マイクをうれしそうに手に待った。
「でもさー、俺、悪いなーって思い始めたんだよね。だって、みんないい奴だしさ、自分の動機が不純だってこと、かなり反省したよ」
彼は今度はドラムの椅子に座り、ステックで軽く叩きながら、私の方を見た。
~ 蒼井りんこ完結作品 ~
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よろしくお願いします![]()