もう夏がそこまで近づいている。
つまりそれは、亮君のバンド活動の終わりを示していた。
蝉が窓の外で激しく鳴いているのが聞こえる。
今日も暑くなりそうだ。
日差しを避けながら、屋上からぼんやり景色を眺める。
あ、チャイムの音だ!
時間になったので私は授業に向かう。
午後からの授業は、満腹感のせいか眠気との戦いだ。
夏川君は、今にも瞼が閉じそうな勢いだ。
大半の生徒が、授業なんて半分うわの空で、もうすぐくやってくる夏休みが待ちきれない!といったところだろうか。
それでも私は生徒たちの目を覚まさせ、なんとか授業を続けた。
窓から時折入ってくる風に、すこし心が和む。
カーテンが風で揺れている。
放課後になった。
授業中あんなに眠そうだった夏川君は、きりっとした顔に変身して、部活に熱を注いでいる。
なによ、私の授業はあんなに詰まんなさそうだったのに・・・・。
そんな時だった。
「ねえ、もうすぐ夏休みだろ」
新山君が突然切り出した。
「だよな。亮君・・・・だろ?」
郷田君も本城君も夏川君も、みんな新山君の言いたいことがわかっているようだ。
「やっぱさぁ、辞めちゃうんだよな・・・」
みんな亮君がいなくなることが淋しいらしい。
その気持ち、わからないではない。
だって、ここまで一緒に頑張ってきた仲間だもの!!
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